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選定委員紹介

栗田 亘 くりた わたる
栗田 亘 くりた わたる
コラムニスト

第六回 「わたし遺産」
募集に寄せて

人間って、やっぱりいいもんだ

「せまい日本 そんなに急いでどこへ行く」という交通標語がありました。
 これまで5年、「わたし遺産」の選考に携わってきて、ボクは、この標語とは逆に「日本は広いなあ」との実感を抱いています。続けて「いろいろな地域があるんだなあ、さまざまな人がいるんだなあ」と感慨が広がります。さらに「みんな、もろもろの体験をしてるんだなあ、楽しんだり、喜んだり、つぶやいたり、考えたり、感じたりして、生きているんだなあ」と発想はどこまでも展開していくのです。
「人間って、やっぱりいいなあ」。そう共感できるような、あなたの身近な体験を、今回もいっぱいお寄せください。現在のみんなに、未来のみんなに、ぜひ伝えたいあれこれを、ぜひ!

人物

朝日新聞社会部記者を経て論説委員となり、2001年3月まで6年近く、朝刊の『天声人語』を執筆。早稲田大学大学院客員教授などを経て現在、日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本ナショナルトラスト理事、『朝日川柳』選者(選者名・西木空人)、『小田原寺子屋スクール』の漢文の先生。数誌にコラム、エッセイを連載中。

著作

「天声人語」
「漢文を学ぶ(一)~(六)」
「書き上手」
「おとなのための漢文51」
「本は、ぼくの先生だった」
「凹んだときに効く漢文」
「リーダーの礼節」
「ポケット川柳」
「樹寄せ72種+3人とのエコトーク」
「明日は、どうしてくるの?」
(講談社・15歳の寺子屋シリーズ)
「2030年の日本へ」(共著) 他

穂村 弘 ほむら ひろし
穂村 弘 ほむら ひろし
歌人

第六回 「わたし遺産」
募集に寄せて

胸の奥

たれもみな初恋のひと秘めている雑踏という森へ入りゆく   大滝 和子
こんな短歌がある。街の中を忙しなく行き交う人々の群れ。誰もが目の前のことで精一杯に見える。けれども、もしも一人一人の胸の奥を覗くことができたら、そこには必ず「初恋のひと」が棲んでいるのだ。改めてそう云われると、不思議な感じがする。賑やかな現実世界の「雑踏」がゆらゆらと揺らいで、深く静かな「森」の景色が見えてくる。同じことが〈わたし遺産〉にも云えると思う。私たち一人一人の心の中には、必ず大切な思い出に纏わる「人・モノ・コト」が秘められているだろう。よかったら、教えてください。あなたの〈わたし遺産〉はなんですか?

人物

1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。研ぎ澄まされた言語感覚で創作・評論ともに活躍。『短歌の友⼈』で第19回伊藤整⽂学賞、『楽しい⼀⽇』で第44回短歌研究賞、『⿃肌が』で 第33回講談社エッセイ賞受賞。最新歌集『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞を受賞。

著作

「あかにんじゃ」
「まばたき」
「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」
「ラインマーカーズ」
「世界音痴」
「現実入門」
「にょっ記」
「絶叫委員会」
「君がいない夜のごはん」
「求愛瞳孔反射」
「蚊がいる」 他

大平 一枝 おおだいら かずえ
大平 一枝 おおだいら かずえ
ライター

第六回 「わたし遺産」
募集に寄せて

最大に期待すること

無人販売、恩送り、母のけんちん汁、あとみよそわか。過去作から、はっと気づかせてもらった遺産、覚えた言葉やならいがたくさんある。古くなくても、形がなくても、珍しくなくても、文章が下手でもいい。とことん自由。
それでもあえて期待するものを記すとすれば、さり気なくて見落としがちなささやかなもの・コトと私は答えたい。読み手の心がほわんと温かくなるような。あるいはくすりと笑ったり、ほろりとしたり、あー、それがあったかと膝を打つような。日常の隙間や、心のはざまや、記憶の隅っこをパトロールしたらきっとなにか見つかるはず。探し始めた瞬間から、目に映る風景が少し変わる。その楽しく不思議な変化こそ、応募者に託す最大の期待である。

人物

編集プロダクションを経て1994年、ライターとして独立。『天然生活』『dancyu』『別冊太陽』『Discover Japan』『暮しの手帖別冊』『クロワッサン』等数多くの媒体にライターとして参加。
連載に朝日新聞デジタル『&w』~東京の台所~(写真・文)、幻冬舎PLUS、北欧、暮らしの道具店など。

著作

「新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく」
「届かなかった手紙」
「あの人の宝物」
「紙さまの話」
「男と女の台所」
「東京の台所」
「昭和ことば辞典」
「もう、ビニール傘は買わない。」
「日曜日のアイデア帖」
「ジャンク・スタイル」 他

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