当グループは、ビジネスモデルに即したコーポレートガバナンス体制の強化を進めています。指名委員会等設置会社として会社法により設置が求められる法定委員会に加え、取締役会の任意の諮問機関としてリスク委員会および利益相反管理委員会を設置しています。また、経営の透明性をより一層高めるために、取締役会議長には社外取締役が就任しています。

基本的な取り組み方針

当社は、信託の受託者精神に立脚した高い自己規律に基づく健全な経営を実践し、社会からの揺るぎない信頼を確立するために、グループの持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を図る観点から、以下の基本的な考え方に沿って、コーポレートガバナンスの充実に取り組んでいます。

また、当社は、当グループの存在意義(パーパス)を定義し、少子高齢化、気候変動、デジタル化などの重要課題(マテリアリティ)を特定の上、社会課題の解決を使命とするとともに、自らの成長機会と認識し、「社会的価値創出と経済的価値創出の両立」を経営の根幹に据えています。取締役会は、当グループの全ての役員・社員が共有すべき、あらゆる活動のよりどころとして、経営理念(ミッション)、目指す姿(ビジョン)および行動規範(バリュー)を制定しています。

基本的な考え方

  • 当社は、株主の権利を尊重し、株主が権利を適切に行使することができる環境の整備と株主の実質的な平等性の確保に取り組んでまいります。
  • 当社は、社会的責任や公共的使命の重要性を認識し、株主、お客さま、社員、事業パートナーおよび地域社会をはじめとしたさまざまなステークホルダー(以下、「ステークホルダー」)との適切な協働に努め、高い自己規律に基づき健全に業務を運営する企業文化・風土を醸成してまいります。
  • 当社は、ステークホルダーとの建設的な対話を行う基盤を構築するために、ディスクロージャーポリシーを別途定め、非財務情報を含む会社情報の適切な開示と、企業経営の透明性の確保に努めてまいります。
  • 当社は、当グループの経営管理機能を担う金融持株会社として、指名委員会等設置会社の機関設計を採用し、執行と監督の分離による取締役会の監督機能の実効性確保に努めてまいります。
  • 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するよう、ステークホルダーとの間で建設的な対話を行います。

コーポレートガバナンス基本方針

コーポレートガバナンスに関する報告書

当社のコーポレートガバナンス体制の状況を記載し、東京証券取引所に提出しています。

コーポレートガバナンス体制に関する考え方

当社は、三井住友信託銀行、三井住友トラスト・アセットマネジメント、日興アセットマネジメントなどを傘下に擁する金融持株会社であり、信託の受託者精神に立脚し、高度な専門性と創造力を駆使して、銀行事業、資産運用・管理事業および不動産事業を融合した「トータルソリューション」をご提供するお客さまの「ベストパートナー」を目指していきます。その理念を実現し、ステークホルダーの期待に応えるため、当グループのビジネスモデルの健全性および信頼性ならびに経営の透明性を確保し、当グループのコーポレートガバナンスの高度化に取り組んでいきます。

コーポレートガバナンス体制

コーポレートガバナンス体制

※1神田 秀樹氏は、三井住友信託銀行株式会社の社外取締役です。

役員の独立性について

当社は、コーポレートガバナンス基本方針において、社外取締役の指名方針を策定しています。社外取締役については、当社の重要課題(マテリアリティ)に対応する、「企業経営」、「財務会計」、「法務・リスク管理・コンプライアンス」、「信託・運用・資産管理」、「デジタル・IT・テクノロジー」、「国際性」および、社会・環境・DE&Iに係る知識・経験を含む「サステナビリティ」の分野における高い見識と豊富な経験を有する人材の中から、次の資質を満たす者を選任することとしています。

  • 当社の社外役員に係る独立性判断基準(以下、「独立性判断基準」)を満たし、一般株主との間で利益相反が生じる虞が無いと認められる者
  • 当社の経営理念、信託グループとしての社会的な責務や役割に十分な理解を有するとともに、当社の経営を監督し、的確・適切な意見・助言を行い得る者

