特集 初めての外貨預金

 外貨預金には、外国為替相場の変動等により元本割れのリスクがある他、
取引時には為替手数料がかかります。あらかじめこちらのご注意事項をお読みください。

金利がマイナス?ヨーロッパで不思議な現象

「マイナス金利」という言葉を聞いたのですが、金利がゼロを下回ることがあるのでしょうか。

通常であれば金利がマイナスになるような状況は考えにくいと思いますが、現実には国債の利回りがマイナスとなったり、政策金利をマイナスに引き下げる国が現れたり、多くの事例が出てきており、その影響が注目されています。

金利がマイナスと言われてもよくイメージできません。
 

それでは、マイナス金利について一緒に考えてみましょう。
 

マイナス金利とは

金利がプラスの場合は、お金を借りると利息を支払い、お金を預けると利息がもらえます。これが、金利がマイナスの世界では逆になります。つまり、お金を借りると利息がもらえ、お金を預けると利息を支払うことになります。

住宅ローンで金利がもらえる? 預金するのに利息を支払う? 尋常な世界ではありませんね!

住宅ローンで金利がもらえる世界は常識的には考えられませんが、ヨーロッパの一部の国では中央銀行への預け金についてマイナス金利は現実のものとなっています。
 

マイナス金利の現状は

現在、中銀預金金利などの政策金利にマイナス金利を導入している中央銀行はECB(欧州中央銀行)、スウェーデン、スイス、デンマークの4つです。

意外に多くの中央銀行がマイナス金利政策を導入していますね。
 

状況を確認するため、マイナス金利導入国の金利水準の推移について以下にまとめてみました。
 

【図T:マイナス金利導入国の政策金利の推移(2012年以降)】

(Bloombergのデータを基に三井住友信託銀行が作成)

デンマーク、ECB、スイス、スウェーデンの順でマイナス金利を導入していますね。

そうです。特に2015年に入って、金利のマイナス幅が拡大されています。ECBとスウェーデンは量的緩和策も導入して政策を補完する等、金融緩和を加速する動きが顕著です。
 

マイナス金利は何のため

中央銀行が政策金利をマイナスにする目的は何でしょうか。
 

大別するとふたつ。ひとつは、自国の行き過ぎた通貨高を抑制するため、もうひとつが、デフレを回避するためです。デンマークとスイスは前者を、ECBとスウェーデンが後者を主目的にしていると考えられます。

先進国においては、為替操作を目的とした政策はタブーではないのでしょうか。
 

欧州諸国は、地理的に経済の依存関係が強く、対ユーロの為替レートが経済に与える影響が極めて大きいのが特徴です。歴史的にも、為替変動を一定の幅に抑制するメカニズムを制度として採用する等、経済政策の重要な要素として伝統的に為替の安定に意を注いできました。

デフレ回避

経済にとっては、デフレよりインフレの方が好ましいのでしょうか。
 

ECBとスウェーデン中銀は、インフレ率の目標を2%前後とするインフレターゲットという政策を採用しています。安定したインフレ環境維持が、良好な経済成長を実現する基礎的要素との考えが背景にあります。

スウェーデン中銀は世界で最も歴史のある中央銀行で、政策の透明性の高さでも定評があります。同中銀はホームページで、デフレ環境継続による経済への悪影響や安定したインフレ環境がもたらす効用について丁寧に説明していて参考になります。最近は、物価の下落から売上・収益の減少、賃金の抑制、消費の低迷等といった経済への直接的な影響よりも、円滑な富の再分配の妨げになる点について多くの議論が行われていることが注目されます。

ユーロ圏とスウェーデンのインフレ率は低下しているのでしょうか。
 

【図U】をご覧ください。両国のインフレ率はここ数年、一貫して低下傾向にあり、デフレ環境が趨勢として定着する懸念が強まっています。一時的なデフレはあまり問題になりませんが、これが継続する環境は放置できません。そこでECBとスウェーデン中銀は、量的緩和策を導入するとともに、その効果が相殺されないよう異例の政策ともいえるマイナス金利を導入しているのです。

【図U:日本、ユーロ圏、スウェーデンの消費者物価指数(前年比)の推移】

(Bloombergのデータを基に三井住友信託銀行が作成)

