老後の住まい

住まいのダウンサイジング

住まいの理想は、住み慣れた環境での生活をなるべく長く継続する「エイジング・イン・プレイス」と言われています。愛着のある住まいで長く暮らすためには、家族構成やライフスタイルに合わせて、住まいそのものをコンパクトにする工夫も必要ではないでしょうか。住友林業ホームテック株式会社の中山貴裕次長に「住まいのダウンサイジング」について解説していただきました。
中山 貴裕氏

住友林業ホームテック株式会社
営業推進部 次長
中山 貴裕氏

“ミスマッチ”になっていませんか?
幼い頃は家の中をにぎやかに走り回っていた子どもたちも、やがて成人し、独立していきます。子ども部屋は空き、広いリビングや大きなダイニングテーブルは不要になり、遊び場としての庭もいらなくなります。住まいは、50年60年と住み続けていくものですが、その間に家族構成やライフスタイルは変わり、体力面の変化もあります。新築当時のままの住まいと現在の暮らしの間の“ミスマッチ”を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、「使っていない部屋がいくつもある」「広いので掃除が大変」「階段の上がり下りが面倒」「段差につまずきそうで怖い」......そんな声を耳にすることが少なくありません。
ラクで安全で、無駄のない暮らしに
「人生100年」といわれる時代です。子どもたちが巣立ってからご夫婦2人、あるいは単身で過ごす期間が30年以上に及ぶことはまれではありません。その長い年月を、住み慣れたわが家で、楽しく安全に暮らしていくためには、住まいの見直しが必要です。もしそこに暮らしとの“ミスマッチ”があれば、家事の負担が必要以上に大きくなったり、広い家の中の温度差が身体に負担を掛けたり、ケガをしたり、さらに冷暖房や照明に無駄なエネルギーを費やすことになるかもしれません。では、どうするか—その見直しのキーワードが“ダウンサイジング”です。リフォームといえば、広くする、増築するという“アップサイジング”が思い浮かぶかもしれません。しかし、ご夫婦2人、あるいはお一人の暮らしに合うように、住まいをコンパクトにすることが暮らしやすさにつながります。大きな戸建てを売却してマンションに住み替えるという方法もあり、これも“ダウンサイジング”のひとつですが、住み慣れた土地を離れ、思い出の残る家を手放すことになります。できればこれまでの住まいをいかせる“ダウンサイジング”をしたいもの。ここで、3つの方法をご紹介します。
ホームタウンサイジング
ラ住み慣れた住まいをダウンサイジングする3つの方法
1.二世帯住宅に改築する
1.二世帯住宅に改築する
1つは二世帯住宅への改築です。1階を親世帯、2階を子世帯の住まいにして、2階部分は一部増築して浴室やキッチンを設けます。増築しますが、親世帯、子世帯それぞれの住まいとして見れば、いずれもコンパクトです。また、二世帯住宅にすれば、将来相続が発生したときに土地の評価額が80%減額される優遇策を受けることができます(細かい条件がありますので必ず専門家にご相談ください)。
敷地の一部を有効活用して賃貸住宅を建てる
敷地の一部を有効活用して賃貸住宅を建てる
2つめの方法は、住まいを小さくして敷地を分割し、ゆとりができた場所に賃貸住宅を設けることです。暮らしやすくなると同時に、毎月の家賃収入が安心につながります。
3.2階を撤去して住みやすい平屋にリフォーム
3.2階を撤去して住みやすい平屋にリフォーム
3つめは、2階建ての住まいの2階部分を撤去して思いきって平屋にすることです。そして、バリアフリー設計とし、寝室の近くにトイレや浴室を設けます。また、寝室とリビングを一体にできるようにゆったりと確保、さらに個室を2カ所以上設け、ご夫婦それぞれのプライバシーが確保できるようにしておきます。こうすれば、それまでの住まいを維持しつつ家事の負担を減らし、安心して暮らせる住まいにすることができます。実際、住友林業ホームテックが担当させていただいたMさまのリフォームは、この平屋への減築を行ったものでした。
[実際に減築リフォームしたMさまのケース]
実際に減築リフォームしたMさまのケース
工事終了後、奥さまからは「部屋数が減り掃除が楽になりました。毎日明るい気持ちで過ごしています」「大好きなクラシックを聴きながら暖かいキッチンで料理するのが楽しい」という声が届きました。ご主人も「庭の菜園の採れたての野菜をキッチンに運び、妻が料理するなど二人の時間を楽しんでいます。どの部屋からも庭が眺められ、四季の変化が感じられるのもうれしいですね」と感想を寄せてくださいました。“ダウンサイジング”リフォームという選択肢も、ぜひ覚えておいていただければと思います。
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