なお、社外取締役7名は、当社の定める独立性判断基準を充足していることから、独立役員に指定しています。

取締役会

(1)取締役会の役割

取締役会は、中長期経営戦略や内部統制に関する方針等の当グループの経営の基本方針の決定や執行状況の監督等を通じ、当グループの全てのステークホルダーからのフィデューシャリーとしての信頼に応えるべく、存在意義(パーパス)の実現に向けて、ステークホルダーへの適正な資源分配を行うとともに、企業としての持続可能性(サステナビリティ)を確保することを役割としています。

取締役会は、機動的な企業経営の実現と執行役等に対する監督強化を目的として、原則として法令で定められた取締役会の専決事項以外の業務執行の決定を執行役に委任し、執行役等の職務の執行を監督しています。

取締役会の責務や権限等の詳細については、「コーポレートガバナンス基本方針PDF」をご覧ください。

(2)取締役会構成の基本的な考え方

当社の取締役会の人数は、当グループの経営管理機能を担う金融持株会社として求められる実効性ある監督機能を発揮するために必要かつ適切な規模で、構成員の多様性および専門性の確保の観点にも十分配慮して決定しています。

また、コーポレートガバナンスにおける独立社外取締役の役割の重要性に鑑み、取締役会において独立社外取締役が占める割合を原則3分の1以上とし、独立役員に係る独立性判断基準を制定し、開示しています。なお、法定委員会の委員長は、原則として全て社外取締役が務めることとしています。

取締役候補者を決定するに際しては、当社の重要課題(マテリアリティ)に対応する、「企業経営」、「財務会計」、「法務・リスク管理・コンプライアンス」、「信託・運用・資産管理」、「デジタル・IT・テクノロジー」、「国際性」および、社会・環境・DE&Iに係る知識・経験を含む「サステナビリティ」の分野における高い見識と豊富な知識を有する人材の中から選任することとしており、信託グループとしての幅広い業務領域を適切に監督し、的確な意見・助言を行い得るバランスの取れた構成を確保するよう努めています。

取締役会の構成
  • 社外取締役7名全員を独立役員として金融商品取引所に届け出ています。
  • 取締役15名の内訳:男性13名、女性2名(上表ではオレンジ色で表記)
  • 2022年7月1日~2023年6月30日に、取締役会を16回開催。全取締役とも出席率100%。
取締役のスキルマトリックス

※1海外勤務等の経験の有無にて判断しています。なお、社内取締役については、信託など当社業務に関連するグローバルな事業展開に対する業務経験を有しています。

※2会社法第2条第15号に定める社外取締役です。社外取締役の選定にあたっては、上記の専門性の観点を含めてバランスを考慮し構成しています。

(3)取締役会議長(社外取締役)

指名委員会等設置会社では、重要な業務執行の決定を原則として執行役に委任することができる一方で、取締役会はより一層監督機能の発揮を求められます。このような取締役会の役割期待を踏まえ、当社は取締役会の議長に社外取締役の松下功夫氏を選定しています。

併せて、当社では、取締役会議長がその職責を果たしていくことをサポートする組織として取締役会室を設置し、取締役会の議題の選定に向けた情報提供や取締役会の議題の論点整理などについてサポートを行っています。

(4)取締役会の審議状況

当社の取締役会では、毎年、取締役会の実効性評価(以下、「取締役会評価」)を通じて策定した年間審議スケジュールに基づき、社内外の環境変化に応じた審議を行っています。

2022年度の取締役会における審議状況と主な審議トピックス

中期経営計画(2023~2025年度)の策定に向けた取締役会の議論

本年5月、新中期経営計画(以下、「新中計」)を公表しました。中期経営計画は、機関設計変更後、二度目の策定であり、今般も社外取締役の知見等を活用する観点から、取締役会で全体方針に係る審議を行いつつ、取締役会の意見を踏まえて執行側で検討し、その検討結果を加えた提案を取締役会で改めて議論する、取締役会と執行側で適宜ラリーする検討プロセスのもと、戦略立案の審議を深めました。審議では「経営テーマ」等※1を設定し、自由闊達な議論を重ねました。新中計は、当グループの2030年のありたい姿を踏まえつつ、バックキャスティングで2023年度からの3カ年計画を具体化したものであり、長期的なビジョンと整合する、かつ実効性のある計画を策定しました。

