循環型社会の実現のためには、さまざまなものを循環型に変えることが必要です。私たちの生活と最も関わりの深い「食」について当社のサステナビリティ推進部メンバーがQ&A方式で解説します。

テクノロジー・ベースド・ファイナンスチーム 荻原大輔

世界では、廃棄物が出ることを前提とした「リニア型」から廃棄物が出ないように資源を循環させる「サーキュラー(循環)型」の社会への移行(図1)を進めています。「食」に関しても、図2の矢印A~D(生産・加工・流通・消費)のサイクルにおいて、極力廃棄物が出ないことを目指す必要があります。

廃棄物を出さないために私たちには何ができるでしょうか。Q&Aで掘り下げて考えてみましょう。

図1 循環型社会への変遷イメージ
図2 食べ物に関する循環イメージ
サステナビリティ推進チーム 石坂 彩
  • Q

    食品に関わる社会問題にはどんなものがあるのですか?

テクノロジー・ベースド・ファイナンスチーム 後藤明生
  • A

    まだ食べられるのに廃棄されてしまう「食品ロス」が代表的です。

食品ロスには、大きく分けて「事業系食品ロス」と「家庭系食品ロス」の2つがあります(図3)。

日本では、本来食べられるのに捨てられる食品の量は年間523万t、日本人1人当たりの食品ロスは1年で約42kg、日本人1人当たりが毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てている計算になります。

図3 食品ロスの内訳(発生源別)
  • Q

    食品ロスの問題を放置するとどうなってしまうのですか?

  • A

    持続可能な食料システムが保てない状況になる可能性があります。

図4のように環境と経済に大きな影響を及ぼすことになり、食料システムの維持が難しくなっていきます。

図4 食品ロスが引き起こす問題
  • Q

    「事業系食品ロス」の解決に向けて何ができるのでしょうか?

  • A

    企業の取り組みとして、外食産業では食品廃棄物を集めて堆肥化したり、ガスに変えてリサイクルしたしています。

これは図2の矢印Dにおける取り組みのことです。また、食品業界に対し、食品廃棄物等の発生を減らすため、平成24年4月に食品リサイクル法にもとづく「発生抑制の目標値」が設定されました。

三井住友信託銀行の取り組み

食品加工の過程で発生する廃棄物を資源として活用し、農産物の生産性を向上させる資材の開発を他企業とともに行っています。(図2の矢印Aに関わる取り組み)

食品加工プロセスで生じる廃棄物を循環させる取り組み
  • Q

    「家庭系食品ロス」の解決に向けては何ができるのでしょうか?

  • A

    コンポストの活用のほか、無駄に買わない・食べ残しをなくす・廃棄を少なくするなど 私たち消費者の考え方・購買の仕方を変える「行動変容」も大切です。

家庭から出る生ゴミからたい肥を作る装置。ごみの減量化・再資源化ができる。

図5 消費者の行動変容の例

「食品ロス削減推進法」に基づき、10月は「食品ロス削減月間」、10月30日は「食品ロス削減の日」です。

皆さまもできることから「食」をとりまく社会問題の解決に取り組んでみませんか?

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