とっておきのマネー情報

見え始めた東日本大震災後の国内景気

3月11日に発生した東日本大震災が日本経済にどの程度の影響を与えたのかが、経済指標で少しずつ見られるようになってきました。

今回の震災で、最も大きくかつ直接的な影響を受けたのは、国内製造業の生産活動でした。3月の鉱工業生産指数は、前月比▲15.3%もの減少となり、1か月の減少率としてはリーマンショックの時(同▲8.6%)を大きく上回る過去最大となりました。被災地の工場や機械設備が壊れたため生産ができなくなったという直接的被害だけでなく、関東圏での計画停電、そして他の地域でも、東北と関東で製造していた部品や材料の調達ができなくなる「サプライチェーンの寸断」により生産停止を余儀なくされたなど、その影響が広くおよんだことが改めて確認できます。業種別に見ると、生産減少率が最も大きかった輸送用機械製造業では、前月比▲46.4%とほぼ半分まで減っています。
そして、国内で生産ができなかったために日本からの輸出もダメージを受けており、震災前の3月上旬は前年同期比+14.8%と2桁のプラスであった輸出の伸び率は、震災後急速に低下し、4月上旬には同▲19.4%と2割近くものマイナスに落込んでいます。

業種別に見た国内生産の動き

輸出伸び率の推移

この生産減少率は予想を上回るものでしたが、明るい材料としては、4月以降の生産は回復に向かいそうだ、ということがあります。国内製造業による4月・5月の生産予想は、それぞれ前月比+3.9%、+2.7%と増加が続くという結果でした。この数字はあくまで予想であって実際にこの通りになるとは限りませんが、3月から4月にかけての生産が更に落込む事態は避けられそうだというのは明るい材料です。生産は、震災により大きく落込んだものの、比較的早いうちに回復に向かうことが期待できます。

鉱工業生産指数の推移

反面、現時点で大きな影響は確認できないものの、少し気になるのが今後の雇用情勢です。3月の失業率は4.6%と2月と同じ水準で、有効求人倍率(ハローワークでの求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数値)は0.63倍と、2月から0.01ポイント改善しました。しかし、国内企業の一般的な動きとして、業績が悪化してから従業員を整理するまでには少しタイムラグがありますので、雇用情勢はこれから悪化していく可能性は否定できません。

失業率・有効求人倍率の推移

今までの日本経済は輸出に依存する度合いが強かったために、景気を見る上では輸出や生産の動きが決定的に重要な位置を占めていましたが、今後は家計部門の動きにも注意を配る必要があります。

※本資料は、作成時点(2011年5月11日現在)で入手可能なデータにもとづき当社調査部が執筆したものであり、将来の見通しおよび正確性、完全性を保証するものではありません。

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