スチュワードシップ活動

三井住友信託銀行(以下、当社)は、「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫(以下、本コード)の趣旨に賛同し、これを受け入れることを表明しています。当社は、2018年10月1日、資産運用機能を分割し、グループ関係会社である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社に統合しました。当社は、今後も受託者としてスチュワードシップ責任を果たすため「スチュワードシップ責任に関する対応方針」および「日本版スチュワードシップ・コードの原則への対応方針」を更新しました。当社は、日本有数の機関投資家グループの一員として、スチュワードシップ責任を適切に果たしてまいります。

当グループは2016年9月に「三井住友トラスト・グループのフィデューシャリー・デューティーに関する取組方針」を制定・公表しました(2017年6月、2018年6月に改定を実施)。当社では、スチュワードシップ活動の推進とともに、当該活動に関する利益相反の適切な管理と高度化を進めることがフィデューシャリー・デューティーの実践・徹底につながると考えており、こうした取り組みの強化により、顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの最大化を図ってまいります。

「スチュワードシップ責任に関する対応方針」

機関投資家は、建設的な「目的を持った対話」(以下、エンゲージメント)等を通じて、投資先企業の企業価値向上や持続的な成長を促すことにより、顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任(スチュワードシップ責任)を負っています。当社は、本コードの趣旨を踏まえ、運用を委託する運用機関(以下、運用機関)に対し、企業の状況の把握、エンゲージメント、受託資産に関する議決権行使(以下、議決権行使)などのスチュワードシップ活動を通じて、投資先企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことを求めると同時に、運用機関に対するモニタリングや議論を通じ、顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの最大化を図ってまいります。同時に、スチュワードシップ責任を果たすため、適切に利益相反管理を行ってまいります。

「日本版スチュワードシップ・コードの原則への対応方針」

原則1: 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、「スチュワードシップ責任に関する対応方針」に基づき、スチュワードシップ責任を果たしてまいります。また運用機関に対してもスチュワードシップ責任を果たすための明確な方針の策定、および公表を求めます。

  • 当社は、受託資産の運用に際して、スチュワードシップ責任を負っています。当社は、このスチュワードシップ責任を全うするために、運用機関に対し、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づくエンゲージメントや議決権行使を通じて、当該企業の企業価値向上やその持続的成長を促すことを求めることにより、顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの最大化を目指します。
  • 当社は、運用機関に対して、スチュワードシップ活動を実施するに当って十分な態勢整備を求めると同時に、財務情報に加え、社会・環境問題、コーポレートガバナンスなどのESG要素を含む非財務情報の分析を行い、受託資産の運用に際して質の高いエンゲージメントや議決権行使を行うことを求めます。
  • 当社は、日本有数の機関投資家グループの一員として、スチュワードシップ責任を社会的責任と考え、スチュワードシップ責任を適切に果たすことを通じて、日本経済全体の成長につながる役割を果たしてまいります。
原則2: 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、スチュワードシップ責任を果たす上で「利益相反管理方針」「運用業務に関する利益相反管理態勢の高度化方針」に基づいて適切に利益相反管理をしていきます。運用機関に対しても、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定、および公表を求めます。

  • 当社は、「信託の受託者精神に立脚した高い自己規律に基づく健全な経営を実践し、社会からゆるぎない信頼を確立」するという経営理念(ミッション)のもと、グループ全体の利益相反管理態勢の高度化を進めるともに、業務全般にわたりフィデューシャリー・デューティーを徹底して実践しています。
  • スチュワードシップ活動に関して生じ得る利益相反については、顧客(受益者)の利益を第一とする観点から、社内規程である利益相反管理規程、受託事業における運用業務の利益相反管理規程、運用業務規則およびその他等関連規程類に沿って、厳格な管理を行っています。また、これら利益相反管理規程に定める方針の概要等について公表しております。また、運用機関に対しても、スチュワードシップ活動に関して生じうる利益相反の管理のための措置についての公表を求めます。
  • 当社では、受託事業統括役員が、他の事業の執行権限から独立して、議決権行使に関する全ての権限を専属的に有しており、議決権行使に関して生じ得る利益相反についての具体的事例としての、取引先の重要性、取引の広範性等に起因する他の事業からの受託事業における運用業務側への影響力行使を排除しています。

原則3: 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

当社は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、運用機関に対して投資先企業の状況を的確に把握することを求めます。

