とっておきのマネー情報

景気・株価・為替レートの先行きをどう見るか

内外のマーケットでは動揺と混乱が続いています。世界の株価は底入れのきっかけをつかめず、為替市場では急速な円高ドル安が進み、社債市場ではクレジットスプレッド(国債利回りに対する上乗せ幅。値が大きくなれば「企業倒産が増える」との見方が強まることを示す)が拡大しています。
米国金融市場における信用不安は依然根強く、住宅ローンの延滞率も上昇し続けており、サブプライム問題が収束に向かう見通しはまだ立っていません。

また、1〜3月に公表された経済指標は、予想を上回る厳しいものが相次ぎました。米国の雇用者数は減少に転じ、日本の企業収益は原材料費の増加を主因に2四半期連続の減益となりました(財務省「法人企業統計季報」)。
米国経済は景気後退局面に入ったとの見方が大勢になりつつあり、日本経済についても、これまで景気を牽引してきた設備投資の勢いは相当程度弱まると予想されます。このように見ると、景気も株価も止めどもなく落ち込んでいくかのような印象を持ってしまいます。本当にそうなるのでしょうか。

確かに、米国で実施される減税策の効果は限定的となるでしょうし、日本経済もマイナス成長となるほどの大崩れを回避するのが精々でしょう。
ただ、こうしたことを考慮しても、現在のマーケットは経済の悪化を過度に織り込んでいる(換言すれば、悲観的に見過ぎている)と考えられます。すなわち、日米の株価は下がり過ぎであり、対ドル為替レートは円高に振れすぎており、社債市場におけるクレジットスプレッドは開き過ぎであり、日米長期金利は下がり過ぎであると考えられます。

例えば、株価の適正水準を判断するモノサシである株価収益率(株価÷1株当たり利益)を見ると、日本では14倍前後となっており、先進国の標準的なレンジである18〜20倍をかなり下回っています(→下図)。
また、米国の社債市場において観察されるクレジットスプレッドは、信用力の高くないBB格ゾーンを見ると企業倒産率10%超に相当する水準です。実際の企業倒産率は直近でも1.5%程度であり、今後の米国景気の後退を保守的に勘案しても5〜8%に止まると見られます。
さらに、米国における官民挙げての迅速な対応もそれなりに評価していいでしょう。FRBは大胆な流動性対策を打ち出していますし、民間金融機関も積極的に損失処理を進めています。サブプライム関連の損失はまだ続くとは言え、規模的には1−3月期以降ピークアウトする可能性もあります。

以上のように考えると、現在のマーケットにおける「過度な悪化の織り込み」はいずれは剥落し、株価は持ち直し、米国経済やドルへの過度な悲観論を背景とした円高ドル安にも歯止めが掛かってくるでしょう。

ただ昨今の状況を鑑みると、「過度な悪化の織り込み」が剥落する時期と程度については、一段と不透明になってきたことは否めません。これまでは年後半との見方が中心でしたが、これが後ずれする、あるいは剥落による回復・持ち直しの度合いはより小さくなると見るのが自然でしょう。
円ドルレートで言えば、ドルが値を戻しても100円台前半〜半ば、日本の長期金利(10年国債利回り)は1%台半ばまで上がる程度、日銀の利上げ再開は1年以上先の話となるでしょう。

日本の株価と株価収益率の推移

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