第7回 心のふるさと賞

(敬称略)

【選評】栗田 亘

 おじいさんは、おいくつなのでしょう?いえ、トシは関係ありませんね。「天下泰平やなあ…」の一言で、この方が人生の達人ということがわかります。読んでいて、私まで気持ちが大らかになりました。文章も秀逸です。

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大学進学とともに上京、そのまま東京で就職された飯沼様は、仕事が忙しくなるほど望郷の念を強くされていたようです。御祖父様は若い頃単身丸の内のビルにお勤めだったそうで、都会暮らしの孤独も経験されており、飯沼様の疲れた様子にすぐお気づきだったとか。そんな御祖父様が焼いてくれるサザエ。立ち昇る煙。香ばしい香り。懐かしい味。「祖父とともに姉妹で旅行するのが恒例でした」とおっしゃる通り、御祖父様と過ごす時間こそが飯沼様にとってなにより大切なふるさとそのものなのでしょう。

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