2021年9月

ポジティブ・インパクト評価(要約)

明電舎は、電力インフラ、社会システム、産業電子モビリティ、フィールドエンジニアリング等の事業を展開する重電機器メーカーである。同社は、2021年5月に策定した「中期経営計画2024」の中で、「ESG経営の推進」(図表①)を基本方針の1つに定めると共に、2030年の「目指したい社会の姿」を描き、それを踏まえた「ありたい姿・ビジョン」として「地球・社会・人に対する誠実さと共創力で、新しい社会づくりに挑む」を掲げている(図表②)。そして、「目指す社会に向けて注力する領域」として「リニューアブルエナジー」、「サステナブルインフラ」、「グリーンモビリティ」、「スマートインダストリー」の4領域を定義し、ESG指標として「2030年度温室効果ガス排出削減目標(第二次明電環境ビジョン)」を設定している。加えて、ESG推進による経営基盤強化の観点から、女性社員の活躍推進に係る目標を打ち出している。明電舎は、以前より環境マネジメント推進体制を構築しており、「環境基本理念」の下で中長期的な取り組みの方向性として「環境ビジョン」を定め、その実現に向けて行動計画に展開のうえ年度毎に環境目標を設定する事で、事業戦略と環境活動を統合した環境経営を推進してきた。2021年度からは、ESG経営として各種取り組みをさらに推進するため、ESG推進委員会及びESG推進室を新設し、課題の抽出・分析や具体的な活動計画・指標等の検討を進めている(図表③)。

本ファイナンスでは、明電舎の事業活動全体に対する包括的分析が行われた。上記のサステナビリティ活動も踏まえ、インパクト特定のうえ「気候変動対策(事業活動を通じた環境負荷低減)」、「気候変動対策(製品を通じた環境負荷低減)」、「社会的課題の解決への貢献(社会への貢献)」、「循環型社会の形成」、「サプライチェーン・マネジメント」、「ダイバーシティ」の6項目のインパクトが選定された(図表④)。そして、各インパクトに対してインパクト指標(KPI)が設定された。

図表①:明電グループのESG経営の全体図

図表②:明電グループのESG経営

図表③:ESG経営推進体制

図表④:ポジティブ・インパクト・ファインスで設定した目標と指標(KPI)

テーマ 内容 目標と指標(KPI) SDGs
気候変動対策(事業活動を通じた環境負荷低減) 気候変動対策を通じ、温室効果ガスを削減する

目標
2030年度までに事業活動に伴う排出(Scope1+2)30%削減(2019年度対比)

