老人ホームのサービスとは

有料老人ホームのサービスをまとめてみました。一覧にあるようにホームのサービスは、大きく分けて介護、食事、生活、健康管理、相談、アクティビティに分かれます。これまでの生活と変わりなくお過ごしいただけるようにサービスが設計されており、ホームにしかない設備やプログラムも利用することができます。ただ、その中身はさまざまであり、料金体系やサービススタッフの配置などによって内容や手厚さも違ってきますので、入居される方のお身体の状態だけでなく、ライフスタイルや立地、価格、お支払方法、ご希望のサービスなどに合わせてホームを選ぶことが大切です。各ホームのホームページやパンフレット等の資料、そして実際に見学し中身を確かめましょう。

有料老人ホームでは、ホームの種類によって介護保険による介護サービスの提供方法が異なります。「介護付有料老人ホーム」では、ホームに配置された介護・看護職員が介護保険上のサービスを包括的に提供します。これに対して「住宅型有料老人ホーム」では、外部の介護サービス事業者が、介護保険上の居宅サービスを提供します。尚、介護保険上の居宅サービス等は、入居者自身が自ら選ぶことができます。

例えば、訪問看護・デイサービスなど入居者自身が選択した個別の介護サービスをそれぞれの事業者が提供します。

介護サービスについては、入居者のお身体の状態により、事前に各ホームと内容を確認することが大切です。これまでのご生活がどうだったのか？希望する介護サービスは何なのか？入居時の生活プランなどで確かめる必要があります。特に食事、排せつ、入浴などの日常の身体介護の方法は、今後のホームの生活でとても重要になりますのでホームとの事前確認や入居後の生活プランで相互確認することが大切になります。

有料老人ホームは、外部の医療機関と連携して通院時や入院時、また緊急時にスムーズに医療が受けられるようにさまざまな手配を行います。 また、定期健康診断の手配や薬の管理なども行います。外部の医療機関の協力内容によっては、医師の指示によりホームの看護職員が医療行為を行うこともあります。

入居前の健康診断書や事前のアセスメントにより、お身体の状況を細かく確認し医療的ケアの内容が決定されます。たん吸引やインシュリン投与、経管栄養（胃ろう）、認知症予防プログラムの実践など医療的ケアをサービスとして提供しているホームもあります。ホームによって異なりますが、地域の医療機関と提携し、往診や定期健診なども提供されています。事前にお身体の状態に合わせた確認をしていただきたいと思います。

また、現在治療中の病院への通院やかかりつけのお医者様の個別往診もほとんどのホームで可能となっています。

最近では、各ホームが独自のサービスを行うことも珍しくなくなってきました。産地直送などの食材にこだわった特別食を提供するホームや、リハビリ室などを設けて健康促進に力を入れるホーム、庭や屋上で植物の栽培をするホームなど、施設での生活もたいへん豊かになってきています。私がホーム長を務める「グランダ初台」（2017年3月オープン）では、独自のサービスとして、ホーム1階の共用スペースに、カフェラウンジ、ライブラリー（図書）コーナー、そしてシアタールームを設け、入居者の方のくつろぎのひとときを提供してまいります。

当社でも、認知症の方が暮らしやすい取り組みの事例が、いくつかのホームで報告されており、サービスの意識や内容も着実に変わってきています。ホームの生活は、こういった新しい取り組みにより明るい兆しも多く見え始めています。ただ一方で、他人に任せる不安や心配の声も多くのご家族から聞かれます。

ホームにとって、本当に大切なサービスとは何かを考えるとき、その答えは、やはり「人」にあるのではないかと思います。皆さんが、各ホームのサービスの中身を確かめる場合は、ぜひ、ホームに足を運んでください。そこで、ホーム長をはじめサービススタッフの表情を見てください。また入居者の方の表情を見ていただければと思います。それぞれ表情（笑顔）の中にサービスの本質（中身）があるのではないかと思います。