ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(株式会社SUBARU)
2020年3月
ポジティブ・インパクト評価(要約)
SUBARUは、企業理念を最上位概念として企業行動規範を制定しており、そのもとでCSR方針を策定している(CSR方針については2020年4月、社会環境やステークホルダーとの関わり方の変化を踏まえ、かつ、グループ・グローバルの従業員が意思を共有できるものとして、「SUBARUグローバルサステナビリティ方針」(図表①)に改訂済み)。これらの方針のもと、自社と取引先、お客様を含むサプライチェーン全体でグローバルなCSR活動を実践し、社会、環境に対する効果をあげ、持続可能な社会の構築とSUBARUの持続的な成長を目指している。
SUBARUは、CSRの取組みを議論する場として、業務執行側に代表取締役社長を委員長とするCSR委員会を設置し、実行計画の策定・強化を行う一方、監督側の取締役会はCSR委員会で議論された内容について執行側の経営会議経由で報告を受け、CSR長期目標や取組み進捗についての監督を行っている(図表②)。また、CSR浸透に向けた取組みとして社内向け職階別研修等を実施し、経営陣から従業員にいたるまで十分な情報と価値の共有が図られる体制が確保されている。
SUBARUは、2018年7月に策定した新中計ビジョン「STEP」のもとでCSR重点6領域(図表③)を定め、このCSR重点6領域の考え方を取り入れて事業を推進することで、多様化する社会ニーズに貢献するとともに、企業としての社会的責任を果たし、より豊かで持続可能な社会づくりへの貢献を目指している。CSR重点6領域の策定にあたっては、従来のCSR項目から41項目を抽出し、社内外のステークホルダーの意見を踏まえて絞り込みを行っている。
本評価では、SUBARUの事業活動全体に対する包括的な分析を行い、特にSDGsの目標達成にインパクトを与える活動として、「脱炭素社会への貢献」、「クルマの安心と愉しさ」、「ダイバーシティ」の3項目のインパクトを特定し、各インパクトについて目標及び指標(KPI)を設定した(図表④)。
図表①:SUBARUグローバルサステナビリティ方針

図表②:CSR推進体制

図表③:CSR重点6領域


図表④:ポジティブ・インパクト・ファイナンスで設定した目標と指標(KPI)
SDGs達成にインパクトを与えると評価されたSUBARUの活動
テーマ | 内容 | 目標と指標(KPI) | SDGs |
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脱炭素社会への貢献 |
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クルマの安心と愉しさ |
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ダイバーシティ |
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※SUBARU乗車中の死亡事故及びSUBARUとの衝突による歩行者・自転車等の死亡事故をゼロにする。
上記KPIのモニタリング状況
開示資料
テーマ | 目標と指標(KPI) | 2019年度実績 | 2020年度実績 | 2021年度実績 | 2022年度実績 | 2024年2月付「ポジティブ・インパクト評価」再実施(※)に伴う見直し | |
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1 | スコープ1・2におけるインパクト |
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(2019年度:582,732t-CO2) |
(2020年度:493,279t-CO2) |
(2021年度:460,200t-CO2) |
(2022年度:480,498t-CO2) |
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2 | スコープ3におけるインパクト |
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開示データなし
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開示データなし
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3 | 安心におけるインパクト |
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米国(100万台あたり死亡交通事故):32.9件(2018年度実績) 日本(100万台あたりの死亡重傷事故):118件(2018年度実績) |
米国(100万台あたり死亡交通事故):32.2件(2019年度実績) 日本(100万台あたりの死亡重傷事故):105件(2019年度実績) |
米国(100万台あたり死亡交通事故):31.6件(2020年度実績) 日本(100万台あたりの死亡重傷事故):127件(2020年度実績) |
米国(100万台あたり死亡交通事故):36.9件(2021年度実績) 日本(100万台あたりの死亡重傷事故):80件(2021年度実績) |
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4 | ダイバーシティにおけるインパクト |
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5.5倍(2020年4月:22人) |
6.0倍(2021年4月:24人) |
6.0倍(2022年3月:24人) |
7.75倍(2023年3月:31人) |
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(※)SUBARU向けの最新のポジティブ・インパクト評価については、以下をご確認ください。
ポジティブ・インパクト・ファイナンスの取組み事例(SUBARU)(2024年2月)
ポジティブ・インパクト評価の再実施に伴い、本件PIFの2023年度以降のモニタリング実績は、上記ページに集約して開示してまいります。