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米国経済の先行きを占う上で重要な雇用関連指標

サブプライム危機が発端となった金融市場の混乱から、米国経済の実体経済の失速懸念が高まっています。懸念を最も端的に示した経済指標は、米国の失業率の推移にあります。12月の米国の失業率は前月の4.7%から5.0%に一気に0.3%ポイント上昇し、米国経済が景気後退入りするリスクを高め、米国の中央銀行である米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利の大幅な利下げを促す状況となっています。そこで今月は、米国の雇用環境を最も早く判断する先行指標と景気後退の関係について見ていきたいと思います。

昨年12月に上昇著しかった米国の失業率は、毎月第一週の金曜日に前月の数字が公表される指標です。このように公表は月に一度なので、雇用環境を把握するのには1か月のラグがあることになります。これより早く、例えば週次ベースで米国の雇用環境や失業動向を把握できる指標はないでしょうか。この目的に適した指標として、毎週木曜日に公表される新規失業給付申請件数が挙げられます。

下図は、新規失業保険申請件数と失業率の推移を並べたものですが、両者は極めて相関が高いことが分かります。加えて、新規失業給付申請件数は、失業率の上昇・下落に先んじて推移する特徴を持っています。例えば、図で網掛けている部分は米国の景気後退期を示していますが、過去2回の景気後退では、新規失業保険申請件数が急増し、これに伴って失業率も大幅な上昇に転じました。さらに、景気後退直前の数字をみると、いずれの景気後退期も、新規失業保険申請件数が37万件前後の水準を超えたところで景気後退入りしていることが分かります。

米国の景気後退前後の失業率・失業保険申請件数の推移

幸いなことに、1月半ばまでの申請件数は、4週平均で31.5万件と、判断の分かれ目となる37万件を下回っています。この先、雇用環境が急速に悪化しなければ、何とか米国経済が持ちこたえる可能性が高まることになります。

ここで取り上げた新規失業給付申請件数や失業率はいずれも、過去の景気後退前後の転換点で大きく変化してきた指標です。従って、米国経済が本当に景気後退入りするのかを雇用環境から判断する上で、また、今年前半の米国経済の成長パターンを左右する消費支出のもととなる所得環境を占う上で、失業率や新規失業給付申請件数をはじめとした雇用関連指標は、いま最も重要な指標のひとつといえるでしょう。

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