子どもの教育費はいくらかかる?大学までの教育費の総額をシミュレーション
子どもが成長するにつれて負担が大きくなりがちな教育費は、家庭の大きな関心事です。
幼稚園から大学まで通う場合、子どもの教育費の総額がいくらかかるのかは、公立・私立の区分によって大きく異なります。
特に大学進学時には、授業料や入学金に加えて、引越し費用や生活費の仕送りが必要になる可能性もあり、早めに資金計画を立てることが重要です。
この記事では、幼稚園から大学までにかかる教育費の総額をシミュレーションし、進路別の学費の目安や、無理のない教育費の準備方法を紹介します。
子どもの教育にかかる費用
文部科学省が実施した「令和5年度子供の学習費調査」の結果を基に、幼稚園から大学までにかかる子どもの教育費の平均を紹介します。
幼稚園から高等学校までの教育費は、主に以下の3つに分類されます。
- 学校教育費:授業料やPTA会費、制服代などの費用
- 学校給食費:給食にかかる費用
- 学校外活動費:習い事や家庭学習などにかかる費用
学校教育費は必須の支出が多く、節約が難しい一方で、学校外活動費は家庭の教育方針によって調整できる部分です。
例えば、幼児期から英会話やピアノなど複数の習い事をかけ持ちすれば支出は増えますが、家庭学習中心にすれば費用を抑えることができます。
ここからは、教育費の内訳を具体的に見ていきましょう。
幼稚園
幼稚園に通う3〜5歳児までの教育費は、家庭によって大きく異なります。
以下は、1年間にかかる幼稚園の費用の平均額です。
| 学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 教育費総額 |
|
|---|---|---|---|---|
| 公立幼稚園 | 69,362円 | 15,235円 | 100,049円 | 184,646円 |
| 私立幼稚園 | 154,062円 | 35,741円 | 157,535円 | 347,338円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
幼稚園の3年間にかかる教育費の総額は、以下のとおりです。
- 公立幼稚園:184,646円×3年間=553,938円
- 私立幼稚園:347,338円×3年間=1,042,014円
特に私立幼稚園の場合、教育環境の充実度や施設費が反映されているため、公立幼稚園に比べて約2倍の負担になることが一般的です。
それぞれの費用の内訳について、さらに詳しく見ていきましょう。
| 学校教育費内容 | 公立幼稚園 | 私立幼稚園 |
|---|---|---|
| 入学金 | 537円 | 15,722円 |
| 授業料 | 5,416円 | 40,166円 |
| 修学旅行費等 | 1,490円 | 3,955円 |
| 学校納付金等 | 7,620円 | 21,033円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 13,212円 | 16,996円 |
| 教科外活動費 | 907円 | 3,727円 |
| 通学関係費 | 26,705円 | 39,878円 |
| その他 | 13,475円 | 12,585円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
2019年(令和元年)10月に開始された「幼児教育・保育の無償化」により、3〜5歳児クラスの授業料は月額上限25,700円(年間30万8,400円)まで費用がかかりません。
上記のデータでは、公立幼稚園・私立幼稚園ともに授業料の平均額が無償化対象の上限額を下回っているため、授業料は自己負担にならないケースが多いと考えられます。
ただし、通学関係費(制服の購入費用、バス代など)や学校納付金(PTA会費など)は、無償化の対象外です。
年間で数万円以上かかる場合もあるため、入園前にしっかりと確認しておきましょう。
| 学校外活動費内容 | 公立幼稚園 | 私立幼稚園 |
|---|---|---|
| 補助学習費 | 34,000円 | 50,000円 |
| 体験活動・地域活動 | 4,000円 | 5,000円 |
| 芸術文化活動 | 13,000円 | 25,000円 |
| スポーツ・レクリエーション活動 | 27,000円 | 50,000円 |
| 国際交流体験活動 | 1,000円 | 2,000円 |
| 教養・その他 | 22,000円 | 26,000円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
学校外活動費は、幼稚園以外での学習や習い事などにかかる費用です。
学習塾や通信教育、英会話、ピアノ、スイミングスクールなどの習い事、絵本や学習教材の購入などが該当します。
小学校
小学校に通う6歳から12歳までの6年間は、教育費の負担が増加します。
公立小学校なら授業料は無償ですが、学用品や給食費、学習塾・習い事など、日常的にかかる支出が積み重なるため、早めの準備を心がけましょう。
以下は、1年間にかかる小学校の費用の平均額です。
| 学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 教育費総額 |
|
|---|---|---|---|---|
| 公立小学校 | 81,753円 | 38,405円 | 216,107円 | 336,265円 |
| 私立小学校 | 1,054,083円 | 53,601円 | 720,428円 | 1,828,112円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
小学校の6年間にかかる教育費の総額は、以下のとおりです。
- 公立小学校:336,265円×6年間=2,017,590円
- 私立小学校:1,828,112円×6年間=10,968,672円
公立と私立では5倍以上の差があることが分かります。
また、それぞれの費用の内訳は、以下のとおりです。
| 学校教育費内容 | 公立小学校 | 私立小学校 |
|---|---|---|
| 入学金等 | 1,044円 | 65,099円 |