新中期経営計画に関する取締役会における審議

※1「経営テーマ」は、三井住友信託銀行の社外取締役もオブザーバー参加する形で、経営上の重要課題や中長期的視点に立ったテーマを結論を得ることを目的とせず自由に議論することで、社外取締役の視点や知見を経営に活用しています。なお、三井住友信託銀行の取締役会における経営上の重要課題について、当社の社外取締役も交えて議論する議案は「TB審議テーマ」として設定しています。

パーパス・サステナビリティに関する取締役会での議論

当社の取締役会では、存在意義(パーパス)の実現に向けた経営上の重要課題(マテリアリティ)を特定し、それに対する経営方針の決定や実行を支える内部管理体制、報酬体系の整備のほか、ステークホルダーとの対話に向けた開示などの多様な側面からパーパス・サステナビリティに関する審議を行っています。

パーパス・サステナビリティに関する取締役会での議論
取締役会の審議状況
2022年度取締役会における主な審議テーマ・トピックス
テーマ分類 主なトピックス
パーパス・マテリアリティ・価値創造プロセス

マテリアリティマネジメント、グループ全体へのパーパス浸透

ステークホルダーとの望ましい関係の構築方針

ステークホルダーとの対話方針、サステナビリティ方針、顧客の最善の利益、政策保有株式と議決権行使、気候変動・人権に対する方針、Well-being・DE&I・働き方改革

中長期経営戦略

グループ中期経営計画

資本分配のディシプリン

人的資本、DX戦略、資本政策(含、株主還元方針)、エクイティ投資方針・規律

内部統制面の基本方針

グループ・ガバナンス、当グループの特性を踏まえたリスク管理、グループ・コンダクトリスク管理、利益相反管理、フィデューシャリー・デューティー、サイバーセキュリティ、業務継続のレジリエンス

(5)2022年度 取締役会評価の実施結果

当社は毎年、取締役会評価を行い、抽出した課題への改善策を検討・実施していくことで、PDCAサイクルを機能させ、取締役会の実効性向上に取り組んでいます。(2022年度の取締役会評価の実施結果(概要)は以下リンクをご覧ください)

2022年度 取締役会評価の実施結果(概要)

PDCAサイクル

(1)2022年度の評価のポイント

2022年度においては、足下の実効性を確認するとともに、実効性ある取締役会を「ありたい姿を目指し持続的な改善が図られている取締役会」と定義した上で、課題認識や改善点を問う設問を設定し、足下のGap認識を基に高度化の道筋を展望しました。

(2)2022年度取締役会評価の実施結果について(評価結果、課題・今後の取り組み)

2022年度の取締役会では、中計策定、グループ内部統制、多様なステークホルダーとの望ましい関係の構築方針に関する議論の充実等を通じ、実効性の向上を確認しました。取締役会および各委員会が各々の目的を意識し運営されることで審議内容充実と監督機能強化が図られ、一定の実効性が確保されていると評価しています。

一方、ありたい姿の実現に向けて、取締役会および各委員会が改善・向上すべき課題も認識しました。これらの課題認識も踏まえ、2023年度は中計の着実な実行に向けて、事業ポートフォリオ分析を踏まえた経営資源配分の議論を深化させるとともに、攻め・守りの両面から、グループ経営やステークホルダーへのアカウンタビリティ拡充に向けてより実効的な審議を行うこととしています。

2022年度取締役会評価において認識された課題
① ビジネス戦略の収益力・成長力向上に向けた事業ポートフォリオの議論
② 関係会社との有機的な連携、およびそれに基づくグループ戦略実現に向けた議論
③ 多様なステークホルダーからの期待を踏まえた議論の充実

委員会

当社は、会社法により設置が求められる指名委員会、報酬委員会および監査委員会に加え、取締役会の諮問機関としてリスク委員会および利益相反管理委員会を設置しています。

各委員会は、毎年、自己評価を実施し、抽出した課題への改善策を検討・実施することで、自律的な運営向上に取り組んでいます。自己評価結果は、4月の取締役会に報告し、審議しています。

