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インド経済の特徴

景気回復で先進国に先行する新興国には海外から資金流入が続き、株式や通貨価値などが上昇しています。そうした国の一つが、経済好調なインドです。

インド株式市場では、海外機関投資家の売買動向の影響が見受けられます。海外機関投資家の買い越しが株価を押し上げ、9月から加速しています。

図1は、海外機関投資家によるインド株式のネット売買額と、代表的な株価指数であるセンセックス30種指数との月次推移です。海外機関投資家は2009年3月からほぼ一貫して買い越し基調です(2010年1月と5月は売り越し)。欧州信用不安から世界の主要株式市場が低迷した2010年5月、インドでも海外機関投資家は売り越しましたが、6月には買い越しに転じました。特に9月、10月と買い越しが強まり、センセックス30種指数は9月から一段と上昇して20,000ポイント前後で推移しています。

また、インドルピー相場は対米ドルで上昇傾向にあります(図2)。特に9月から上昇ペースを早め、対米ドルで44ルピー台の水準となっています。

海外機関投資家のインド株式売買動向(ネット売買額)とセンセックス30種指数・インドルピー相場〜対米ドル

このように海外資金が集まるインド経済の特色を一言で表せば、「内需主導の成長」です。10月に公表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは、インドは内需主導で2010年度の経済成長率が9.7%、2011年度が8.4%という高成長が予想されています。

インドにおける内需の柱は、実質国内総生産(GDP)の5割以上を占める民間消費です(図3)。また、同3割超を占める固定資本形成も伸長していますが、引続きインフラや生産設備など投資拡大の余地は大きいようです。これらに対して、輸出から輸入を差引いた純輸出はマイナス基調です。

インドの経済成長

足元のインド経済の成長をみても、個人所得の底上げから消費財やサービスへの需要が増えて、生産が拡大する、好循環が生じています。この点について、主な3つの業種の動向を踏まえて確認してみましょう。

2010年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比8.8%増となり、1-3月期の同8.6%増から加速しました(図4)。この高成長の基盤となっているのは、労働人口の過半を占める農林水産業の安定的な成長でしょう。2009年夏の干ばつで低迷していた農業生産は今年前半に持ち直しました。その結果、農林水産業の2010年4-6月期成長率は2.8%と2四半期連続のプラスとなりました。今夏の降水量は平年並みに戻ったことから、先行きコメなどの収穫回復も期待されます。

第2は、高成長のけん引役である製造業です。自動車や家電など耐久消費財を新たに購入しようとする所得層の着実な増加に伴い、インド国内には投資機会が増加しています。生産や設備投資の増加により製造業の2010年4-6月期成長率は12.4%と3四半期連続の二ケタ増となりました。

実質GDP成長率

第3は、商業・ホテル・運輸・通信です。同12.2%と3四半期連続の二ケタ成長となり、サービス業では都市はもちろん農村でも新たな市場の創出が続いています。

このように経済活動が急速に拡大する一方で、インフレが懸念されています。インドでの代表的な物価指標である卸売物価指数(WPI)は2010年9月、前年同月比8.62%上昇しました(図5)。食品価格の低下などから8月に同8.5%上昇へ鈍化しましたが、再び物価上昇が加速する兆しも見受けられます。

既に今年5回目となる利上げを9月に実施して、中央銀行から市中銀行への貸出金利(レポ金利)は6.0%ですが、足元ではもう一段の金融引締め策が必要な情勢となりつつあるようです。

とはいえ、先進国での金融緩和が続く状況下、インドでの相次ぐ利上げは、海外資金の流入加速やルピー相場を急上昇させる要因ともなっています。

卸売物価指数の推移

持続的成長が期待されるからこそ、海外資金が集まるインド。急速な流出入はかく乱要因ですが、海外からの投資資金が株式投資だけでなく、経済成長のボトルネックと言われている電力や道路などインフラ不足の解消に有効活用されることこそ、さらなる成長への鍵と言えそうです。

※本資料は、作成時点(2010年10月29日現在)で入手可能なデータにもとづき当社調査部が執筆したものであり、将来の見通しおよび正確性、完全性を保証するものではありません。

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