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2011年の景気の見方

昨年2010年の世界経済の動きを振り返ると、先進国と新興国の勢いの差が際立ったことが、特徴の一つだったと言えるでしょう。先進国は金融危機の影響が残っていることもあって振るわなかった一方、新興国・資源国の経済は力強く拡大し、世界経済の牽引役になりました。中には物価上昇が顕著になるなど景気が過熱気味になっている国も増えており、それらの国では、景気の過熱を防ぎ、物価上昇の加速を予防するための金利引き上げや資本流入規制といった対策が採られ始めました。逆に日米ではさらなる金融緩和が行われるなど、中央銀行が担う金融政策の方向性にも明らかな違いが出た1年でした。

2011年も、新興国・資源国を牽引役として世界経済の拡大が続くというのが基本的な見方です。これらの国の需要増加などを支えとして、先進国も徐々に回復に向かうと見ています。昨年10月に国際通貨基金(IMF)が公表した経済見通しでも、2011年の新興国成長率は6.4%と高い伸び率を維持し、先進国はこれより低いものの2.2%とプラスが続くと予想されています。

先進国と新興国の経済成長率

このように世界経済が拡大基調を続ける中では、我が国の景気も、輸出増加の恩恵を受けて回復していくことが期待できます。ただ、国内に目を向けると、昨年9月にエコカー補助金の支給が打ち切られてから低迷している国内自動車販売の回復がまだ見えないことや、2011年3月にエコポイント制度が終了した後に家電販売の減少が見込まれるといった懸念材料がある他、日本の輸出主力品目の一つである半導体の在庫が増えているために生産を減らす必要が出ているなど、いくつかのマイナス材料があります。このため、2011年に入ってすぐに生産活動が活発化するというわけにはいかず、年前半までの日本の景気は横ばいの範囲に留まらざるを得ないでしょう。しかし後半からは、世界経済の拡大を背景とした輸の増加をきっかけに回復していく、というのが現時点での見方です。

ただし、このシナリオが実現するためには、いくつかの条件が満たされることが必要です。その条件とは、国家財政の問題である欧州ソブリン危機が他の地域に飛び火せず解決に向かうこと、米国での減税延長や金融緩和といった経済刺激策がその効果を発揮すること、そして新興国では、最近景気が過熱気味になっていることを受けて上昇してきた物価上昇率が、政府・中央銀行の努力によって経済に急な変動をもたらすことなく徐々に落ち着いていくことです。逆に言えば、これらの点が2011年度の内外景気を見る上でのリスク要因であり、それぞれの動きは引続き注意して見続けておく必要があるでしょう。

主要新興国の消費者物価上昇率

※本資料は、作成時点(2011年1月12日現在)で入手可能なデータにもとづき当社調査部が執筆したものであり、将来の見通しおよび正確性、完全性を保証するものではありません。

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