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2023年4月号

世界経済メールマガジン 2023年4月号

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世界経済メールマガジン2023年4月号をお送りいたします。

日銀YCC政策の行方は?豪州と同じ結末か?

日銀の植田新総裁の体制のもと、日銀のイールドカーブ・コントロール政策(YCC:10年国債利回りの釘付け策)の行方に注目が集まっています。歴史的に見ると、米国などで第2次世界大戦時の戦時財政を支えるために導入されたものであることは有名ですが、最近では2020年3月からオーストラリア(以下、豪州)が同じような政策を導入していました。但し、この政策は豪州では2021年11月に撤廃され、その後、豪州中央銀行(以下、RBA)は政策についての総括を行い、素直に「反省」の弁を示しています。もちろん日本と豪州では政策の背景は全く同じというわけではありませんが、刻々と変化する市場環境のもとで「特定の国債利回りをコントロールすることがいかに難しいのか?」は共通して直面した課題であると言えます。

豪州がYCC撤廃に追い込まれた背景は?

豪州ではコロナ禍での緊急対応が求められるなか、政策金利をゼロ近辺に引き下げるとともに「この先数年は政策金利を引き上げません」という約束を補強する目的で、特定の3年国債利回りを政策金利と同様の水準に釘付けするという政策をとりました。
【図表1】にはこの政策のターゲットとなった3年国債利回りと直接中銀が介入しない市場金利の動向(3年物OIS金利)を示しました。この市場金利と国債利回りの乖離が広がっていく過程には、主に3つの段階があると思われます。
一つ目はグローバルな金利環境の変化が乖離が生じるきっかけとなることです。豪州でも導入当初は市場金利もうまくコントロールされていましたが、2021年2〜3月頃になると経済の正常化期待を背景に主要国の長期金利が上昇に転じました。RBAの買い支えで国債利回りについてはなんとか上昇を抑えましたが、市場金利には上昇圧力がかかるようになりました。(【図表1】グラフの(1))
2つ目は政策は変えずに環境変化に対応しようとして、中銀は「唐突な政策変更」に追い込まれることになります。金融緩和を維持したいが、無理な市場金利の抑えこみや先行きの金融政策を縛るような行動は避けたいということから、従来の金融政策に対する姿勢を微妙に変化させたような「弥縫策(びほうさく)」が検討されます。実際にRBAは、2021年7月に誘導対象の債券を残存期間3年未満となった従来の債券から3年満期の債券に切り替えることを見送ったことから、これはYCC終了の前倒し示唆と受け止められ、市場金利には更に上昇圧力がかかるようになりました。(同(2))
3つ目は、自国の物価指標にも明らかな上昇が認められるようになると、政策を継続するインセンティブが薄らいできます。豪州では2021年10月に発表された7〜9月期のコアインフレ率が物価目標の2%を上回り、急速に早期の利上げ観測が強まりました。中銀も物価情勢が大きく変化するなか、政策継続によるデメリット面をより意識せざるを得なくなりました。(同(3))
そしてRBAは2021年11月の会合において、YCCを撤廃するに至ります。但し、この時も市場金利が大幅に上昇することはなく、既に撤廃を十分織り込んでいたと考えられます。



日本も同じ経過をたどるのか?

【図表2】では日本の金利動向について示しました。これを見ると2022年3月には、FRB(米連邦準備理事会)の利上げ観測やインフレ懸念の高まりを受け米長期金利が急上昇し、市場金利(10年スワップ金利)と10年国債利回りの乖離が明確に表れてきました。(【図表2】の(1))
その後、日銀は2022年12月に長期金利の変動幅を従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大することを突然発表しました。日銀は金融緩和策の変更ではなく市場機能の低下に対応したものと説明しましたが、これは今に始まったことではありません。そもそも利回り上昇を容認しない姿勢を続けてきた従来の説明とは明らかに異なる決定を下したわけです。これは豪州の(2)の政策変更に相通じるところがあります。(【図表2】の(2))
そして次の段階においては、日銀として国内物価動向をどう判断するのかが焦点となってきます。日本でも今春闘で「2%の物価目標と整合的な賃上げ」が見込める状況になれば、意外と早い時期にYCCの撤廃が視野に入ってくるのかもしれません。



<作成:三井住友トラスト・アセットマネジメント>

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