三井住友信託銀行では2012年より、SDGs教育メディア「SDGs.TV」を運営する株式会社TREEと協働し、次世代を担う子供たちに向けたESD(持続可能な開発のための教育)プロジェクトに取組んでいます。

ファッション業界の現状・課題

日本では、年間約35億枚もの衣類が供給されている一方、1日あたり約1,300トンの衣類が焼却・埋め立て処分されています。今や、即行動すべきグローバルで緊急性の高い問題の「気候変動」の背後には、ファッション業界をはじめとする様々な業界が経済的合理性の下に行ってきた大量生産・大量廃棄、森林破壊、大規模農業、格差社会、児童労働等、様々な問題が複雑に絡み合いながら存在しています。

第20回目となるESDプロジェクトは、静岡県静岡市にある常葉大学附属橘高等学校の1年生に向けて、「サステナブルファッション」をテーマとした特別授業「持続可能なファッション業界から、エシカル消費を考えよう」を提供しました。同校では3年間、総合学習の時間を用いたキャリア教育を実施しており、本プロジェクトは「ファッション」という身近なテーマから様々な社会課題を認識し、一人一人の興味・関心に従って紐解き、「自分には何ができるだろう?」と思考・行動してもらいたいと企画した授業です。

エシカルファッションの実現に向けて

2023年1月25日、英数科1年生約35名を対象とした授業では、担当の水口教諭が映像教材を使用し、ファッションを取り巻く世界と日本の現状と問題点について解説しました。1~2本目の映像はファッション業界の抱える社会課題を解説したSDGs.TVからの動画教材です。安価な洋服を作るために日本から遠く離れた土地の資源や労働力が使われ、深刻な環境汚染とそれに起因する水不足や貧困などの社会問題を生み出していること、環境に悪影響を与える化学物質を使用しないブランドが出てきていることなどを学んだあと、(一社)エシカル協会の末吉代表理事による「SDGs目標12の達成のために、今私たちにできること」の解説を聞いてもらいました。3本目の映像は、(株)ワンピースの久本社長のインタビューと同社の取り組みを紹介するオリジナルの教材で、服飾メーカーでありながら、具体的なアクションとして「服の交換会(持ち込んだ洋服と同数を交換できる参加費無料のイベント)」を実施するに至った社員の皆さまの思いや、国内各所で「地域でモノを循環させる」というエシカル/サステナブルな視点を広めていることなどを紹介しました。

映像視聴後の「自分たちにできること」をテーマにしたディスカッションでは、活発な意見交換が行われました。生徒の皆さまは今後、この授業を起点に地域の中でのマイアクションや将来の自分の職業選択を考えていきます。このESDプロジェクトを通じて、生徒の皆さまが静岡の未来の担い手として、「SDGsの観点を持って自ら社会課題を探究し、解決方法を思考し、地域と協働しながら自主的に行動・発信する人材」に成長されることを願います。三井住友信託銀行では今後も、SDGsの目標達成に向けた取組みと、ESDの推進に努めてまいります。

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