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2022年8月号

世界経済メールマガジン 2022年8月号

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世界経済メールマガジン2022年8月号をお送りいたします。

FRBが重視する「逆イールド指標」と景気後退

景気後退の先行指標として「イールドカーブ」がよく注目されます。イールドカーブとは横軸に年限、縦軸に利回りをとった曲線で、通常は年限が長い債券になるほど利回りが高くなるので「右上がり」となります。たまに年限が短い債券の利回りほうが高くなることがありますが、これは「逆イールド」と呼ばれ、景気後退の前兆とされています。7月に入り、まさに「逆イールド」が発生しています。
例えば高インフレが発生し中央銀行が金融引き締めに入ると、通常は1〜3年程度にわたって「利上げ」が続きます。それを織り込んで債券市場では2年債などの短中期債の利回りが上がりやすくなります。一方、利上げで将来の景気が減速し、いずれは「利下げ」に転じると投資家は予想するため、10年債など長期債の利回りは上がりにくくなります。このことが、「逆イールド」(例えば2年債利回りが10年債利回りより高い)の発生が「景気後退が起こるサイン」と言われる理由です。

FRBが重視する「短期フォワードスプレッド」とは?

今年4月にも米国の2年債利回りと10年債利回りが逆イールドになりました。その際、FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長は「18カ月後の3カ月短期国債利回り」から「現在の3カ月短期国債利回り」を差し引いた「短期フォワードスプレッド(利回り差)」を重視する姿勢を示しました。この利回り差がマイナスになるということは、しばらく先の金利の方が低くなる=(景気後退などによる)利下げが予想されていることを意味します。景気後退を図るシグナルとして「短期フォワードスプレッド」は、向こう1〜2年程度の金融政策見通しをより正確に反映した指標だと考えられるのです。
【図表1】は1970年代以降の景気後退に対して2年・10年国債スプレッド(利回り差)と短期フォワードスプレッドがそれぞれどの程度先行性を示したのかを表したものです。これはFRBの分析によるものですが、先行指標としては2年・10年スプレッドより短期フォワードスプレッドのほうが優れていると結論付けています。



市場は短期フォワードスプレッドの急低下を織り込み?

では市場は短期フォワードスプレッドがこの先どうなると見込んでいるのでしょうか?そこで【図表2】では1996年以降の2年・10年スプレッドと短期フォワードスプレッド(日次データ)を比較しました。これを見ると、景気後退のサインを出す時期が若干異なるだけで、どちらも過去3回(局面A〜C)において明確な景気後退のサインを示しています。
この2つのスプレッドの動きが異なるのは「利下げ」を織り込む時期が違うためです。利上げの初期においては、短期フォワードスプレッドは将来の「利下げ」を織り込んでいなかったのに対して、2年・10年スプレッドは将来の「利下げ」を織り込む動きとなっていました。そして最近の展開を見てみると、短期フォワードスプレッドは依然プラスではあるものの、足元急低下しています。
ちなみに3カ月短期国債のような短期金利は概ねFF(フェデラル・ファンド)金利と連動しており、先物市場における将来のFF金利予想は、市場が先行きの短期金利の動きをどう見ているかを示しているとも言えます。そこでFF金利先物市場のデータを基に先行きの短期フォワードスプレッドの動きを推計したのがグラフ内右側の点線部分です。これによれば、2022年10月頃にはマイナスになる公算が高そうです。そして景気後退までのタイムラグ平均である3四半期先を見ると、早ければ来年半ば頃には景気後退入りとの可能性が示唆されています。あくまでシミュレーション上の話ですが、気になるところです。もし短期フォワードスプレッドがマイナスにならずに景気後退も避けられたとなれば、FRBの主張は正しかったと言えます。しかし、このままマイナス化して景気後退となった場合には、実は金融政策が典型的な「ビハインド・ザ・カーブ※(後手に回る)」であった可能性を示しています。
いずれにせよ、どちらの道をたどるかは秋以降の米インフレと金融政策の動向がそのカギを握っていると言えそうです。

※FRBがインフレは一時的とみて利上げをせず、インフレが顕在化してから急激なペースで利上げを行った為、
  先行きの利下げが遅れ、結果的に景気後退を招いたとの意味。




<作成:三井住友トラスト・アセットマネジメント>

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