2023年12月

ポジティブ・インパクト評価(要約)

クリタグループは、クリタグループが将来にわたり社会に果たしていく使命と中長期的に目指す姿、その実現に向け拠り所とする考え方や価値観を「クリタグループの理念体系(図表①)として定めている。クリタグループの理念体系では、全ての活動が企業理念「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」の実現のためにあることを明示しており、企業理念の中で、「水を通して、社会との共通価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献する。」としている。そして、「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」を企業ビジョンに掲げている。

クリタグループは、「クリタグループのマテリアリティ」及びその指標・目標に関する諸活動ごとにグループ統一の中期目標と事業年度ごとの目標を策定している。事業年度ごとの活動計画や必要に応じた指標・目標の改定は、活動所管部署が立案し、サステナビリティ推進委員会で討議のうえ経営会議で決定している。また、活動実績の評価は、サステナビリティ推進委員会及び経営会議で行っており、中期・事業年度目標の策定主体や、所管部署、評価主体の明確化、実績評価・活動改善の実施等によりPDCAサイクルを回すことで実効性が確保されている(図表②)。

クリタグループは、企業ビジョンの実現に向けた重要課題を中期経営計画ごとに特定し、「クリタグループのマテリアリティ」として定めた上で、指標・目標を設定して、これに取り組んでいる。2023年5月に公表した新中期経営計画「Pioneering Shared Value 2027(PSV-27)」でのマテリアリティは、国際規範、法令と情報開示基準、及び過去のステークホルダーエンゲージメントより得られた課題の中から、クリタグループの稼ぐ力と持続可能な社会の実現の同期化を目指し、社会・環境に与える影響とクリタグループの企業価値に与える影響の2軸で抽出し、経営・事業活動の基礎とすべき「基礎テーマ」(革新的な製品・技術・ビジネスモデルの開発と普及、戦略的な人材育成と活用、高い品質と安全性の製品・サービスの提供、人権を尊重した事業活動、公正な事業活動)と、社会との共通価値創造につながる「共通価値テーマ」(水資源の問題解決、脱炭素社会実現への貢献、循環型経済社会構築への貢献)に分類している(図表③)。

本評価では、クリタグループの事業活動全体に対する包括的分析を行った。クリタグループのサステナビリティ活動も踏まえ、「水資源の問題解決」、「脱炭素社会実現への貢献」、「循環型経済社会構築への貢献」の3項目のインパクトを特定した。これら3項目のインパクトはいずれも同社のマテリアリティに係るものであり、それぞれ設定したKPI(図表④)に基づき、今後モニタリングを実施する予定である。

図表①:クリタグループの理念体系

図表②:サステナビリティ推進体制

図表③:クリタグループのマテリアリティ

図表④:ポジティブ・インパクト評価で設定した目標と指標(KPI)

テーマ 主な内容 主なKPI(指標と目標) SDGs
水資源の問題解決

水資源の「保全・回復」と適切な循環の維持

  • (a)

    世界における水資源の「保全・回復」

    目標

    コレクティブアクションを実施する延べ流域数と活動流域の延べ人口を以下とする

    • 2026年3月期までに4流域・160百万人
    • 2028年3月期までに5流域・600百万人
    指標(KPI)

    コレクティブアクションを実施する延べ流域数と活動流域の延べ人口

  • (b)

    節水、取水効率の向上

    目標
    • ア.

      CSVビジネスによる節水貢献量を2026年3月期までに200百万㎥、2028年3月期までに300百万㎥とする

    • イ.

      節水貢献量比のGHG排出量(※4)の削減割合(2023年3月期比)を2026年3月期までに35%、2028年3月期までに50%とする

    • ウ.

      取水量原単位(連結売上高比)の削減割合(2023年3月期比、超純水供給事業を除く)を2026年3月期までに12%、2028年3月期までに20%とする

    なお、ウについて2024年10月に新たな目標を公表しており、今後更新する予定。

    指標(KPI)
    • ア.

      CSVビジネスによる節水貢献量

    • イ.

      顧客側のGHG排出量・節水貢献量比の削減割合(2023年3月期比)

    • ウ.

      栗田工業の取水量原単位(連結売上高比)の削減割合(2023年3月期比、超純水供給事業を除く)

6 安全な水とトイレを世界中に
9 産業と技術革新の基盤を作ろう
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
脱炭素社会実現への貢献

GHG排出量の削減

目標
  • ア.

    GHG排出量(Scope1+2)を2020年3月期比で2026年3月期までに52%、2028年3月期までに73%、2031年3月期までに100%まで削減する

  • イ.

