ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(株式会社ロッテ)
2022年12月
ポジティブ・インパクト評価(要約)
ロッテはチョコレートやアイスクリーム、キシリトールガム等を中心とした日本を代表する製菓メーカーである。創業以来一貫して、「ユーザーオリエンテッド(お客様第一)」「オリジナリティ(独創性)」「クオリティ(最上の品質)」という3つの価値「LOTTE VALUE」をすべての企業活動の基本としている(図表①)。こうした企業理念の実践を通じて企業価値の向上を目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献するために「サステナビリティ方針」のもと、サステナビリティ活動を推進している。
2018年3月にサステナビリティに関するマテリアリティを特定し、2019年度には、PDCAサイクルを適切に回し、マネジメントしていくことが重要であると考え、各マテリアリティに対し2023年度及び2028年度をターゲットとするESG中期目標を設定している(図表②)。
ロッテではサステナビリティ方針の実現に向け、ESG推進部の担当執行役員を責任者、同部サステナビリティ推進課を事務局とするサステナビリティ推進体制を構築している(図表③)。ESG中期目標の進捗やサステナビリティに関する重要事項については年1回以上、それ以外の項目については都度担当役員より経営会議及び取締役会に報告し、サステナビリティ推進課は、サステナビリティに関する方針及び戦略の策定やESG中期目標の進捗管理等、関連部署と連携して取り組みを推進している。
本PI評価では、ロッテの事業活動全体に対する包括的分析が行われた。ロッテのサステナビリティ活動も踏まえ、インパクト領域につき特定のうえ、①品質向上による安全・安心の提供、②食を通じた新しい健康価値の提供、③環境負荷の低減、④環境・人権に配慮した調達の推進、⑤ダイバーシティ&インクルージョンの推進の5項目のインパクトが選定された。そして、各インパクトに対してKPIが設定された(図表④)。
図表①:ロッテグループ理念体系

図表②:マテリアリティとESG中期目標

図表③:サステナビリティ推進体制

図表④:ポジティブ・インパクト・ファイナンスで設定した目標と指標(KPI)
テーマ | 内容 | 目標と指標(KPI) | SDGs |
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品質向上による安全・安心の提供 | サプライチェーン全体で品質の向上に取り組み、安全・安心の製品をお届けする。 |
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食を通じた新しい健康価値の創出 | 食を通じた新しい健康価値を提供し、社会課題の解決に貢献する。 |
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環境負荷の低減 | 持続可能な地球環境の実現に貢献する。 |
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環境・人権に配慮した調達の推進 | サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進する。 |
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ダイバーシティインクルージョンの推進 | 多様な従業員一人ひとりが持てる力を存分に発揮し、心身ともに健康でいきいきと活躍できる環境を提供する。 |
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上記KPIのモニタリング状況
テーマ | 目標と指標(KPI) | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | 2025年度実績 | ||
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1 | 品質向上による安全・安心の提供 | 新品質保証システムの構築により、安全・安心の提供 | |||||
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LOTTE ADVANCEについて国内外のグループ共通基準が完成。 |
LOTTE ADVANCEについて開発・生産拠点への運用開始。 |
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2 | 食を通じた新しい健康価値の創出 |
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22% |
21% |
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25% |
25% |
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3 | 環境負荷の低減 |
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▲18% |
▲22% |
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96.0% |
94.5% |
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4 | 環境・人権に配慮した調達の推進 |
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26% |
44% |
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65%(国内) |
89%(国内) |
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95% |
95% |
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5 | ダイバーシティインクルージョンの推進 |
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7.4% |
7.5% |
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1,923時間 |
1.930時間 |
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