リスクマネジメント

三井住友信託銀行のサステナビリティ活動

投資における気候変動リスクマネジメント

Climate Action

三井住友トラスト・アセットマネジメント(SMTAM)と日興アセットマネジメント(日興AM)は、基本方針として、委託者・顧客からの特段の指図がない限り、特定の銘柄を投資対象から一律に除外することはありません。エンゲージメントや議決権行使などを通じたスチュワードシップ活動によって、気候変動情報の開示の促進や気候変動問題への具体的な対応を促し、投資先企業ひいては市場全体のサステナビリティ向上につなげていく方針です。

Climate Action 100+への参画

SMTAMと日興AMは、2017年12月の気候変動サミット(One Planet Summit)においてPRIと世界各地の機関投資家団体が主導して設立した「Climate Action 100+」に参画しています。この枠組みのもと、世界で温室効果ガス排出量の多い100社をリストアップし、各機関が協働してエンゲージメントを実施しています。

気候変動に関するエンゲージメントの事例(SMTAM)

2019年8月にはリード・マネージャーとしてPTT(タイ石油開発公社)に、同9月には協働マネージャーとしてPOSCO(韓国・鉄鋼)、KEPCO(韓国・電力会社)に対してエンゲージメントを実施しました。また、同10月にはCALSTRS(カリフォルニア州教職員退職年金基金)およびCalPERS(カリフォルニア州職員退職年金基金)と協働し、日本の大手製造業3社に対するエンゲージメントを実施しました。

国内事例:非製造業A社 温室効果ガス削減

グローバル事例:資源採掘企業B社(欧州) 温室効果ガス削減

投資プロセスにおいて気候変動を考慮した事例(日興AM)

例1 北米の総合エネルギー会社の場合:環境管理においてオイルサンド業界トップクラスであったものの、同社の株価水準には予想される規制上の負担が反映されていないと見られたことから、割引率が押し上げられた水準にあり、長期的なアルファ・スコアが低下していると評価しました。

例2 豪州の電力セクターにおける座礁資産リスクについて:上場企業社に焦点を当て、政策設定および技術の進歩によって異なるさまざまなシナリオにおけるバリュエーションへの影響などを分析しました。

例3 中国政府のイニシアティブに大きく左右される環境であることを踏まえ、当社では中長期的に政策の恩恵を受けることができる有利な立場にある企業を綿密にモニター・分析しています。例えば、中国では、大気環境問題に対処するための石炭からガスへの転換や、「中国製造」計画の中で掲げる電気自動車への移行など、さまざまな取り組みが実施されています。

例4 日本の機械メーカーで鉱山機械を製造している会社の場合:同社にとっての気候変動関連リスクとして今後の石炭産業と(関連資産の)座礁資産の動向を注意深く監視しています。当社では、同社の経営陣と定期的にエンゲージメントを実施してきており、経営陣が気候変動などのさまざまなリスクを認識し、常に収益改善のための経営判断を行っているなど、同社が重大な気候変動リスクを適切に管理していることを評価しています。

融資における気候変動リスクマネジメント

赤道原則

三井住友トラスト・グループは、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)として「投融資先の環境・社会への影響に対する配慮」を特定しており、プロジェクトファイナンスの与信判断プロセスに赤道原則に基づくリスクマネジメントの手順を組み込み、対象プロジェクトが自然環境や地域社会に与える影響に十分配慮されていることを確認しています。2018年度(2018年4月1日〜2019年3月31日)に赤道原則を適用した案件は22件です。
2019年11月の赤道原則協会総会で赤道原則の第四次改訂が採択されました。先進国における先住民族に対する配慮の強化、リファイナンスなどへの適用対象取引の一部拡大のほか、相当程度以上の影響が考えられる場合に物理的リスク分析を実施すること、年間温室効果ガス排出量が10万t-CO2超のプロジェクトの場合に、代替案の検討に加えTCFDにおける移行リスク分析を実施することがデュー・デリジェンス項目に追加され、気候変動への取り組みが強化されました。

環境・社会配慮評価の体制とプロセス

【適用プロセス】
環境・社会配慮の評価手順を定めた社内運営ルールに従い、赤道原則所管部署が個別のプロジェクトに関する環境・社会影響の評価を実施しています。

【環境・社会影響レビューの実施】
プロジェクトの所在国や業種に応じて、事業者によるプロジェクトの環境・社会に配慮する対応が、赤道原則が求める水準を満たしているか否かをレビューした上で、総合的なリスク判断をします。

【モニタリング】
重要な項目を遵守する旨を融資契約書に反映させており、それらの重要項目の遵守状況を報告書などによって定期的に確認しています。

【社内研修】
営業、評価、審査等に携わる関係部門を対象に定期的な研修を実施し、社内運営の理解や環境・社会配慮の意識向上に努めています。

気候変動に関連するセクターポリシー

石炭火力発電に対するプロジェクトファイナンス

三井住友信託銀行は、国際社会の重要な課題である気候変動問題において相対的にCO2の排出量が多い石炭火力発電プロジェクト案件に関しては、従来から発電効率や環境負荷等へ一定の社内基準を定め、慎重に取り組み判断を行ってきました。先進国における低炭素社会の実現に向けた取り組みは金融機関にとっても重要な経営課題であることから、今般、今後新たに建設が検討される石炭火力発電プロジェクトについては原則的に取り組まない方針としました。ただし、例外的に取り組みを検討していく場合は、OECDガイドラインやプロジェクトの発電効率性能など、より環境負荷を考慮した厳格な取り組み基準のもと、個別案件ごとの背景や特性等も総合的に勘案し、慎重な対応を行います。

熱帯雨林伐採や泥炭地の開発等に関するリスクマネジメント

三井住友信託銀行では、クラスター弾製造企業など社会への影響が大きい事業を推進するセクターに関するセクターポリシーを定め、負の影響を及ぼす企業やプロジェクトへの投融資を禁止したり、抑制したりしています。パーム油や森林からの原材料調達に関して熱帯雨林の違法伐採や泥炭地の開発などによって気候変動への影響が懸念されるセクターについても、下記の通り、セクターポリシーを策定しています。
(森林)世界で急速に進む森林破壊は、生物多様性の減少や生態系の安定性の低下、水源涵養機能の低下、二酸化炭素の固定機能の低下等さまざまな問題を引き起こしています。当社は、木材の生産およびそれを原材料とする製造業に対しては、国際的な森林認証制度※1の取得状況や、先住民や地域社会とのトラブルの有無等を十分に考慮するなど、慎重な対応を行います。

  • ※1 FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)による森林の管理・経営を対象とするFM認証(Forest Management Certification)や、認証森林林産物の加工・流通過程の管理を対象とするCoC認証(Chain of Custody Certification)等

(パーム油)パーム油は「あぶらやし」から精製され、プランテーション栽培が行われています。パーム油は、利便性や健康食品への嗜好の高まり等により需要が急増する一方、乱開発により熱帯雨林や生物多様性減少の要因となっています。パーム油の生産およびそれを原材料とする製造業に対しては持続可能なパーム油の国際認証・現地認証※2や、先住民や地域社会とのトラブルの有無等を十分に考慮するなど、慎重な対応を行います。

  • ※2 NDPE(森林開発ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)や高炭素貯蔵(HCS)森林の保護を目的に掲げるRSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil:持続可能なパーム油のための円卓会議)等

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