戦略

三井住友信託銀行のサステナビリティ活動

1.5℃未満を目指して

パリ協定と1.5℃特別報告書

2016年11月に発効した「パリ協定」では、持続可能性を確保するために「地球の平均気温の上昇を産業革命以前から2℃より十分下方に抑え(2℃目標)、さらには1.5℃に抑える努力をすること」を国際的に合意しました。世界は低炭素社会から脱炭素社会へのさらなる転換を図ることとなりました。
2018年10月に気候変動に関する国際間パネル(IPCC)より、1.5℃特別報告書が公表されました。報告書では、持続可能性の確保と貧困の撲滅のために、温室効果ガスの正味排出量ゼロの時代をいかに早く実現する必要があるかを示しています。

1.5℃特別報告書要旨

【1.5℃特別報告書要旨】

  • 地球の平均気温は産業革命前より既に1℃上昇しており、現在の排出ペースでは2040年に1.5℃上昇する。
  • 現状の1℃上昇でも影響は深刻だが、1.5℃上昇すると悪影響が増し、2℃上昇ではさらに多大になる。
  • 温暖化は異常気象、海面上昇などを通じて、生態系、人間に大きな影響を及ぼす。
  • 対応が遅れると、さらに多くの対策を必要とする。
  • 1.5℃未満を目指すことで、SDGsの目標達成にも好影響を及ぼす。

1.5℃特別報告書の公表後の2019年に、IPCCからは「土地関係特別報告書」と「海洋・雪氷圏特別報告書」が公表され、さらに気候変動による影響が深刻であることが報告されました。これらを受け、2019年9月に国連で開催された気候サミットでは、国連事務総長が気温上昇を1.5℃に抑える意思表明を各国に要請、65カ国が2050年までに温室効果ガス排出量を正味ゼロにすることを宣誓しました。

SDGs

IPCC特別土地報告書

  • 産業革命前に比べ、2006〜2015年の世界の気温は平均で0.87℃上昇し、陸域は平均1.53℃上昇している。
  • 気候変動は生計、生物多様性、人の健康、インフラ、食料システムなどに影響を及ぼしており、既存のリスクをさらに悪化させる。
  • 適応には障壁が存在し、土地に関連する対応による緩和への貢献には限界がある。
  • 持続可能な土地管理や森林管理は、気候変動が土地の劣化に及ぼす悪い影響を覆しうる。

IPCC海洋・雪氷圏特別報告書

  • 世界全体の海洋は、1970年よりほぼ弱まることなく昇温しており、1993年より昇温速度が2倍を超えて加速し、海洋熱波は1982年から頻度が2倍になり、強度が増加している。
  • 海洋のCO2吸収により、海面の酸性化が進行しており、生態系に悪影響を及ぼしている。
  • グリーンランドおよび南極の氷床の消失、海洋の熱膨張と合わさって、100年に一度の極端な水位上昇が熱帯では1年に一度以上起こると予測される。

気候変動に関連するリスクとチャンス

気候変動問題に関して、金融機関は自社の事業活動に起因する直接的な影響にとどまらず、投融資先の企業やプロジェクトに起因する間接的な影響についてより多くの責務を負っているといえます。また、ビジネスモデルに脱炭素社会への移行を組み込むことが企業の成長戦略において重要な要素となります。

気候変動に関連するリスク

気候変動に関連するリスク

気候変動に関連するビジネスチャンス

気候変動に関連するビジネスチャンス

※TCFD提言による区分

TCFD提言への対応

金融安定理事会は、気候変動を金融に対するリスクとして認識し、2017年6月にTCFD提言を公表し、企業に対して、より一層の透明性の高い気候変動関連の情報開示を求めました。金融業界は自らの事業活動に起因する温室効果ガス排出量のみならず、投融資先の企業やプロジェクトに起因する気候変動の影響をモニタリング、情報開示し、リスクマネジメントを徹底することが要求されています。
三井住友トラスト・ホールディングスは、TCFD提言に対する支持表明を行っており、2019年5月に設立されたTCFDコンソーシアムに参加しています。経営企画担当役員を責任者としてTCFD対応推進プロジェクトチーム(TCFD PT)を立ち上げ、TCFD提言への対応を加速させています。

三井住友信託銀行の炭素関連資産の状況

移行リスクによって与信先が影響を受ける可能性を踏まえ、TCFDの定義に基づき計測した炭素関連資産エクスポージャーは貸出金の5.6%(2019年3月末時点)にあたります。

※GICS(世界産業分類基準)における「エネルギー」「ユーテリティ」が対象。ただし水道、独立発電事業者、再生可能エネルギー発電事業者は除く。
三井住友信託銀行および泰国三井住友信託銀行合算ベース

物理的リスクを含む気候変動リスクが与信ポートフォリオに与える影響を把握するため、気候変動シナリオ分析に着手しました。

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