老後の住まい

老後の住まいの選択肢 高齢期の終の棲家の考え方

2015年4月、厳しい介護保険改正が施行されました。既知の通り、高齢者および要介護者の人口は増加し、団塊世代が後期高齢者になる2025年の介護&看護パワーの不足が懸念されています。そんな中で、どのように「終の棲家」を考えればよいでしょうか。
これからの終の棲家の選び方のポイントについて、シニア世代の住まい選びに詳しい山中由美氏に、高齢期の終の棲家の考え方について解説をいただきました。
山中氏は国内外の高齢者施設を約700ヵ所訪問調査し、シニア世代の暮らし・資金計画、介護に関するテキスト発行やセミナーを多数実施されています。
(株式会社Pro・vision所属 1級ファイナンシャル・プランニング技能士、福祉住環境コーディネーター 他)
山中 由美(やまなか ゆみ)氏

山中 由美(やまなか ゆみ)氏

ひとり暮らし高齢者の増加
今から5年後の2020年には、75歳以上の高齢者人口が65〜74歳の前期高齢者人口を上回ります。さらに、ひとり暮らしの高齢者世帯がとても多くなり、2030年には、女性の23.1%、男性の15.4%が独居世帯と推測されています。若い世代とは異なり、高齢期には生活上のさまざまなリスクが考えられ、安心・安全な暮らしの確保には、その対策が欠かせません。長生きの時代、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯の暮らしをどのように支えていくか、喫緊の課題となっていますが、「自分の老後は自分で守る」気持ちで、考えておきたいものです。
高齢者の世帯数推移(単位:万)
高齢者の世帯数推移のグラフ

国立社会保障・人口問題研究所<世帯数推移>

終の棲家を考える4つのポイント
今は元気で活動的でも、心身は誰もが年齢とともに「老化」していきます。「まだまだ大丈夫」と思っていても、いつ何が起こってもおかしくはない高齢期。その時、どこで誰に介護や看護をしてもらうか、元気なうちに"転ばぬ先の杖"として考えておきましょう。次のように4つのポイントを検討してみてください。
(1)介護
グラフにあるように、年齢を重ねるほどに、そして女性のほうが、要介護になる確率は高くなります。2015年4月には介護保険制度が改正されましたが、以前に比べ利用しづらくなりつつある、というのが本音でしょうか。困ったときに頼れる人は誰か、近隣に評判の良い介護サービスがあるかどうか、など確認しておきたいところです。ちなみに、要介護になる原因は、男性が「脳血管疾患(脳梗塞・脳出血など)」女性は「認知症」がトップです。
性・年齢別の要介護認定率(単位:%)
性・年齢別の要介護認定率のグラフ

厚生労働省:H25年「介護給付費実態調査の概況」

(2)医療
介護と並んで切り離せないのが医療です。入院期間の短縮、医療費の特例措置見直しなど、高齢者にとって厳しい改正が相次いでいます。高齢者人口の伸び率とともに今後も医療改正は厳しさが続くと予測されます。何でも相談しやすいホームドクターの確保や、健康維持できるよう生活習慣の見直しを心がけたいものです。
(3)住まい
「終の棲家をどうするか」考える人が多くなりました。内閣府の調査でも、“虚弱化したときに望む住居形態”は、「自宅で留まること」が多数を占めるものの「高齢者住宅や老人ホームへ入居」も増えています。いずれにしても、介護の問題と併せて、安心・安全につながる「終の棲家」の整備は必要不可欠です。
終の棲家をどうしたいですか?(単位:%)
終の棲家をどうしたいかの内訳グラフ

内閣府:H26年高齢社会白書

(4)最期のこと
「終活」という言葉が流行語になりましたが、最期のことを自ら考える人が増えました。国としても在宅の看取りを推し進める中、自ら「どのように最期を迎えたいか」は、家族とともに考えておきたいこと。そのとき「終の棲家」は、自分の希望をかなえられる場所なのかどうか、どのような準備をしておくべきか、この点もチェックポイントです。「終の棲家」の整備は必要不可欠です。
認知症高齢者の概況(2012年)
認知症高齢者の概況の図
終の棲家に関するフローチャート

※ 施設は主な特徴であり、全てがあてはまるわけではありません。

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