ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(株式会社エフピコ)
2021年12月
ポジティブ・インパクト評価(要約)
エフピコは、スーパーマーケット、食料品店等で使用される簡易食品容器の専業メーカーである。同社グループは、食品容器を通じて豊かな社会を創造する企業グループを目指し、日本全国に広がる生産・物流・リサイクルに関するグループネットワークを活用することで、『もっとも高品質で環境に配慮した製品を』『どこよりも競争力のある価格で』『必要なときに確実にお届けする』という基本3本柱を追及している。エフピコグループは、循環型事業におけるステークホルダーとの関わりにおいて、新しい価値と持続可能な発展を創造していくことを目指しており、重要なサステナビリティ課題として、2021年度に10個のグループの重要課題を特定している(図表①)。それぞれの重要課題については、主な取り組み内容を定め活動を推進しており、環境面を中心に目標・KPIを設定し、重要課題の達成に取り組んでいる。エフピコでは環境面は環境対策室※1、社会面は総務人事本部及び法務コンプライアンス統括室が中心となり、サステナビリティに対する活動を推進している。重要課題はステークホルダーの関心・意見及びマネジメントの認識をふまえ、適宜更新していく方針である。本ファイナンスでは、エフピコの事業活動全体に対する包括的分析が行われた。同社のサステナビリティ活動も踏まえ、インパクト領域につき特定のうえ「エフピコ方式リサイクル」でのプラスチックごみ流出の防止及び最終処分率低減への貢献」、「エコ製品販売によるCO2排出量削減への貢献」、「障がいのある人材の活躍推進」の3項目のインパクトが選定された。そして、各インパクトに対してKPIを設定された(図表②)。
※12022年7月1日より「サステナビリティ推進室」へ名称変更。
図表①:マテリアリティ
<マテリアリティ(2021年12月PIF取組時点)>

<マテリアリティ(2022年10月時点)>(2022年に見直しを実施)

図表②:ポジティブ・インパクト・ファインスで設定した目標と指標(KPI)
テーマ | 内容 | 目標と指標(KPI) | SDGs |
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「エフピコ方式リサイクル」でのプラスチックごみ流出の防止及び最終処分率低減への貢献 | 食品トレーやPETボトルをリサイクルし再び食品トレーにすることで、原材料となる「地球資源(石油資源)」の節約に貢献する。また、使用済み食品容器の回収及びリサイクルによって、プラスチックごみ流出防止や最終処分比率改善にも貢献する。 |
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エコ製品販売によるCO2排出量削減への貢献 | 使用済み食品容器を回収し、エコ製品としてリサイクルすることで、ライフサイクルにおけるCO2排出量削減に貢献する。 |
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障がいのある人材の活躍推進 | 自社での雇用・取引先企業への雇用サポートにより、障がい者雇用を創出する。 |
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上記KPIのモニタリング状況
目標と指標(KPI) | 2021年度実績 | 2022年度実績 | 2023年度実績 | ||
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1 | 「エフピコ方式リサイクル」でのプラスチックごみ流出の防止及び最終処分率低減への貢献 |
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2 | エコ製品販売によるCO2排出量削減への貢献 |
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約17万(t-CO2) |
約17万(t-CO2) |
約20.2万(t-CO2) |
3 | 障がいのある人材の活躍推進 |
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障がい者雇用のノウハウを他社に提供する活動を継続。 2022年3月時点で、障がい者雇用数:365名、障がい者雇用率:12.6%。 2022年3月時点での、取引先の障がい者雇用サポート事業所数は50事業所、雇用者数は751名。 |
障がい者雇用のノウハウを他社に提供する活動を継続。 2023年3月時点で、障がい者雇用数:365名、障がい者雇用率:12.5%。 2023年3月時点での、取引先の障がい者雇用サポート事業所数は52事業所、雇用者数は760名。 |
障がい者雇用のノウハウを他社に提供する活動を継続。 2024年3月時点で、障がい者雇用数:393名、障がい者雇用率12.6%。 2024年3月時点での、取引先の障がい者雇用サポート事業所数は53事業所、雇用者数は760名。 |