    節GHG排出量(Scope3)を2020年3月期比で2026年3月期までに17%、2028年3月期までに22%、2031年3月期までに30%まで削減する

  • ウ.

    CSVビジネスによるGHG削減貢献量を2026年3月期までに1,000千t、2028年3月期まで1,500千tとする

なお、ア、ウについて2024年10月に新たな目標を公表しており、今後更新する予定。

指標(KPI)
  • ア.

    GHG排出量(Scope1+2)の削減割合(2020年3月期比)

  • イ.

    GHG排出量(Scope3)の削減割合(2020年3月期比)

  • ウ.

    CSVビジネスによるGHG削減貢献量

13 気候変動に具体的な対策を
循環型経済社会構築への貢献

持続可能な産業・社会の構築と自然の喪失防止・回復

目標

CSVビジネスによる廃棄物の資源化貢献量・資源投入削減貢献量(※5)を2023年3月期比で2026年3月期までに100%、2028年3月期までに300%増加させる

指標(KPI)

CSVビジネスによる廃棄物の資源化貢献量・資源投入削減貢献量の増加割合(2023年3月期比)

12 つくる責任、つかう責任

上記KPIのモニタリング状況

テーマ 目標と指標(KPI) 2023年度実績 2024年度実績 2025年度実績
1 水資源の問題解決
  • (a)

    世界における水資源の「保全・回復」

(a)世界における水資源の「保全・回復」
目標
  • コレクティブアクションを実施する延べ流域数と活動流域の延べ人口を以下とする
  • 2026年3月期までに4流域・160百万人
  • 2028年3月期までに5流域・600百万人

3流域・93百万人

   
指標(KPI)

コレクティブアクションを実施する延べ流域数と活動流域の延べ人口

  • (b)

    節水、取水効率の向上

(b)節水、取水効率の向上
目標
  • ア.

    CSVビジネスによる節水貢献量を2026年3月期までに200百万㎥、2028年3月期までに300百万㎥とする

  • イ.

    節水貢献量比のGHG排出量の削減割合(2023年3月期比)を2026年3月期までに35%、2028年3月期までに50%とする

  • ウ.

    取水量原単位(連結売上高比)の削減割合(2023年3月期比、超純水供給事業を除く)を2026年3月期までに12%、2028年3月期までに20%とする

  • ア.

    111百万㎡

  • イ.

    ▲18.0%

  • ウ.

    18.2%

ウについて、2024年10月に新たな目標を公表しており、今後更新する予定。

   
指標(KPI)
  • ア.

    CSVビジネスによる節水貢献量

  • イ.

    顧客側のGHG排出量・節水貢献量比の削減割合(2023年3月期比)

  • ウ.

    同社の取水量原単位(連結売上高比)の削減割合(2023年3月期比、超純水供給事業を除く)

2 脱炭素社会実現への貢献
  • 温室効果ガス排出量の削減に資するソリューションの開発・提供、サプライチェーン全体での脱炭素社会の実現への貢献

温室効果ガス排出量の削減に資するソリューションの開発・提供、サプライチェーン全体での脱炭素社会の実現への貢献
目標
  • ア.

    GHG排出量(Scope1+2)を2020年3月期比で2026年3月期までに52%、2028年3月期までに73%、2031年3月期までに100%まで削減する

  • イ.

    GHG排出量(Scope3)を2020年3月期比で2026年3月期までに17%、2028年3月期までに22%、2031年3月期までに30%まで削減する

  • ウ.

    CSVビジネスによるGHG削減貢献量を2026年3月期までに1,000千t、2028年3月期まで1,500千tとする

  • ア.

    21.2%

  • イ.

    ▲56.7%

  • ウ.

    733千t

ア、ウについて、2024年10月に新たな目標を公表しており、今後更新する予定。

   
指標(KPI)
  • ア.

    GHG排出量(Scope1+2)の削減割合(2020年3月期比)

  • イ.

    GHG排出量(Scope3)の削減割合(2020年3月期比)

  • ウ.

    CSVビジネスによるGHG削減貢献量

3 循環型経済社会構築への貢献
  • 限りある資源、再生可能な資源を最適な方法で有効活用・再利用する製品・サービスを提供する

限りある資源、再生可能な資源を最適な方法で有効活用・再利用する製品・サービスを提供する
目標

CSVビジネスによる廃棄物の資源化貢献量・資源投入削減貢献量を2023年3月期比で2026年3月期までに100%、2028年3月期までに300%増加させる

▲2%

   
指標(KPI)

CSVビジネスによる廃棄物の資源化貢献量・資源投入削減貢献量の増加割合(2023年3月期比)

プレスリリース

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