2025年3月

ポジティブ・インパクト評価(要約)

ミネベアミツミ株式会社は、1951年設立の幅広い製品をグローバルで展開する総合精密部品メーカーである。2017年に電子部品大手のミツミ電機を完全子会社化し、「ミネベア」から「ミネベアミツミ」に商号変更した。超精密機械加工技術や大量生産技術をはじめとするコア技術を生かし、8つのコア事業と3つのサブコア事業を手掛け、ニッチ分野を中心に多角化を図っている。

ミネベアミツミグループは、企業の使命とは法令の遵守だけではなく、企業倫理に則した公正かつ、適切な事業運営を通じて、地球環境及び人類の持続可能な発展に貢献することであると考えている。この使命を果たすため、「経営理念」及び社是として位置付けた「五つの心得」を基本とした「ミネベアミツミグループのCSR 基本方針」、「ミネベアミツミグループのCSR 実践に向けた活動方針」を策定し、取り組みを進めている。また、ミネベアミツミグループは、脱炭素社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、GX(グリーン・トランスフォーメーション)や多様性(ダイバーシティ)の推進に注力している。多くの第三者評価・外部認証等を取得しているほか、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同をしている。

ミネベアミツミグループは、「ミネベアミツミグループのCSR基本方針」及び「ミネベアミツミグループのCSR実践に向けた活動方針」を基にCSR活動を推進するため、最高責任者を代表取締役会長CEO、最高責任者補佐をCSR担当役員とするCSR推進体制を構築している。2019年4月には、持続可能な社会の発展に貢献すること、また、監視業務と執行業務を分離し、ガバナンス体制を強化することを目的に、サステナビリティ推進部門を新設した。同部門では、CSR推進室、コンプライアンス推進室、内部統制推進室、グループ環境管理室、セキュリティ推進室、及び貿易法令遵守管理室、安全保障貿易管理室が集約されている。そして、同年5月にサステナビリティに関するマテリアリティを特定し、2020年度には、環境問題の関心への高まりなど外部環境の変化を踏まえ、CSRの視点からまとめられていたマテリアリティを、全社視点で戦略を遂行するための「経営課題」として見直した。目標達成に向けたPDCAのサイクルを適切に回し、マネジメントしていくことが重要であると考え、各マテリアリティに対し目標を定め、取り組みを推進している。

本評価では、ミネベアミツミグループの事業活動全体に対する包括的分析を行った。ミネベアミツミグループのサステナビリティ活動も踏まえ、インパクトエリア/トピックにつき特定のうえ「(1)地球環境課題解決への貢献」、「(2)高品質な精密部品の安定供給を通じた社会への貢献」、「(3)環境・人権問題に配慮した調達の推進」の3項目のインパクトを選定した。そして、各インパクトに対してKPIを設定した。インパクト(1)~(3)は、いずれも同社グループのマテリアリティに係るものである。今後、これら3項目のインパクトに係るKPI 等に対して、モニタリングを実施する予定である。

図表①:CSR推進体制

CSR推進体制です

図表②:マテリアリティ

マテリアリティ一覧です

図表③:ポジティブ・インパクト・ファイナンスで設定した目標と指標(KPI)

テーマ 本テーマが創出するインパクト 目標と指標(KPI) SDGs
地球環境課題解決への貢献

カーボンニュートラルへの貢献

  • (a)

    製品によるCO2排出削減貢献量の拡大

    目標

    製品によるCO2排出削減貢献量400万t-CO2(2031年3月期)

    指標(KPI)

    製品によるCO2排出削減貢献量(t-CO2

  • (b)

    グリーンプロダクツの開発・普及

    目標

    グリーンプロダクツの売上高比率90%以上(2029年3月期)

    指標(KPI)

    グリーンプロダクツの売上高比率

  • (c)

    温室効果ガス排出量削減

    目標
    • ア.

      温室効果ガス排出量(Scope1,2)を2031年3月期までに2023年3月期比42%削減、2050年カーボンニュートラル達成

    • イ.

      温室効果ガス排出量(Scope3カテゴリー11)を2031年3月期までに2023年3月期比25%削減

    指標(KPI)
    • ア.

      温室効果ガス排出量(Scope1,2)

    • イ.

      温室効果ガス排出量(Scope3 カテゴリー11)

7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
13 気候変動に具体的な対策を
高品質な精密部品の安定供給を通じた社会への貢献

世界のものづくりへの貢献

超高精度・超高品質製品の供給力向上

  • 目標

    精度大幅アップによる超高性能ベアリングなどの量産体制構築(2027年3月期、ボールベアリング外販・内販個数363百万個)

    指標(KPI)

    ボールベアリング外販・内販個数

9 産業と技術革新の基盤をつくろう
環境・人権問題に配慮した調達の推進

人権の尊重、廃棄物の削減

責任ある調達の推進

  • 目標

    環境・人権問題を考慮したCSR調達ガイドラインの高度化(CSRDへの対応/欧州子会社における2026年の報告実施、2026年以降は目標を再設定する)

    指標(KPI)

    CSRDへの対応状況

8 働きがいも経済成長も
12 つくる責任つかう責任

上記KPIのモニタリング状況

テーマ 目標と指標(KPI) 2024年度実績 2025年度実績 2026年度実績
1 地球環境課題解決への貢献
  • (a)

    製品によるCO2排出削減貢献量の拡大

(a)製品によるCO2排出削減貢献量の拡大
目標
  • 製品によるCO2排出削減貢献量400万t-CO2(2031年3月期)
     
指標(KPI)

製品によるCO2排出削減貢献量(t-CO2

  • (b)

    グリーンプロダクツの開発・普及

(b)グリーンプロダクツの開発・普及
目標

グリーンプロダクツの売上高比率90%以上(2029年3月期)

     
指標(KPI)

グリーンプロダクツの売上高比率

  • (c)

    温室効果ガス排出量削減

(b)温室効果ガス排出量削減
目標
  • ア.

    温室効果ガス排出量(Scope1,2)を2031年3月期までに2023年3月期比42%削減、2050年カーボンニュートラル達成

  • イ.

    温室効果ガス排出量(Scope3 カテゴリー11)を2031年3月期までに2023年3月期比25%削減

     
指標(KPI)
  • ア.

    室効果ガス排出量(Scope1,2)

  • イ.

    温室効果ガス排出量(Scope3 カテゴリー11)

2 高品質な精密部品の安定供給を通じた社会への貢献
  • 超高精度・超高品質製品の供給力向上

超高精度・超高品質製品の供給力向上
目標
  • 度大幅アップによる超高性能ベアリングなどの量産体制構築(2027年3月期、ボールベアリング外販・内販個数363百万個)
     
指標(KPI)

ボールベアリング外販・内販個数

3 環境・人権問題に配慮した調達の推進
  • 責任ある調達の推進

責任ある調達の推進
目標
  • 環境・人権問題を考慮したCSR調達ガイドラインの高度化(CSRDへの対応/欧州子会社における2026年の報告実施、2026年以降は目標を再設定する)
     
指標(KPI)

CSRDへの対応状況

プレスリリース

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