2022年2月

ポジティブ・インパクト評価(要約)

ヒューリックリート投資法人(以下、「HLC」という)は、ヒューリック株式会社(以下、「ヒューリック」という。)をスポンサーとして2014年2月に東京証券取引所不動産投資信託証券市場に上場された投資法人である。

2022年2月時点で62物件・3,801億円(取得価額ベース)の資産規模を有しており、ヒューリックが豊富な運用実績及びノウハウを有する「東京コマーシャル・プロパティ」(オフィス・商業施設)に重点投資するとともに、将来の「安心と信頼に満ちた社会の実現」のためのインフラとしてニーズの拡大が見込まれ、長期的に安定した収益の獲得に資するアセットを対象とする「次世代アセット・プラス」(有料老人ホーム、ネットワークセンター、ホテル、その他)に投資することで、投資主価値の最大化を目指している。

HLCの資産運用業務はヒューリックリートマネジメント株式会社(以下、HRMという)へ外部委託されており、HLCの投資方針に従い、HRMが資産の運用管理を行っている。HLC及びHRMは、ヒューリックの「私たちは、お客さまの社会活動の基盤となる商品・サービスを提供することにより、永く『安心と信頼に満ちた社会』の実現に貢献します。」との企業理念を共有し、ESGへの配慮が本投資法人の中長期的な投資主価値の最大化に繋がると考え、「サステナビリティ方針」を策定し、これを実践している。環境認証の取得、保有物件の省エネルギー性能を高めるための改修工事、TCFD提言への対応等を推進している他、各ステークホルダーとの対話を通じて、お客様(テナント・利用者)の健康・安全・快適性向上に資する取組みを推進するとともに、保有物件の価値向上を目指している。本PI評価では、HLC及びHRMのサステナビリティ方針(図表①)、サステナビリティ推進体制(図表②)、マテリアリティ(図表③)等を確認のうえ、包括的に分析を行い、環境・社会・経済に与える主要なインパクトを特定した。HLCの保有不動産全体について、サプライチェーン及びインベストメントチェーンに対する包括的分析の結果、「①省エネルギー・気候変動対策の推進」、「②循環型経済への対応(水資源の有効活用、廃棄物削減等)」、「③お客さま(テナント・利用者)の満足度向上」の3項目の個別インパクトを特定した(図表④)。

図表①:HRMのサステナビリティ方針

図表②:HRM サステナビリティ推進体制

図表③:HLC及びHRMのマテリアリティ特定の過程及びマテリアリティ

図表④:ポジティブ・インパクト評価で設定した目標と指標(KPI)

テーマ 主な内容 主なKPI(指標と目標) SDGs
省エネルギー・気候変動対策の推進
  • 保有物件の省エネルギー化を通じた、GHGの排出削減の促進
  • 環境負荷低減の取組みの成果の信頼性・客観性を高めることを企図したグリーンビルディング認証の積極的な取得推進
関連性の強いアセット
  • オフィス
  • 商業施設
  • 有料老人ホーム
  • ネットワークセンター
  • ホテル
  • (a)

    GHG排出量削減

    目標

    2030年末までに、ポートフォリオ全体で2018年比30%削減 (指標(KPI))

    GHG排出量原単位(t-CO2/㎡)

    指標(KPI)

    GHG排出量原単位(t-CO2/㎡)

  • (b)

    エネルギー消費量削減

    目標

    2030年末までに、ポートフォリオ全体で2018年比25%削減

    指標(KPI)

    エネルギー消費原単位(kWh/㎡)

  • (c)

    グリーンビルディング認証取得比率向上

    目標
    • ア.

      2025年末までに、ポートフォリオ全体で50%以上

    • イ.

      2025年末までに、「東京コマーシャル・プロパティ」で60%以上

    (※)物件数ベース。底地のみ保有している物件は算出対象より除外

    指標(KPI)

    グリーンビルディング認証取得比率

    (※)DBJ Green Building認証、CASBEE、BELS、JHEP認証等

7 エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
13 気候変動に具体的な対策を
循環型経済への対応(水資源の有効活用、廃棄物削減)
  • 節水及び資源の「リデュース・リユース・リサイクル」の3Rの推進を通じた、循環型社会の形成への寄与
  • 節水や中水・雨水の再利用を通じた水使用量の削減
  • 法令等を遵守した適切な廃棄物処理
関連性の強いアセット
  • オフィス
  • 商業施設
  • (a)

    水使用量削減

    目標

    水使用量削減

    指標(KPI)

    水使用量削減に向けた取組み全般の進捗状況

  • (b)

    廃棄物削減

    目標

    廃棄物削減

    指標(KPI)

    廃棄物削減に向けた取組み全般の進捗状況

6 安全な水とトイレを世界中に
12 つくる責任、つかう責任
お客様(テナント・利用者)の満足度向上
  • お客様の健康・安全・快適性向上に資する取組みを通じた、お客様の満足度向上と保有物件の価値向上
  • 地域社会の一員としての、保有物件における地域・コミュニティの活性化に貢献する取組みを通じた地域社会への貢献
関連性の強いアセット
  • オフィス
  • 商業施設
  • 有料老人ホーム
  • ネットワークセンター
  • ホテル
目標

