終活で人生に安心とたのしみを~人生100年応援部~
医療技術の進歩などにより、我が国の平均寿命がさらに延び、多くの人が100歳以上の長い人生を生きることになるといわれていますが、現在の社会や企業の各種制度は、「人生100年」を前提としていないため、これまでになかったさまざまな不安を抱えることになることが予想されます。三井住友信託銀行では2019年4月、「人生100年応援部」を新たに設置し、「人生100年時代」の到来により生じるさまざまな課題に対し、適切なソリューションを提供してまいります。
2019年度Special Topicでは、人生100年時代を安心して、より楽しく過ごせるよう健康や資産の備えについてお話してきました。最終回となる今回は、必ずやってくる人生の“最期”について、自分らしくしめくくる、より良い最期を迎えるための準備、すなわち『終活』についてご紹介します。
終活においてしておきたいこと
終活というと、「まだ元気だから」「今は忙しいから」と先延ばしにする方が多くいらっしゃいますが、皆さまはいかがでしょうか?
終活においてしておきたいこと(図1)のアンケートでは、まず『お金』の整理を考える方が多いようです。いくつか保有している銀行口座をまとめたい、保険の契約内容を見直したい、あるいは、自分が亡くなった後に残るお金を誰に託そうか、大切な貴金属などは子どもや孫に使って欲しいという想いがでてくる方もいらっしゃるようです。
次に気になるのは、クローゼットなどにあふれた洋服や本など、物の片付けがあげられます。断捨離だけでなく、大切なもの・必要なものをしっかり管理しておくことも重要です。最近では、PCやスマートフォンに保存した写真、SNSなどデジタルデータの整理も気になるようです。
生きている間はお世話になる年金手帳や健康保険証、電気・ガス・水道等公共サービスの契約状況は、いつでも必要なときに確認できるよう管理しておくべきであり、亡くなった後は速やかに返納・契約解除等の対応が必要となります。今では、生活に欠かせないものとなっている携帯電話やスマートフォンも同様です。このように、死後に発生する手続きを「死後事務」といいます。死後の手続きですから、自分では決して実現できない対応です。
図1終活において、しておきたいこと
図2死後事務(例)
- 訃報連絡
- 家財整理
- 諸届事務、公共サービス解約等
- 形見分け
- 葬儀・埋葬
- デジタル遺品の整理/削除
- 退院、退所手続き
- ペットを託す
終活は元気なうちに
まだまだ死ぬのは先と思っていても、我々人には健康寿命があり、死を迎える前に要介護状態や認知症になることで、健康寿命を早く迎える人も多くいます。お金の整理も物の片付けも、体力気力ともに十分でないと、なかなか思うようには準備できないものです。いつやってくるか分からない健康寿命を過信せず、今から始めることが肝要だといえます。
そしてもう一つ忘れてはいけないのは、男性と女性の平均寿命の差です。今は大切なパートナーがいても、女性が後に残ることが多いようです。最期はひとりになることを十分に留意し、終活に臨む必要があるようです。
図3平均寿命と健康寿命の差(健康寿命)日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる期間
注意したいのは、終活でお金の整理をし、物の片付けをして、自分の亡き後はこうして欲しいという希望をエンディングノートに書き留めたとしても、それを実現してくれる人がいなければ単なるノート(記録)になってしまうことです。子どもや孫、甥姪など、自分より若く元気で、自身の人生のしめくくりをしっかり叶えてくれる人に託せる場合は良いですが、頼れる身内がいない場合は、終活の一つとして「自分の想いを実現してくれる人」も準備しなければなりません。
終活を通じて心の整理を
最後に、終活の利点についてもお伝えしておきたいと思います。
終活は、「自分らしく人生をしめくくるために、お金の整理・物の整理を行い、それを実現する準備を行うこと」とお話してきましたが、終活を行った人が一番に感じるのは「心の整理」です。終活により、それまでの人生を自分なりに整理することができ、次に向かう力が湧いてくるようです。終活は一度で終わりではなく、何度も考えることでより人生観も深まり、より一層未来が明るくなると仰る方もいらっしゃいます。
人生100年時代、終活で安心を、よりたのしく豊かに。
おひとりさま信託
三井住友信託銀行では、おひとりさまの終活を応援する「おひとりさま信託」の取り扱いを開始しました。(2019年12月17日現在は、首都圏先行店のみのお取り扱い商品です。)
おひとりさま信託
- 設定時信託報酬
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33,000円(税込)
- 終了時信託報酬
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110,000円(税込)+ご契約年数(年単位、1年未満切捨て)×6,600円(税込)
(2019年12月17日現在 )