指標(KPI)
温室効果ガス排出量(Scope1+2)(kt-CO2

13 気候変動に具体的な対策を
気候変動対策(製品を通じた環境負荷低減) 製品の提供を通じた環境負荷低減
  • (a)
    製品使用段階の温室効果ガス排出量削減
    目標
    2030年までに製品使用段階の排出(Scope3 カテゴリ11)15%削減(2019年度対比)
    指標(KPI)
    製品による温室効果ガス排出削減量(kt-CO2
  • (b)
    EV製品の提供を通じた温室効果ガス排出量削減(Scope3 カテゴリ11)
    目標
    EV車と同等グレードのガソリン車をEV車に代替した場合の温室効果ガス排出量を、2024年度170万トン-CO2削減、2030年度870万トン-CO2削減
    指標(KPI)
    温室効果ガス排出削減量(万トン-CO2
  • (c)
    SF6レス製品の提供を通じたSF6使用量削減
    目標
    SF6レス製品の拡大による世の中のSF6使用量を削減
    指標(KPI)
    SF6使用量の削減量(kg)
13 気候変動に具体的な対策を
社会的課題の解決への貢献
  • (a)
    製品の提供を通じたインフラへの貢献
  • (b)
    電力会社への製品供給を通じた有事電力供給貢献
  • (a)-1
    シンガポールの電力網構築への貢献
    目標
    シンガポール新設変電所向け変圧器納入を通じて、2021~2024年度(4年間)で一定量の電力供給に貢献する
    指標(KPI)
    シンガポール新設変電所向け電力設備供給量(kVA)
  • (a)-2
    電力設備納入を通じた交通インフラへの貢献
    目標
    変電機器等の納入を通じ、2021~2024年度(4年間)の累計鉄道距離を、2016~2020年度(5年間)の1.3倍に伸長する
    指標(KPI)
    鉄道の新設・延伸による累計鉄道距離の伸長率(倍)
  • (b)
    電力会社への製品供給を通じた有事電力供給
    目標
    国内電力会社への移動電源車の納入を通じ、有事の電力供給に貢献する
    指標(KPI)
    移動電源車の総容量(kVA)
9 産業と技術革新の基盤を作ろう
11 住み続けられるまちづくりを
循環型社会の形成
  • (a)
    廃棄物総量の削減
  • (b)
    ゼロエミッションの推進
  • (c)
    化学物質の適正管理
  • (a)
    廃棄物総量の削減
    目標
    2021年度までに主要4事業所における廃棄物総量4%削減(2017年度対比)
    指標(KPI)
    廃棄物発生量(国内)(kt)
  • (b)
    ゼロエミッションの推進
    目標
    ゼロエミッションの拠点数及び体制維持
    指標(KPI)
    ゼロエミッションの拠点数と活動実績
  • (c)
    化学物質の適正管理
    目標
    2021年度までにVOC排出量を80t以下に抑制
    指標(KPI)
    VOC排出量(t)
12 つくる責任 つかう責任
サプライチェーン・マネジメント グリーン調達率(同社グループ基準)の向上

目標
2021年度におけるグリーン調達率90%以上

指標(KPI)
グリーン調達率(%)

12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
ダイバーシティ 女性役員クラス(プロパー)の登用

目標
女性役員クラス(プロパー)を1名以上とする(2024年度)

指標(KPI)
女性役員クラス(プロパー)の人数(人)

5 ジェンダー平等を実現しよう
8 働きがいも 経済成長も

上記KPIのモニタリング状況

開示資料

インパクト項目 目標と指標(KPI) 2021年度実績 2022年度実績 2023年度実績
1 気候変動対策(事業活動を通じた環境負荷低減)

目標
2030年度までに事業活動に伴う排出(Scope1+2)30%削減(2019年度対比)

KPI
温室効果ガス排出量(Scope1+2)(kt-CO2

48.986kt-CO2(8.3%削減(2019年度比))

50,089kt-CO2(6.3%削減(2019年度比))

47,519kt-CO2(11.1%削減(2019年度比))

2 気候変動対策(製品を通じた環境負荷低減)
  • (a)

    製品使用段階の温室効果ガス排出量削減

目標

2030年までに製品使用段階の排出(Scope3 カテゴリ11)15%削減(2019年度対比)

  • 7.0%削減(2019年度対比)
  • 製品による温室効果ガス排出削減量:447,427t-CO2
  • 9.8%削減(2019年度対比)
  • 製品による温室効果ガス排出削減量:624,292t-CO2
  • 7.5%削減(2019年度対比)
  • 製品による温室効果ガス排出削減量:478,307t-CO2
指標(KPI)

製品による温室効果ガス排出削減量(kt-CO2

  • (b)

    EV製品の提供を通じた温室効果ガス排出量削減(Scope3 カテゴリ11)

目標

EV車と同等グレードのガソリン車をEV車に代替した場合の温室効果ガス排出量を、2024年度170万トン-CO2削減、2030年度870万トン-CO2削減

65.6万t-CO2

111.4万t-CO2

141.0万t-CO2

指標(KPI)

温室効果ガス排出削減量(万トン-CO2

  • (c)

