ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(イオン株式会社)
2023年9月
ポジティブ・インパクト評価(要約)
イオンは総合スーパー、スーパーマーケット、ドラッグストアといった小売事業を中心とし、総合金融事業、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業等の9セグメントより構成され、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」との企業理念のもと、「すべてはお客さまのために」との視点より、市場や顧客の変化を見据え、長期的な視点で持続可能な成長と地域社会に貢献するグループを目指し、企業価値向上に取り組んでいる。
イオンでは、2011年3月に策定(2018年9月改訂)した「イオン サステナビリティ基本方針」(図表①)に基づき、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に取り組んでいる。サステナビリティに関する業務は、各推進責任部署・責任者からの報告を受けて環境・社会貢献部が取り纏めている。環境・社会貢献部は進捗・達成状況等を毎年把握・管理し、「グループ環境・社会責任者会議」を通じて活動のフォローアップを実施している。また、重要度に応じて「イオン・マネジメントコミッティ」及び取締役会に報告し、重点課題に関連する取り組みは毎年度発行するイオンレポートで開示し、グループ全体でのサステナビリティに関する堅固なガバナンス体制が構築され、取締役会の監督のもと適切に執行されている。(図表②)
2011年「イオン サステナビリティ基本方針」の策定にあわせ、取り組むべき4つの重点課題(マテリアリティ)を決定、中長期のKPIを定め、進捗を毎年公表している。方針や重点課題は定期的に検証・改訂し、「イオン・マネジメントコミッティ」にて重点課題及びKPIを決定している。2023年9月時点の重点課題(重点分野)については、『2030年にありたい姿』の実現に向け、「社会への影響度」と「イオンの事業との関連性」の観点からマテリアリティマッピングを実施し、社内外のステークホルダーとの討議を踏まえ、決定している。(図表③)
イオングループが果たすべき責任と事業活動を通じて解決できる環境・社会課題を改めて見直し、イオングループのサステナビリティの進むべき方向性は、『お客さまの今とこれから(未来)の幸せに貢献すること』であり、『未来につながる「より良いくらし」を提案し続けていくこと』がイオングループの存在意義、サステナビリティの目指す姿であると定義し、全体像を「サステナビリティ コンパス」で表現している。(図表④)
本PI評価では、イオングループの事業活動全体に対する包括的分析を行い、イオングループのサステナビリティ活動も踏まえ、インパクト領域につき特定のうえ、「①豊かで持続可能な地域社会の実現」、「②脱炭素社会の実現」、「③資源循環型社会の実現」、「④社会の期待に応える商品・店舗づくり」の4項目のインパクトを選定し、各インパクトに対してKPIを設定した。(図表⑤)
図表①:イオン サステナビリティ基本方針

図表②:サステナビリティ推進体制

図表③:マテリアリティマップ及び重点分野
マテリアリティマップ及び重点分野(2023年9月PIF実施時点)

マテリアリティマップ及び重点分野(2024年更新)


図表④:サステナビリティ コンパス

図表⑤:ポジティブ・インパクト評価で設定した目標と指標(KPI)
テーマ | 主な内容 | 主なKPI(指標と目標) | SDGs |
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豊かで持続可能な地域社会の実現 |
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脱炭素社会の実現 |
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資源循環型社会の実現 | 資源循環型社会の実現 |
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社会の期待に応える商品・店舗づくり |
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上記KPIのモニタリング状況
テーマ | 目標と指標(KPI) | 2022年度実績 | 2023年度実績 | 2024年度実績 | ||
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1 | 豊かで持続可能な地域社会の実現 |
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(a)地域社会の活性化 |
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134自治体(44道府県90市区) |
141自治体(45都道府県96市区) |
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(b)地域社会の安全・安心対策強化 |
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2 | 脱炭素社会の実現 |
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(a)温室効果ガス排出量の削減 |
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2,925,591t-CO2 |
1,617,407t-CO2 |
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(b)再生可能エネルギーの利用拡大 |
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4.8% |
53.9% |
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(c)植樹活動の継続 |
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12,554,305本 |
12,687,919本 |
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3 | 資源循環型社会の実現 |
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(a)食品廃棄物発生量の削減 |
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23.8kg/百万円(2015年度対比33.1%削減) |
22.1kg/百万円(2015年度対比37.9%削減) |
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(b)使い捨てプラスチック使用量の削減 |
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約906kg(2018年度対比7.5%削減) |
約855kg(2018年度対比12.8%削減) |
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4 | 社会の期待に応える商品・店舗づくり |
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(a)持続可能な調達の拡大 |
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(b)リアルとデジタルが融合したOMOの実現 |
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