(1)指名委員会

指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案内容を決定し、取締役会から、執行役社長を含む執行役の選任及び解任並びに経営者の後継人材育成計画に関する諮問を受け、審議の上、答申を行うとともに、三井住友信託銀行の取締役社長を含む取締役の選任及び解任に関する諮問、並びに三井住友トラスト・アセットマネジメントの取締役の選任及び解任に関する諮問を受け、審議の上、答申を行います。

(2)報酬委員会

報酬委員会は、取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を定め、その方針に従って、取締役及び執行役の個人別の報酬額等の内容を決定するとともに、三井住友信託銀行及び三井住友トラスト・アセットマネジメントの取締役会から、取締役等の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する諮問を受け、審議の上、答申を行います。

(3)監査委員会

監査委員会は、執行役及び取締役の職務の執行を監査し、監査報告を作成するとともに、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定します。

また、監査委員会は、その役割と責任を果たすため、当社のほか、当グループに属する会社の業務および財産の状況の調査などを行う権限を行使し、当グループの内部統制システムを活用するとともに、執行役、取締役および会計監査人からの報告聴取およびこれらの者との意思疎通などを通じて、組織的かつ効率的に監査を実施します。

(4)リスク委員会

リスク委員会は、①当グループの経営を取り巻く環境、トップリスク、及びマテリアリティに関する事項、②当グループのリスクアペタイト・フレームワークの運営、リスク管理及びコンプライアンス管理に係る内部統制システムの実効性の監視に関する事項などに関して、取締役会からの諮問を受けて、その適切性などについて検討し、答申を行います。

(5)利益相反管理委員会

利益相反管理委員会は、①グループ利益相反管理態勢の妥当性に関する事項、②当グループの利益相反管理、顧客説明管理及び顧客サポート管理の実効性並びにこれらの態勢の高度化に関する事項、③当グループのフィデューシャリー・デューティーに関する取り組み方針及びグループ各社の行動計画などに関する事項、④当グループの利益相反管理及びフィデューシャリー・デューティーの浸透等に係る特に重要な事項などに関して、取締役会からの諮問を受けて、その適切性などについて検討し、答申を行います。

(6)取締役会・委員会活動実績

取締役会・委員会活動実績(2022年7月~2023年6月)

2022年度の主な審議事項※1 2023年度※2の取締役会からの重点諮問事項など※3
指名委員会
(14回開催)
  • 株主総会に提出する取締役の選任に関する議案の内容の決定や、三井住友信託銀行及び三井住友トラスト・アセットマネジメントの取締役の選任等
  • サクセッションプラン・スキルマトリクスの高度化
  • 取締役会・委員会の構成を含むチームとしてのサクセッションプラン・スキルマトリクス活用の高度化
  • 三井住友信託銀行取締役会のサクセッションに向けたスキルマトリクス活用の検討
報酬委員会
(11回開催)
  • ステークホルダー主義を踏まえた取締役及び執行役の報酬の決定方針・個人別の報酬額等、三井住友信託銀行及び三井住友トラスト・アセットマネジメントの報酬の決定方針等
  • ステークホルダーの視点と信託らしさを反映した報酬制度の高度化の検討
監査委員会
(17回開催)
  • 経営戦略の進捗状況・次期中計策定に向けた取組状況、グループ全体の内部統制システムの整備・強化状況、適正・的確な財務報告及び開示に係る統制の状況等の重点監査項目
  • リスクプロファイルの変化(含む潜在的リスク)への取組状況に関する監査
  • グループ内部統制システム高度化への取組状況に関する監査
リスク委員会
(7回開催)
  • 当グループのリスク管理態勢の適切性、昨今の外部環境を踏まえたリスク管理にかかる取組状況、リスク文化の醸成・浸透等
  • 中期経営計画の着実な実行に向けたリスクへの提言(潜在的リスクの観点含む)
  • サステナビリティ、レジリエンス強化の観点からの提言
  • 信託業務(併営含む)におけるリスクコントロール
利益相反管理委員会
(9回開催)
  • グループ・業容の拡大や次期中計立案を見据えた利益相反管理の高度化、信託グループとしての顧客の最善の利益、フィデューシャリー・デューティー浸透・実践等
  • 信託グループとしての顧客の最善の利益
  • 信託業務(併営含む)におけるリスクコントロール