お客様の満足度向上

指標(KPI)

お客様の満足度向上に資する取組みの実施状況

3 すべての人に健康と福祉を
9 産業と技術革新の基盤を作ろう
11 住み続けられるまちづくりを

上記KPIのモニタリング状況

目標と指標(KPI) 2021年実績 2022年実績 2023年実績
1 省エネルギー・気候変動対策の推進
  • (a)

    GHG排出量削減

(a)GHG排出量削減、
目標

2030年末までに、ポートフォリオ全体で2018年比42%削減

  • ※12023年10月に「2030年末までに、ポートフォリオ全体で2018年比30%削減」より上記目標に見直しております。
  • ※22024年7月に目標を「ア.2030年末までに、スコープ1及びスコープ2の排出量において、2022年比42%削減、イ.2030年末までに、スコープ3において2022年比25%削減」に見直しており、2024年以降は、当該目標に対する取組み状況を記載する予定です。
2018年比▲33.3%
2018年比▲36.4%
2018年比▲36.5%
指標(KPI)

GHG排出量原単位(t-CO2/㎡)

  • (b)

    エネルギー消費量削減

(b)エネルギー消費量削減
目標

2030年末までに、ポートフォリオ全体で2018年比30%削減

  • ※12023年10月に「2030年末までに、ポートフォリオ全体で2018年比25%削減」より上記目標に見直しております。
  • ※22024年7月に目標を「ポートフォリオ全体で過去5年間(基準年:2022年)の平均を1%以上低減」に見直しており、2024年以降は、当該目標に対する取組み状況を記載する予定です。
2018年比▲23.4%
2018年比▲26.3%
2018年比▲25.9%
指標(KPI)

エネルギー消費原単位(kWh/㎡)

  • (c)

    グリーンビルディング認証取得比率向上

(c)グリーンビルディング認証取得比率向上
目標
  • ア.

    ポートフォリオ全体で50%以上の維持

  • イ.

    「東京コマーシャル・プロパティ」で60%以上の維持

  • ※12023年10月に「ア.2025年末までに、ポートフォリオ全体で50%以上、イ.2025年末までに、「東京コマーシャル・プロパティ」で60%以上」より上記目標に見直しております。
  • ※22024年10月に目標を「ア.ポートフォリオ全体で50%以上の維持、イ.オフィス及び商業施設で60%以上の維持(いずれも延床面積ベース)」に見直しており、2024年以降は、当該目標に対する取組み状況を記載する予定です。
  • ア.

    47.5%

  • イ.

    60.0%

  • ア.

    55.7%

  • イ.

    71.8%

  • ア.

    53.0%

  • イ.

    70.7%

指標(KPI)

グリーンビルディング認証取得比率(※)DBJ Green Building認証、CASBEE、BELS、JHEP認証等
(物件数ベース。底地のみ保有している物件は算出対象より除外)

2 循環型経済への対応(水資源の有効活用、廃棄物削減)
  • (a)

    水使用量削減

(a)水使用量削減
目標

水使用量削減

水使用量330千㎡

原単位0.86㎡

(前年度比水使用量▲8千㎡ 原単位▲0.09㎡)

水使用量391千㎡

原単位0.95㎡

(前年度比水使用量+61千㎡ 原単位+0.09㎡)

<水使用量削減に向けた取組み>

継続して節水設備の導入を実施した。

水使用量411千㎡

原単位1.02㎡

(前年度比水使用量+20千㎡ 原単位+0.07㎡)

<水使用量削減に向けた取組み>

継続して節水設備の導入、テナント向け啓蒙活動を実施した。

指標(KPI)

水使用量削減に向けた取組み全般の進捗状況

  • (b)

    廃棄物削減

(b)廃棄物削減
目標

廃棄物削減

廃棄物量900t
(前年度比▲120t)

廃棄物量1,884t
(前年度比+984t)

2022年度実績の変動は、データの入手可能物件が増加したことが原因。

<廃棄物削減に向けた取組み>

継続してテナント・PM/BMへの啓発活動を実施した。

廃棄物量2,863t
(前年度比+979t)

<廃棄物削減に向けた取組み>

継続してテナント・PM/BMへの啓発活動を実施した。

指標(KPI)

廃棄物削減に向けた取組み全般の進捗状況

3 お客様(テナント・利用者)の満足度向上
目標

お客様の満足度向上

テナント満足度調査は、回答率・満足度ともに前年度を上回る結果

テナント満足度調査結果は、潜在的なニーズを含め、運用改善に活用している

テナント満足度調査結果は、潜在的なニーズを含め、運用改善に活用している

指標(KPI)

お客様の満足度向上に資する取組みの実施状況

プレスリリース

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