相続コラム

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財産の遺し方を考える

担当財務コンサルタント

長沢 峰己
長沢 峰己
ながさわ みねき
主席財務コンサルタント
趣味は、登山・音楽
1956年生まれ、富山県出身
1979年海運会社入社、1988年三井信託銀行入社
事業会社融資、個人資産運用業務、個人融資業務に携わる。
2003年より財務コンサルタントとして活動を始める。
現在、遺言信託・遺産整理や特殊信託受託に係る審査業務を担当。
業務経験を生かして、「財産の遺し方を考える」シリーズを全6回にわたりお届けいたします。

第6回 公正証書遺言はこうして作成される

公正証書遺言は、公証役場に出向いた遺言者本人の嘱託に基づき、公証人が公証人法・民法などの法律に基づいて作成します。公証役場は公証人が執務するところです。役場の名称については、地名の後に「公証役場」「公証人役場」というものが多いのですが、「公証人合同役場」「公証センター」などというのもあり、全国に約300カ所あります。また、公証人は、法律実務家の中から、法務大臣が任命する公務員で、その多くは、法曹有資格者から任命されており、全国に約500人います。

2人以上の証人の立会が必要

民法は、公正証書遺言を作成する場合、2人以上の証人が必要であるとしています。その目的は、「遺言者が自分の意思に基づいて遺言したことを確認するため」などです。ただし、次の人は、証人になることができません。

  • ①未成年者。
  • ②推定相続人および受遺者並びにこれらの配偶者および直系血族。これは、遺言の内容と直接利害関係にある人は証人になることができないということです。
  • ③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人。
    証人の資格がない人が立ち会った場合、遺言書は無効になります。また、遺言の内容が他に漏れる可能性もありますので、証人選びは注意が必要です。なお、身近に適当な証人が見当たらない場合は、公証役場で紹介してもらうことができますし、遺言書の作成段階から専門家に相談すれば、業務の一環として証人になることを引受けてもらえます。
公正証書遺言の作成に必要な書類

公正証書遺言を作成するためには、次の書類を公証役場に持っていく必要があります。

  • ①遺言者の実印(作成の際に使用する印鑑は、印鑑登録した実印です)と印鑑登録証明書(本人確認のためです)
  • ②証人の住所、氏名、生年月日、職業を記載したメモ(場合によっては、運転免許証など証明する書類)
  • ③財産を渡す人が相続人である場合はその人の戸籍謄本、相続人以外の場合は住民票など
  • ④財産に不動産がある場合はその登記簿謄本など
公正証書遺言の作成手順

公正証書遺言は、公証人により多少の差はありますが、次の手順で作成します。

  • ①公証人が遺言者に氏名・生年月日等を尋ねたうえ、遺言の要旨を確認します。
  • ②公証人が前もって作成してある公正証書遺言を遺言者と証人に渡して読み聞かせ、遺言者の意思どおり正確に作成されていることを確認したうえ、公正証書原本に遺言者、証人の順に署名・捺印し、最後に公証人が署名・捺印して、作成は完了します。
  • ③公正証書遺言正本(原本とほぼ同じものですが、遺言者・証人の署名・捺印が省略され、公証人が「これは正本である」と記し捺印したもの)1通と請求した通数の謄本(正本を謄写したもの=写し)が交付され、原本は公証役場で保管されます。
  • ④最後に、遺言者が公正証書作成手数料を支払って、手続きは終了します。
相続・遺言に関するご相談は三井住友信託銀行へお任せください。

「財産の遺し方を考える」と題し、6回に渡って「遺言書についての基本事項」や「作成にあたっての注意事項」などをお届けしてきました。
築き上げられてきた大切な財産をどう遺していくか?を考えることは、家族への思いやりであり、検討された内容を「遺言書」という形にすることで、家族と皆さまの安心につながります。
大切なことは「自分には関係ない」と思いこまず、ご自身の資産内容・相続人・ご家族への想いを整理し、ご自身の相続について向き合ってみることです。相続対策の検討に「早すぎる」ことはありません。
分からないことや困ったことがあれば、一人で考え込まず、早めに専門家へ相談しましょう。

三井住友信託銀行には、財務コンサルタントという専門スタッフが各店におります。
相続についてのご相談から、遺言書作りのお手伝い、遺言書の保管・遺産分配の確実な実現までお一人お一人の状況やご希望に合わせて、一貫してお応えいたします。

相続・遺言に関するご相談はぜひ三井住友信託銀行まで。
長年にわたり培った相続に関する総合的な経験とノウハウに基づき、皆さまの相続について親身になってご相談を承ります。

皆さまのご用命を心からお待ち申し上げております。

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