提供する価値

三井住友信託銀行のサステナビリティ活動

環境不動産の付加価値(1)−不動産の「収益性」から導かれる付加価値

不動産の環境配慮を考える場合、よく「コストが余分にかかるから投資がしづらい」といった声が聞かれますが、不動産投資における価格の理論を踏まえると、環境不動産は追加コストに見合った、あるいはそれ以上の付加価値を生み出す可能性があると考えられます。
不動産を収益性(どれだけの収益をどれくらい安定的に生み出すか)という観点で見た場合、その価格は、不動産が生み出す純収益(収入−費用)を不動産の利回りで割ることによって求められます。賃料収入などの総収入が多いほど、また水道光熱費や維持管理費などの費用が少ないほど、純収益が増加して不動産価格は高く評価されます。また収益の変動リスクが少なく安定性が高い資産ほど、投資家が要求する利回りは下がるため、不動産価格は高く評価されることとなります。
環境不動産は、省エネルギー効果による水道光熱費の減少や、使用部材の耐久性向上による維持管理費の減少などが純収益の増加につながる可能性があるほか、オフィス環境の向上による生産性の向上や、建物のイメージ向上効果などが賃料アップの要因となるため総収入の増加をもたらし、純収益の向上につながる可能性もあります。
さらに環境不動産は、将来の環境関連の課税強化や規制強化などの影響を受けにくいことから、不動産の利回りに含まれる環境リスクが低減するほか、長寿命化による償却率の低減や環境配慮によるイメージ向上効果が不動産の利回りの低減につながる可能性があります。
以上のような理由から環境不動産が付加価値を持つようになると三井住友信託銀行は考えています。

環境付加価値概念図(1) 不動産の「収益性」に着目した価格

環境付加価値概念図(2) 純収益への反映

環境付加価値概念図(3) 利回りへの反映

環境不動産の付加価値(2)−付加価値の「見える化」に向けて

CASBEE経済効果調査

日本において、建物の環境性能とその経済効果との相関性を示した研究成果が少ないことから、三井住友信託銀行は一般社団法人 日本サステナブル建築協会の「スマートウェルネスオフィス研究委員会」経済効果調査ワーキンググループのリーダーとして、CASBEE®(建築環境総合性能評価システム)を用いた経済効果調査を実施しました。この調査では、CASBEE®という、日本で開発・普及が進められている環境性能の総合評価ツールによる認証や評価を受けているビルと、これを受けていないビルを対象に分析を行いました。その結果、「CASBEEの認証や届出を行ったビルは都市全体の平均賃料に比べて賃料が約3.6%高い」「CASBEEスコア(100点満点換算)1点あたり、賃料が約0.5%高い」といった可能性が示唆されました。この成果は各種シンポジウムや日本建築学会大会などで発表されています。

CASBEEスコアと賃料の相関関係(単回帰分析)

平均賃料の比較

CASBEEビルに関する重回帰分析の結果一覧

企業価値の向上に向けて

企業の環境不動産への取り組みは、不動産価値の向上だけでなく、ステークホルダー、社員の皆さまあるいはコミュニティからの支持を集め、企業価値の向上に結びつく可能性が大いにあります。

ステークホルダーの皆さまからの支持

環境不動産への取り組みについて、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視するステークホルダーからの支持を得ることができます。
GRESBやコーポレートガバナンス・コードのほか、SDGsに沿って環境不動産の取り組みを示していくことも、グローバルなメッセージとして極めて有効になるものと考えられます。
※ 持続可能な開発目標(SDGs):2030年に向けて全世界が取り組むべき地球規模の優先課題を17の目標と169のターゲットにまとめた「持続可能な開発目標」。2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」で採択。

社員の皆さまからの支持

環境に配慮したビルは、その断熱性の高さ、豊かな自然光・自然換気の導入、きめ細かい空調・照明の制御、緑豊かな外構などにより、そこに働く人の健康性や知的生産性を高める可能性があり、社員の皆さまのモチベーション向上や社員採用の優位性につながります。

コミュニティからの支持

ヒートアイランド抑制、景観向上など、環境不動産の取り組みには地域環境向上につながる要素が数多くあり、企業市民としてコミュニティからの支持を得られやすくなります。

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