三井住友信託銀行では2012年より、SDGs教育メディア「SDGs.TV」を運営する株式会社TREEと協働し、次世代を担う子供たちに向けたESD(持続可能な開発のための教育)プロジェクトに取組んでいます。

ジェンダー平等とキャリア教育

第21回目となるESDプロジェクトは、広島県福山市にある福山市立松永中学校の3年生に向けて、特別授業「女性能楽師 大島衣恵さんの生き方から職業選択とジェンダー平等について考えよう」を実施しました。

これは、Z世代を中心に注目度が高く、松永中学校の生徒の関心も高いSDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に着目して、社会・学校におけるジェンダー平等の視点から見た課題および進路選択について考える機会の提供および同校の各教科・総合的な学習の時間で実施中のキャリア教育を支援する試みです。授業では、地元・福山市を拠点に活動をされている喜多流初の女性シテ方(歌舞的な演技技法を専門とする能役者)である大島さんへ行ったインタビューを、オリジナルの映像教材として使用しました。

誰もが輝く社会の実現に向けて

2023年9月22日(金)、福山市立松永中学校3年1組32名を対象に「職業選択とジェンダー平等」をテーマにした特別授業が実施されました※。授業は、担当の池原正敏教諭が映像教材2点を使用しながら、日本の現状と無意識に起こる先入観や偏見について問題提起しました。ジェンダー平等とは、性別の違いに関わらず多様な性のあり方を受け入れて、誰もが平等に能力を発揮できるようにすることです。

他の3年生2クラス約70名には別時間に授業を実施

映像教材の中で大島さんは、「舞台人となるのは男性」という伝統・通念が色濃い能楽の世界においてジェンダーの壁をどのように乗り越えてきたかのエピソードや、性別・年齢・生身の人間を超えていく「能」という職業を選んだ思いについて語り、「全ての人が最大限に能力を発揮するために大切なことは何だと思いますか?」という問いで締めくくられていました。

映像視聴後、生徒たちは数人ずつの班に分かれて大島さんの問いかけについてディスカッションしました。「政治・職業・家庭、私たちを取り巻くあらゆる場面で固定観念が存在する」、「それを伝統や常識と捉えてしまい疑問を抱く機会が少ない」、「ジェンダー問題は女性に注目が集まりがちだが、それは違うと思う」、「性別や年齢で一括りにせず、個人の持つ能力を見ることが偏見をなくすことにつながる」など、活発な意見交換が行われました。同年代であっても多様な考え方や意見の違いがあることにも気づけたディスカッションになったのではないかと思います。

松永中学校では今後、この授業を含めたキャリア教育を通じて、将来の生き方・職業選択について学びを深めます。

このESDプロジェクトが、生徒の皆さんが福山の未来の担い手として成⾧される一助となれば幸いです。

三井住友信託銀行では今後も、未来を担う世代への教育機会の提供に努めてまいります。

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