竜串の奇岩(大竹小竹) 竜串の奇岩(大竹小竹)

高知県土佐清水市中心街から車で約20分のところにある竜串湾は、3.7km²ほどの小さな湾で、土佐清水市から愛媛県宇和島市、西予市に至る「足摺宇和海国立公園」を代表する景勝地です。

竜串海岸で出迎えてくれるのが、柔らかい砂岩であるが故に、長い年月をかけて波や風の浸食を受けて、珍しい形となった奇岩。その見た目から、「大竹小竹」「絞り幕」「欄間石」などと名付けられ、様々な表情で、訪れる人を楽しませてくれます。また、古生物が活動した跡の化石である「生痕化石」を見ることもできます。古くから、奇岩の地として知られており、また、地質の博物館ともいわれています。

海の中も魅力的です。竜串湾は沖合を流れる暖流の黒潮の影響を受け、また湾内が複雑な地形であることなどから温帯から熱帯、内湾性から外洋性の種まで非常に多種のサンゴが生息しています。日本に生息する約300種のサンゴのうち、約100種の生息が確認されており、その周りを形や色もさまざまな熱帯性生物が回遊する美しい海中景観が形成されています。そのため、全国で初めて「海中公園(現海域公園)地区」に指定された地でもあります。

日本最大級のシコロサンゴの大群落、海の中をふわふわと泳ぐミノカサゴ、サファイアのようにキラキラ光るスズメダイ、奇妙ながら愛らしいカエルアンコウなどが織りなす生物相を、グラスボート、ダイビング、シュノーケルなど、さまざまに楽しむことができます。

シコロサンゴの大群落 シコロサンゴの大群落

よみがえるサンゴの海

開発や産業の影響による水質悪化、オニヒトデなどサンゴ食害生物の大発生等によってサンゴの衰退が見られるようになったところに、追い打ちをかけるように2001年の高知県西南豪雨によって、河川から大量の土砂が流入し、多くのサンゴが死滅しました。

失われつつあったサンゴを再生しようと、地域内外の住民・専門家・行政などさまざまな人たちが協働し、「竜串自然再生協議会」を立ち上げました。海中環境は、川を通じて、森や人間生活が営まれている里の影響を受けることから、山・川・里・海のつながりの再生を目指し、山の手入れのための間伐、川の水質調査、海底の泥土除去工事、オニヒトデの駆除、地域住民への啓発活動などを行っています。

自然の回復力、それをサポートした人の力。その2つがあいまって、10年間の活動の結果、竜串の海は美しい姿を取り戻しつつあります。

地元小学校での環境学習 地元小学校での環境学習

現地への交通(2017年9月現在)

電車の場合

  • 土佐くろしお鉄道「中村駅」から西南交通バスで約1時間20分
  • くろしお宿毛線「宿毛駅」から西南交通バスで約1時間

車の場合

  • 高知自動車道「四万十町中央IC」から約2時間35分
  • 松山自動車道「津島高田IC」から約1時間50分

竜串自然再生協議会

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