    SF6レス製品の提供を通じたSF6使用量削減

目標

SF6レス製品の拡大による世の中のSF6使用量を削減

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

指標(KPI)

SF6使用量の削減量(kg)

3 社会的課題の解決への貢献
  • (a)-1

    シンガポールの電力網構築への貢献

目標

シンガポール新設変電所向け変圧器納入を通じて、2021~2024年度(4年間)で一定量の電力供給に貢献する

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

指標(KPI)

シンガポール新設変電所向け電力設備供給量(kVA)

  • (a)-2

    電力設備納入を通じた交通インフラへの貢献

目標

変電機器等の納入を通じ、2021~2024年度(4年間)の累計鉄道距離を、2016~2020年度(5年間)の1.3倍に伸長する

1.1倍

1.1倍

1.3倍

指標(KPI)

鉄道の新設・延伸による累計鉄道距離の伸長率(倍)

  • (b)

    電力会社への製品供給を通じた有事電力供給

目標

国内電力会社への移動電源車の納入を通じ、有事の電力供給に貢献する

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

三井住友信託銀行にて実績を確認しておりますが、明電舎の事業戦略上の理由から、非開示とさせて頂きます。

指標(KPI)

移動電源車の総容量(kVA)

4 循環型社会の形成
  • (a)

    廃棄物総量の削減

目標

2024年度に国内全拠点(工事部門を除く)廃棄物総量1%削減(前年度対比)

2022年度のモニタリングにて、「2021年度までに主要4事業所における廃棄物総量4%削減(2017年度対比)」から「2023年度に国内全拠点(工場部門を除く)廃棄物総量6%削減(2017年度対比)」に見直しております。

2023年度のモニタリングにて、「2023年度に国内全拠点(工場部門を除く)廃棄物総量6%削減(2017年度対比)」から上記内容に見直しております。

  • 廃棄物発生量(国内):12.8kt
  • 主要4事業所における廃棄物発生量:4,281.5t(10.3%削減(2017年度比))
  • 廃棄物発生量(国内):4.8kt
  • 廃棄物発生量(国内):5.7kt
指標(KPI)

廃棄物発生量(国内)(kt)

  • (b)

    ゼロエミッションの推進

目標

ゼロエミッションの拠点数及び体制維持

  • ゼロエミッション拠点数:9拠点
  • 活動実績:廃棄物等のリサイクル推進により再資源化率94.7%、減量化率4.0%、最終処分率1.2%
  • ゼロエミッション拠点数:10拠点
  • 活動実績:廃棄物等のリサイクル推進により再資源化率92.7%、減量化率5.6%、最終処分率1.7%
  • ゼロエミッション拠点数:10拠点
  • 活動実績:廃棄物等のリサイクル推進により再資源化率91.5%、最終処分率1.9%
指標(KPI)

ゼロエミッションの拠点数と活動実績

  • (c)

    化学物質の適正管理

目標

2024年度はVOC排出量を70t以下に抑制

2022年度のモニタリングにて、「2021年度までにVOC排出量を80t以下に抑制」から「2023年度はVOC排出量を75t以下に抑制」に見直しております。

2023年度のモニタリングにて、「2023年度はVOC排出量を75t以下に抑制」から上記内容に見直しております。

71.9t

68.0t

66.0t

指標(KPI)

VOC排出量(t)

5 サプライチェーン・マネジメント

目標
2021年度におけるグリーン調達率90%以上

KPI
グリーン調達率(%)

89%

91%

91%

6 ダイバーシティ

目標
女性役員クラス(プロパー)を1名以上とする(2024年度)
女性役員クラス(プロパー)を3名以上とする(2030年度。うち執行役員1名以上)

2023年度のモニタリングにて、「女性役員クラス(プロパー)を3名以上(2030年度。うち執行役員1名以上)とする」を追加しております。

KPI
女性役員クラス(プロパー)の人数(人)

0名

0名

1名

プレスリリース

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