介護は先の見通しが立てられないため、どれだけお金がかかるのかは、とても気になるところです。実際には、介護期間は、どれくらいの長さであり、介護費用についてはどれくらい必要なのでしょう。

介護と老人ホームの解説第3回目はベネッセスタイルケア お客様相談室長の大見強氏から、介護に関わる費用について解説をいただきました。大見氏は介護職員を経て、入居相談を主に運営と新規開設運営に携わられています。湘南鎌倉、東京、東海、西日本を担当し、過去2,000件以上の対面相談の経験を生かして現在に至っています。

ベネッセスタイルケア
東京Ⅰエリアお客様相談室長
大見 強(おおみ ごう)氏
大見 強(おおみ ごう)氏

介護にかかる期間と費用

一般家庭の生命保険加入状況を中心に、老後生活や万一の場合の生活保障に対する考え方などについて、全国の世帯員2人以上の世帯を対象にした世帯調査では、介護を始めてからの期間(介護中の場合は、経過期間)をみると、平均59.1カ月(4年11カ月)となっています。この結果には、現在介護中の方も含んでいますので、実際の介護期間はこれより長いと推測できます。また、今後の想定として、世帯主または配偶者が要介護状態となった場合の、介護が必要と考える期間の平均では、10年以上かかるだろうという回答が67.7%ありました。

次に介護に要した費用ですが、住宅改造や介護用ベッド購入等の一時的な費用は平均で80万、その後の介護のみの月額費用は、平均7.9万でした。しかし、実際には、介護費用のほかに、居住費、医療費、食費、光熱費、通信費(電話)などが加わることになります。また、今後世帯主または配偶者が要介護状態となった場合では、一時的な費用で平均252万、月々で16.8万円くらいが必要となるだろうという回答がありました。

1.一時的な費用の合計:平均80万円(不明分を除く)

かかった費用はない
17.3%
15万円未満
13.9%
15~25万円未満
8.3%
25~50万円未満
7.7%
50~100万円未満
9.0%
100~150万円未満
7.9%
150~200万円未満
1.9%
200万円以上
7.1%
不明
26.8%

2.月額:平均7.9万円(不明分を除く)

支払った費用はない
5.2%
1万円未満
4.9%
1万円~2万5千円未満
15.1%
2万5千~5万円未満
10.2%
5万~7万5千円未満
13.8%
7万5千~10万円未満
7.1%
10万~12万円未満
9.8%
12万5千~15万円未満
3.4%
15万円以上
16.4%
不明
14.1%

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」 / 平成27年度

介護保険サービス利用について

なんといっても心強いのが、介護保険の介護サービスです。要介護1~5に認定された人が利用できる介護サービスには、「在宅(居宅)サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類があり、自己負担は1割または2割ですみます。

在宅(居宅)サービス

「在宅(居宅)サービス」には、入浴、排泄、食事などの介助(身体介護)や家事援助(生活援助)を行う「訪問介護」、日中だけ施設で過ごす「デイサービス」、施設に短期間泊まる「ショートステイ」、ベッドや車椅子をレンタルできる「福祉用具貸与」、「訪問看護」、「訪問入浴介護」等があり、必要なものを組み合わせて利用します。 介護サービスは、要介護度別に利用できるサービス支給限度額(量)が決まっており、支給限度額の範囲内であれば、自己負担は、かかった介護サービス費の1割(一定以上の所得者の場合は2割)となります。しかし、支給限度額を超えた分や、介護サービスの範囲外で利用したサービスに関しては、全額自己負担になります。有料老人ホームなどに入居している場合でも、「在宅(居宅)サービス」が受けられ、自己負担額も1割(一定以上の所得者の場合は2割)です。ただし、入居先により支払い額や支払い方法が異なります。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、シニア向け分譲マンションの場合は、外部の介護サービス事業者を利用するため、自宅と同じように利用した分だけ支払います。

一方、介護付有料老人ホーム、介護型ケアハウスでは、「特定施設入居者生活介護」といって、施設スタッフにより介護サービスが提供されているため、料金も要介護度ごとに決められた額を支払う定額制になっています。

施設サービス

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設のいずれかの公的な介護施設に入所して受けることができる介護サービスです。料金は定額制です。

地域密着型サービス

介護が必要となっても住み慣れた地域で暮らし続けるためのサービスです。小規模な施設へ入居して受けるサービス「認知症対応型共同生活介護」(グループホーム)、「地域密着型特定施設入居者生活介護」(介護付有料老人ホーム、一部のケアハウスやサービス付き高齢者向け住宅等)、「地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護」(特別養護老人ホーム)と、自宅で暮らしながら受けるサービス「小規模多機能型居宅介護」「定期巡回・随時訪問型訪問介護・看護」「認知症対応型通所介護」「夜間対応型訪問介護」があります。

料金については、「認知症対応型通所介護」と「夜間対応型訪問介護」は利用した分だけの支払い、その他のサービスは要介護度ごとに決められた定額制になっています。

介護施設の費用

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホームなどの介護施設の種類や、入居予定者の要介護度や健康状態により入居時にかかる費用や月額で必要になる費用が違います。また、施設の設備内容や提供するサービスによっても、その金額は違ってきます。詳細は、各施設に確認されることをおすすめします。

入居金と月額利用料の目安

種類 入居金 月額利用料の目安

有料老人ホーム

  • 介護付き
  • 住宅型
  • 健康型
  • 入居金なし
  • 5百万円以下
  • 1千万円以下
  • 数千万~1億円以上

など施設により異なる

12~40万円
サービス付き高齢者向け住宅
敷金として家賃の2~3カ月の場合が大半
5~25万円
グループホーム
10~100万円
12~20万円

公的な介護施設

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保険施設(老健)
0円
7~17万円
ケアハウス(軽費老人ホーム)
30万~数百万円程度
施設によっては0円の場合もあり
8~20万円

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、特別養護老人ホームなどの介護施設の種類や、入居予定者の要介護度や健康状態により入居時にかかる費用や月額で必要になる費用が違います。また、施設の設備内容や提供するサービスによっても、その金額は違いますので、詳細は、各施設にお確かめください。

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