※12022年7月~2023年6月

※22023年7月~2024年6月

※3監査委員会については、取締役会からの監査指示事項

サクセッションプラン

経営者後継人材育成計画に基づく経営人材の育成

サクセッションプラン

当グループの持続的成長と企業価値向上を図るべく、当社、三井住友信託銀行および三井住友トラスト・アセットマネジメントの経営トップのサクセッションプランや、各事業経営や経営管理などを担う人材の育成計画から構成された「経営者後継人材育成計画」を策定し、役員として求められる人材像や要件を定め、計画的な候補者群の管理・育成を行っています。

<育成と選任のプロセス>

指名委員会では、執行側から提示された案や意見を踏まえ、毎年、経営トップの候補者群を選定し、現在と将来の経営環境などを前提とし、業績、実績、評価、専門性・経験(スキル)などをベースに、今後の育成方針、本人に課するアサインメントなどを審議、次年度以降の異なる部門への配置等に反映して、候補者には鍛える場を与え挑戦する機会を提供しています。また、育成状況は継続フォローしています。

このようなサイクルを継続しながら、実際に後任の経営トップを選任する際は、そのサイクルの中で鍛えられた人材等を中心に指名委員会は候補者について業績、実績、評価、専門性・経験(スキル)などを多面的に審議し、最終的に取締役会に答申します。サクセッションプランと育成計画の推進状況は、定期的に取締役会に報告されています。

役員報酬体系

(1)報酬等の内容に係る決定に関する方針等

取締役、執行役および執行役員の報酬などについては、会社業績向上、企業価値拡大に対するインセンティブとして有効に機能することを目指します。

短期的な収益貢献を重視した単年度業績評価に偏ることなく、中長期的な業績貢献も反映した総合的な評価をベースにした処遇とするべく、短期インセンティブと中長期インセンティブのバランスを考慮した報酬体系を構築します。

持株会社として、グループ各社に対する監督機能を十分に発揮するために、役員が経営管理面で果たすべき役割やその成果を的確に把握し、透明性の高い、公正かつ客観的な評価に基づいて、個別の報酬を決定します。

報酬委員会では、各種委員会との連携を深め、よりアカウンタビリティの高い報酬制度・体系を構築し、公平でメリハリが効いた報酬運営を行うことを目指して審議します。

なお、社内委員・社外委員にかかわらず、各委員は、自己の報酬等の額に関する決議には参加しない運営としています。

(2)報酬体系の概要

原則として、月例報酬(固定報酬と個人役割業績報酬で構成)、役員賞与(業績連動賞与)、株式報酬(株式交付信託)の組み合わせで支給を行っています。

(3)業績連動報酬に係る指標(KPI)

役員賞与(業績連動賞与)および株式報酬(株式交付信託)に関しては、下表の各項目を指標(KPI)として設定し報酬額に反映させる仕組みを導入しています。なお、株式報酬については、2022年度よりESG関連の貢献をより反映する評価体系に変更しました。具体的には、「短期業績:中期業績:ESG総合評価=1:1:1」の割合で株式報酬の業績評価に反映させ、ESG総合評価については、マテリアリティを踏まえて「気候変動」「フィデューシャリー・デューティー(FD)・顧客満足度(CS)」「社員エンゲージメント」「DE&I (女性活躍推進等)」「ESG評価機関評価」の5項目を選定し、定量・定性の両面から評価し役員報酬に反映させています。

業績連動指標に係る指標(KPI)

※1①および②は2022年度公表予想に対する2022年度実績。③ないし⑤は中期経営計画に定める2022年度目標に対する2022年度実績。

※2信託制度を利用した株式報酬。上記KPIの達成率に基づき、毎年度ポイントを付与、退任時に株式として交付。マルス(株式交付前の減額・没収)・クローバック(株式交付後の返還)条項あり

※3バーゼルⅢ最終化ベース

※4「ESG評価機関評価」は、MSCI、FTSE、Sustainalyticsの3社

社外取締役会議

当社では、コーポレートガバナンスの実効性をさらに高めるべく、社外取締役のみが参加する社外取締役会議*を定期的に開催しています。

社外取締役会議は、独立・客観的な立場から忌憚のない意見交換や認識共有を通じ、社外取締役間の信頼関係を醸成すると共に、そこで出た意見を必要に応じて執行に還元することで、社外取締役としての役割の発揮に向けて活用することを目的とした会議体です。