  • 当社では、投資先企業を評価する際に中長期的な視点が重要と考えています。このため、運用機関に対し、業績等の財務情報に加えて、ESG関連情報や、投資先企業個々の経営力、事業基盤、対象市場動向、事業戦略と実行力・改革力など、持続的成長に関連が深い非財務情報の的確な把握を求めます。こうした調査や評価の活動を継続的にモニタリングすることにより、投資先企業の状況の実効的な把握に努めます。
  • また、運用機関に対し、投資先企業の企業価値を毀損する可能性のある環境変化、法制面の変更のほか、不祥事、不正会計、事故などによる信用リスクの悪化についても、早期の把握に努め、受託資産の毀損を可能な限り回避するよう努めることを求めます。
原則4: 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

当社は、運用機関に対し、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めることを求めます。

  • 当社は、運用機関に対し、投資先企業の経営陣や経営企画、財務担当者らと継続的に接触を行い、当該企業の個別の実情を勘案しつつ投資先企業の持続的成長の観点からエンゲージメントを行い、当該企業の価値増大に向けて、当該企業との認識の共有に努めることを求めます。
  • 当社は、投資先企業またはその経営者等による、株主利益を軽視する事態、不祥事、反社会的行為、または中長期的な業績不振等の企業価値の毀損が発生した場合には、コーポレートガバナンス上で重要な問題が発生しているとみなします。こうした企業に対し、運用機関が再発防止策や改善策の実施状況、コーポレートガバナンス向上に向けた取り組みについて十分な説明を求め、コーポレートガバナンスの改善に資する内容でエンゲージメント、議決権行使を行うことを求めます。
  • 有効なエンゲージメントを行うためにはしっかりとした非財務情報の分析が必要です。非財務情報の分析力の強化は、エンゲージメントの質の向上につながります。当社は、運用機関が中長期的視点に立った対話を通じた問題解決の取り組みの高度化、議決権の適切な行使などの手段によって、スチュワードシップ責任を果たすことを求めます。
  • 有効なエンゲージメントを行うためには、他の機関投資家と協働して行うことが有益な場合もあり得ると考えます。
  • また、当社では、運用機関が企業との対話において未公表の重要事実の受領を回避することを求めます。
原則5: 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

当社は、運用機関に対し、投資先企業の持続的成長に資することを目的として、「三井住友信託銀行の議決権行使の考え方」(以下、議決権行使の考え方)に基づき議決権の行使を行うとともに、議決権の行使結果については、四半期毎に、全投資先企業を対象に、個別の投資先企業、個別の議案につき公表することを求めます。

  • 当社は「責任ある機関投資家」として、議決権行使を重要なスチュワードシップ活動の一つと位置付けています。議決権行使は、投資先企業の持続的成長に資するものであり、ひいては顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの最大化を図ることを目的とするものでなければなりません。当社は、運用機関に対し、当社の議決権行使の考え方に沿った行使判断を求めることを原則としますが、投資先企業の状況や運用機関と当該企業とのエンゲージメントの内容等を踏まえた上で、単に形式的な判断基準に基づく議決権行使を行うことにとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長(ひいては顧客(受益者)の中長期的な投資リターンの最大化)に資するかどうかを総合的に判断することを求めます。また、複数の変更項目が含まれた議案等においては、持続的成長に資する項目を優先した行使判断を行うことを求めます。
  • 議決権の行使結果については、運用機関に対し、四半期毎に、全投資先企業を対象に個別の投資先企業、個別の議案につき公表することを求めます。

原則6:機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

当社は、議決権の行使結果も含め、スチュワードシップ責任を果たすための行動について、顧客・受益者に定期的に報告を行います。

  • 当社は、運用機関に対し、議決権の行使状況や企業との対話、諮問委員会の議事概要など、スチュワードシップ責任を果たすための活動状況について、当社ホームページなどを通じ、定期的に公表することを求めます。
  • 顧客(受益者)への報告内容や形式については、そのニーズを反映し、適宜改善を図ります。
原則7: 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、投資先企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための能力向上・態勢の改善を図ってまいります。

  • 当社は、運用機関に対し、投資先企業との対話を建設的なものとし、投資先企業の持続的成長に資する有益なものとしていくことにより、スチュワードシップ責任を果たすことを求めます。そのためには、スチュワードシップ活動を適切に行うための実力を備えていることが重要と考えます。
  • 当社では、スチュワードシップ責任を実効的に果たすため、経営陣が適切な能力・経験を備えているべきと考えており、その高度化に向けた取組みを継続してまいります。運用機関に対しても、スチュワードシップ活動を適切に行うための態勢整備を求めます。
  • 当社では、このようなスチュワードシップ活動等の改善や、コーポレートガバナンスの体制、および利益相反管理の高度化において不断の努力を行うことが、受託者としてスチュワードシップ責任を全うするために重要だと考えます。

ページトップへ戻る