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豪州経済動向と金融政策

リーマン・ショック後のオーストラリアの景気は、他の先進国と比べて速いペースで回復していきました。その背景には、リーマン・ショックによって豪州金融機関が被った損失が小さく金融システムが比較的安定していたことや、従来から政府の財政状況が良好で十分な経済政策の発動余地があったこと、そして何より、石炭・鉄鋼石を主力輸出品目とする同国が、中国をはじめとする新興国高成長に伴う資源の需要増加と価格上昇の恩恵をフルに受けたことがありました。資源価格の上昇によって最初に鉱業部門の業績が上向き、それが徐々に他の業種に波及していく形で、豪州景気は拡大していったのです。このことは、リーマン・ショック後の豪州企業収益の回復に対して、鉱業の寄与度が圧倒的に大きいことからも確認できます。資源価格上昇が、豪州経済を潤し続けた最大の要因であるということです。

リーマンショック後の豪州企業収益回復の業種別寄与度

そして豪州経済が主要先進国を大きく上回るペースで回復する中、豪州準備銀行(RBA)が決定する政策金利(キャッシュレート)は他の先進国に先んじて引き上げられました。2009年半ばの3.0%をボトムとして、7回の利上げを経て2010年11月から4.75%とされ、現在に至っています。

豪州政策金利の推移

今年の夏にも5.0%に引き上げられるのではないかとの予想が一般的でしたが、6月7日の金融政策決定会合において、RBAのスタンスに変化が見られます。公表された声明文に、利上げはまだ先になりそうだというメッセージが織り込まれたのです。この変化の要因としては、1.雇用者数増加ペースが鈍化していることや、2.住宅価格が下落に転じるなどこれまでの利上げが効果を示し始めたこと、3.アジア新興国の景気が金融引き締めで減速し始めたことで、資源価格が下落する可能性が出てきたこと−などが考えられます。今後の豪州経済と政策金利を見る上では、これらの要素がポイントになると見られます。中でも、ここ数年の豪州経済を引っ張ってきた最大の要因となった資源価格と、その背景にある中国などアジア新興国の景気が特に重要な要素になるでしょう。

豪州雇用情勢の推移

豪州住宅価格指数

※本資料は、作成時点(2011年6月9日現在)で入手可能なデータにもとづき当社調査部が執筆したものであり、将来の見通しおよび正確性、完全性を保証するものではありません。

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