2022年度は年間2回開催し、「取締役会のガバナンスの枠組み・運営」、「持株会社と子銀行の役割整理・機能発揮」などのテーマについて議論が行われ、取締役会で今後審議すべきテーマや運営の改善などに繋がっています。

*規程類に基づいて設置されたものではなく、社外取締役による任意の会議体となります

政策保有株式

当グループは、株式の政策保有を重大な経営課題と認識し、財務体力を超えた時価変動リスクをヘッジでマネージしつつ、企業のお客さまの理解を得ながら継続的に削減を進めてまいりました。

当グループは目指す姿の一つとして、「企業価値の向上による果実を家計にもたらす資金・資産・資本の好循環の構築」を掲げました。日本の資本市場の更なる発展のために、資産運用・資産管理サービスを通じた資金・資産・資本の循環や企業のお客さまへのソリューション提供を通じた企業価値向上に貢献することを通じて、好循環の構築を目指してまいります。
その実現に向け、投資家としての立場と企業価値向上のソリューション提供を行う立場の双方に立つ信託銀行グループとしての特性に一段と磨きをかけ、「従来型の安定株主としての政策保有株式」は原則すべて保有しないという方針へ転換するとともに、保有を継続する期間においても、「お客さまとの対話を通じて、持続的な企業価値向上と課題解決に向けたソリューションを提供する役割」の発揮に取り組んでまいります。

  • 政策保有株式の削減目標(2023年5月公表)
    2023~2025年度の3年間で取得原価1,500億円
  • 政策保有株式にかかる議決権行使の考え方
    保有を継続する期間における株式の議決権行使につきましては、三井住友信託銀行において議決権行使基準PDFを策定し、行使結果の開示も実施しております。

政策保有株式残高(国内上場株式の取得原価)

保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式の貸借対照表計上額(三井住友信託銀行保有分)

(単位:億円)

23/3末 22/3末
上場株式 10,715 12,092
非上場株式 779 749
みなし保有株式 3,185 3,176

(※)みなし保有株式は時価

政策保有株式(上位10銘柄)

特定投資株式

23/3末 22/3末
株式数(株) 貸借対照表
計上額(億円)
株式数(株) 貸借対照表
計上額(億円)
1 株式会社オリエンタルランド(※) 11,258,000 509 3,451,600 811
2 ダイキン工業株式会社 2,152,400 509 2,279,000 510
3 日本電産株式会社 7,011,600 479 7,011,600 683
4 東急株式会社 22,395,800 394 22,395,800 356
5 ミネベアミツミ株式会社 15,413,900 387 15,413,900 415
6 アサヒグループホールディングス株式会社 7,126,000 350 7,126,000 317
7 スズキ株式会社 5,500,000 264 5,500,000 231
8 大和ハウス工業株式会社 7,200,000 224 8,000,000 256
9 伊藤忠商事株式会社 4,714,000 202 4,714,000 195
10 三井物産株式会社 4,694,800 193 4,694,800 156

(※)株式数増加は株式分割によるもの

みなし保有株式

23/3末 22/3末
株式数(株) 時価(億円) 株式数(株) 時価(億円)
1 株式会社安川電機 7,439,900 429 7,439,900 358
2 株式会社クボタ 17,872,000 357 17,872,000 411
3 東海旅客鉄道株式会社 2,005,000 316 2,005,000 320
4 株式会社ニトリホールディングス 1,440,000 229 1,440,000 221
5 日本製鉄株式会社 6,438,300 200 6,438,300 139
6 イオン株式会社 6,370,000 163 6,370,000 166
7 豊田通商株式会社 2,128,000 119 2,128,000 107
8 住友金属鉱山株式会社 2,200,000 111 2,500,000 154
9 株式会社商船三井 3,000,000 99 3,000,000 102
10 株式会社村田製作所 1,155,600 92 1,540,800 125

政策保有株式銘柄の詳細については、以下のリストをご参照ください。

政策保有株式銘柄リストExcel

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