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日本経済の現状と今後の見通し

2010年1-3月期の日本の経済成長率は前期比年率+4.9%となりました。これで4四半期連続のプラス成長です。2009年度内の4四半期はいずれもプラス成長であり、この間の成長率を均すと年率+4%を上回ります。日本経済の実力で達成できる平均的な経済成長率は1%前後とされていますから、この成長率は日本にとって非常に高いものということになります。

GDP成長率の推移

四半期GDP経済成長率と項目別の寄与度

それぞれの需要項目の増減が、GDP全体の成長率のどの程度貢献しているか(あるいは足を引っ張っているか)を見ると、1-3月期になっても輸出と個人消費の伸びが続いており、依然としてGDPプラス成長に寄与していることがわかります。個人消費の伸びはやや衰えましたが、輸出の伸びはまだ高いままです。こうした中で、設備投資も2四半期連続のプラスと回復してきました。輸出の増加で企業収益も回復しているので、設備投資に踏み切る企業が増えているものと思われます。

今回のGDP結果から見てとれる日本経済の現状は、エコポイント制度や自動車減税など、個人消費促進のための経済政策効果が弱まり始めた一方で、アジア向けを中心とする輸出増加ペースが衰えておらず、その恩恵が設備投資など企業の需要も押し上げ始めたために、日本経済はまだ高成長を維持している、というものでしょう。これまでは「この先の日本経済は景気の踊り場が来る」という見方が強かったのですが、設備投資まで回復し始めるなど、国内需要にも明るい動きが広がり始めたこともあって、最近は「この先も順調なプラス成長が続く(景気の踊り場は来ない)」という見方が主流になりつつあります。

このように、日本経済の動きはこれまでの一般的な予想を上回り続ける順調な動きを見せていますが、この先の景気が下振れるリスクがないわけではありません。

現在、金融市場の混乱の原因となっているギリシャ問題はその一つです。問題の顕在化による欧州経済の不振が続けば、円高ユーロ安の影響もあって、日本から欧州向けの輸出がダメージを受けることになります。

しかし、欧州向け輸出のシェアはもともと小さく、2009年度の輸出に占める割合は11.9%に過ぎません。これはアジア全体(55.2%)の5分の1程度であり、中国(19.2%)の半分強に過ぎません。この先ギリシャ問題が他国に波及し、金融市場混乱の連鎖が起こる事態になれば別ですが、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)の支援体制が比較的明確であることから、少なくとも現時点では大きな問題ではないと考えています。

このような日本の貿易構造から見て今後注意すべきなのは、アジア新興国の景気動向でしょう。その中心的な位置を占める中国の2010年1-3月期の経済成長率は、前年同期比+11.9%と非常に高くなりました。中国経済は極めて順調に拡大していますが、リーマンショック前の水準を大きく上回った不動産価格や、食料品をはじめとして見え始めたインフレの兆しなど、景気過熱の懸念が高まりつつあります。これに対して、政策当局は預金準備率を引き上げるなどの対応を始めてはいますが、景気の過熱を抑え、かつ急激な景気減速を避けることができるかどうかには、しばらく注意が必要でしょう。

中国の実質経済成長率の推移

中国不動産価格の推移(主要70大中都市不動産価格)

※本資料は、作成時点(2010年5月28日現在)で入手可能なデータに基づき当社調査部が執筆したものであり、将来の見通しおよび正確性、完全性を保証するものではありません。

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