ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(平和不動産株式会社)
2024年12月
ポジティブ・インパクト評価(要約)
平和不動産株式会社(以下、平和不動産)は、日本の金融マーケットの中枢機能・役割を担う東京、大阪、名古屋、福岡等の証券取引所ビルのオーナー企業として1947年に設立された、総合不動産会社である。2024年3月、グループの存在意義を表す「平和不動産グループパーパス」として「人々を惹きつける場づくりで、未来に豊かさをもたらす」を定め、パーパスの実現に向けた道のりを描いた長期ビジョン「WAY 2040」では、「場づくりの連続で、非連続な成長を遂げる“Bazukuri Company”へ」をスローガンに掲げている。
平和不動産グループでは、長期ビジョン「WAY 2040」においては4つの成長戦略の1つを「社会価値の向上」とし、サステナビリティ施策を推進している。地球という大きな場の課題解決に向け、利益成長と社会課題の解決を高次元で両立させることを目指し、「サステナビリティビジョン」を制定している(図表①)。更に、平和不動産が目指す4つの社会価値「ダイバーシティとイノベーションによる、人々を惹きつける場づくり」「災害に強い、レジリエント(強靭)な街づくり」「地球環境に優しい、脱炭素の街づくり」「場づくりを支えるコーポレート・ガバナンス」の実現のため、5つのマテリアリティを設定している(図表②)。
また、サステナビリティ施策の円滑な推進を目的に、委員長を執行役社長、委員を執行役、執行役員及び所属長で構成する「サステナビリティ委員会」を設置している(図表③)。サステナビリティ委員会を中心に、サステナビリティ施策に関するPDCAをモニタリングし、重要な内容については取締役会への報告等を行うことにより、サステナビリティ経営の実効性を高めている。
本評価では、平和不動産の事業活動全体に対する包括的分析を行った。同社のサステナビリティ活動も踏まえ、インパクト領域につき特定のうえ「地球環境に優しい脱炭素の街づくり」「人々を惹きつける場づくり」「多様性を推進し活かす組織づくり」の3項目のインパクトを特定した。これら3項目のインパクトはいずれも同社のマテリアリティに係るものであり、それぞれ設定したKPI(図表④)に基づき、今後モニタリングを実施する予定である。
図表①:サステナビリティビジョン

図表②:サステナビリティ推進体制

図表③:マテリアリティ

図表④:ポジティブ・インパクト評価で設定した目標と指標(KPI)
テーマ | 本テーマが創出するインパクト | 目標と指標(KPI) | SDGs |
---|---|---|---|
地球環境に優しい脱炭素の街づくり |
|
|
![]() ![]() ![]() |
人々を惹きつける場づくり | 街がさまざまな人の集う、活動する場となり、投資・証券・金融が発展し、文化芸術も育ち、にぎわいが創出される場を提供する |
|
![]() ![]() ![]() ![]() |
多様性を推進し活かす組織づくり | 多様な視点や価値観を持つ人が活躍できる職場環境や制度の整備 |
|
![]() ![]() ![]() ![]() |
上記KPIのモニタリング状況
テーマ | 目標と指標(KPI) | 2024年度実績 | 2025年度実績 | 2026年度実績 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 地球環境に優しい脱炭素の街づくり |
|
||||
(a)GHG排出量の削減 |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
(b)水使用量の削減 |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
(c)廃棄物排出量の削減 |
|
|||||
|
||||||
2 | 人々を惹きつける場づくり |
|
||||
(a)「国際金融都市・東京」構想の一翼を担う"コミュニティ"の創造 |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
(b)文化・芸術の継承や地域振興に寄与するイベントの開催 |
|
|||||
|
||||||
|
||||||
(c)お客様満足度の向上 |
|
|||||
|
||||||
3 | 多様性を推進し活かす組織づくり |
|
||||
多様な働き方の実現 |
|
|||||
|