※グラフの期間は2012年1月〜2015年3月

※赤の点線はインフレターゲットの2%を示している。

※2014年4月に日本は消費税を5%から8%に引き上げており、その影響を除くと2%を下まわる。

具体的には、量的緩和で市場に供給した資金が中銀預金に滞留することを抑制し、企業への貸出や他のリスク資産への資金還流を促す効果を狙った政策だといえます。

確かに、中央銀行への預金残高に応じて金利を支払うとなると、民間銀行は滞留資金をできるだけ削減するようになりそうですね。でも、副作用はないのでしょうか。

マイナス金利の幅が大きくなりすぎると、民間銀行は余計な預金を集めることを抑制するようになるかもしれません。金融緩和の結果が、民間銀行のバランスシートの縮小を招いては本末転倒です。

そういったリスクがあっても、マイナス金利を導入しているのですね。
 

そうです。中央銀行は副作用があるのを承知で敢えて大いなる実験に踏み出しているといえます。それだけ、デフレの怖ろしさを認識しているということではないでしょうか。スウェーデン中銀は「一段の措置が必要ならば行動する」とデフレを回避し物価安定目標を達成するためには何でもやるという強力な意志を示しています。

日本でマイナス金利が導入される可能性は

これまでの話から、マイナス金利についてある程度理解ができました。日本では導入される可能性はあるのでしょうか。

日本では、経済の長期低迷を引き起こしたとされるデフレからの脱却と、力強い経済成長を実現するためアベノミクスを推進しています。日本銀行はインフレ率の目標を2%に設定するインフレターゲットを導入し、「やれることは何でもやる」と黒田総裁の強い決意のもと量的・質的金融緩和を実施しています。インフレ率が低位で推移すれば、ヨーロッパの事例にも見られる通り、次の一手としてマイナス金利が導入される可能性は排除できないと思います。

金融緩和と関連して注目すべき点が他にありますか。
 

金融緩和の強化はしばしば為替レートに大きな影響を与えます。確認しておきましょう。
 

【図V:円、ユーロ、スウェーデンクローナの対ドル為替レートの推移】

(Bloombergのデータを基に三井住友信託銀行が作成)

※グラフの期間は2013年1月〜2015年3月

※2014年1月1日の数値を100として指数化したもの

確かに金融緩和の追加策が発動されるタイミングでは通貨安に振れる傾向が強いようにみてとれます。インフレ率の推移を観察することで、中央銀行の次の一手に注目したいと思います。

※本資料は、作成時点(2015年4月10日現在)で入手可能なデータにもとづき当社が執筆したものであり、将来の見通しおよび正確性、完全性を保証するものではありません。最新のデータについては、営業員にお尋ねください。

外貨預金についてのご注意事項

外貨預金におけるリスクについて

外貨預金は外国為替相場の変動により為替差損が生じ、受取時の円貨額が預入時の払込円貨額を下回り、元本割れする可能性があります。
為替変動がない場合でも、往復の為替手数料をご負担いただくため、受取時の円貨額がお預入時の払込円貨額を下回り、元本割れする可能性があります。

外貨預金にかかる費用について

円を外貨にする際(預入時)および外貨を円にする際(払戻時)は、為替手数料(1通貨単位当たり最大片道1円、往復2円)がかかります。為替手数料は当社所定の為替換算レートに含みます。
外貨送金を伴う預け入れ・払い戻しには、別途、当社所定の外国送金手数料等がかかることがあります。

その他重要なお知らせ

外貨預金は、預金保険制度ならびに投資者保護基金の対象ではありません。
外貨預金に関して、外貨建て現金、外貨建て小切手、外貨建てトラベラーズ・チェックによる預け入れ・払い戻しはできません。
外貨定期預金を中途解約する場合、お預入日または前回継続日から中途解約日までの利息は、当社所定の中途解約利率で計算します。
ご契約の際は、最新の契約締結前交付書面(商品説明書)を事前にお渡しいたしますので、必ず内容をご確認の上、お客さまご自身でご判断ください。
外貨預金にはクーリング・オフ制度は適用されません。
本資料は三井住友信託銀行が作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。

三井住友信託銀行株式会社

当社で取り扱う金融商品においては、各商品所定の手数料<投資信託の場合は銘柄毎に設定されたお申込手数料(約定日の基準価額に最大3.24%(税込)の率を乗じて得た額)および信託報酬、信託財産留保金等の諸経費、外貨預金の場合は為替手数料(1通貨あたり片道最大1円)などがかかります>をご負担いただく場合や、価格変動等により損失を生じる場合がございます。商品毎にリスクおよび手数料等は異なりますので、各商品の契約締結前交付書面またはお客さま向け資料をよくお読みください。
<商号等>
三井住友信託銀行株式会社 登録金融機関 関東財務局長(登金)第649号
<加入協会>
日本証券業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会

ページトップへ戻る