| 授業料 | - | 535,592円 |
| 修学旅行費等 | 6,132円 | 37,288円 |
| 学校納付金等 | 8,610円 | 205,434円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 32,487円 | 70,473円 |
| 教科外活動費 | 3,143円 | 13,568円 |
| 通学関係費 | 23,085円 | 112,686円 |
| その他 | 7,252円 | 13,943円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
公立小学校は授業料が無償ですが、私立は年間50万円を超える授業料が自己負担となります。
学校納付金や通学関係費(電車・バス代、制服代など)も私立のほうが高額で、合計すると年間100万円前後の教育費がかかるケースも少なくありません。
一方で、公立の場合も教材費や修学旅行費、給食費などがかかり、無償といっても全く費用が発生しないわけではありません。
特に高学年になるにつれ、クラブ活動や遠足費用などの支出が増加するでしょう。
| 学校外活動費内容 | 公立小学校 | 私立小学校 |
|---|---|---|
| 補助学習費 | 93,000円 | 375,000円 |
| 体験活動・地域活動 | 6,000円 | 27,000円 |
| 芸術文化活動 | 29,000円 | 96,000円 |
| スポーツ・レクリエーション活動 | 56,000円 | 101,000円 |
| 国際交流体験活動 | 1,000円 | 25,000円 |
| 教養・その他 | 31,000円 | 96,000円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
学校外活動費は、学習塾や習い事にかかる費用です。
特に近年は、中学受験対策として低学年から塾に通わせる家庭も多く、補助学習費の平均は公立で9万円以上、私立では37万円以上となっています。
中学校
中学校に通う13~15歳までの3年間は、部活動や教材費、通学定期代などの支出が増え、教育費はさらに高くなります。
以下は、1年間にかかる中学校の費用の平均額です。
| 学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 教育費総額 |
|
|---|---|---|---|---|
| 公立中学校 | 150,747円 | 35,667円 | 356,061円 | 542,475円 |
| 私立中学校 | 1,128,061円 | 9,317円 | 422,981円 | 1,560,359円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
中学校の3年間にかかる教育費の総額は、以下のとおりです。
- 公立中学校:542,475円×3年間=1,627,425円
- 私立中学校:1,560,359円×3年間=4,681,077円
公立と私立では、小学校以上に差が開きます。
特に私立中学校では、入学金や授業料などの負担が大きく、年間100万円超の出費となるケースが一般的です。
給食がない学校も多く、別途昼食代(お弁当や外食費)が発生する点にも注意しましょう。
また、それぞれの費用の内訳は、以下のとおりです。
| 学校教育費内容 | 公立中学校 | 私立中学校 |
|---|---|---|
| 入学金等 | 1,177円 | 119,829円 |
| 授業料 | - | 458,018円 |
| 修学旅行費等 | 24,250円 | 65,276円 |
| 学校納付金等 | 14,119円 | 172,268円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 34,351円 | 80,135円 |
| 教科外活動費 | 27,315円 | 65,131円 |
| 通学関係費 | 44,040円 | 155,293円 |
| その他 | 5,495円 | 12,111円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
公立中学校の授業料は無償ですが、制服代や部活動の用具代、交通費などで年間15万円前後の費用がかかります。
一方、私立中学校は授業料だけで年間45万円以上、初年度に10〜50万円の入学金が必要な場合もあります。
学費以外にも、施設維持費や冷暖房費などの学校納付金、通学関係費なども高額になりがちです。
| 学校外活動費内容 | 公立中学校 | 私立中学校 |
|---|---|---|
| 補助学習費 | 272,000円 | 237,000円 |
| 体験活動・地域活動 | 3,000円 | 10,000円 |
| 芸術文化活動 | 24,000円 | 43,000円 |
| スポーツ・レクリエーション活動 | 34,000円 | 32,000円 |
| 国際交流体験活動 | 4,000円 | 67,000円 |
| 教養・その他 | 19,000円 | 34,000円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
中学生になると、定期テストや高校受験のために塾へ通う生徒が急増します。
学校教育費は公立・私立で年間100万円前後の差がある一方、学校外活動費の公立・私立の差は、わずか7万円程度です。
これは、私立中学校が内部進学を前提としているため、塾に通う必要が少ないからだと考えられます。
上記のデータでも、学習塾費用を含む「補助学習費」は、公立中学校のほうが高額です。
高等学校
高等学校に通う16~18歳までの3年間は、授業料や教材費などの負担が一気に増えます。
また、公立・私立を問わず給食制度がなくなるため、学費とは別に昼食費用の負担も必要です。
以下は、1年間にかかる高等学校の費用の平均額です。
| 学校教育費 | 学校給食費 | 学校外活動費 | 合計 教育費総額 |
|
|---|---|---|---|---|
| 公立高等学校 | 351,452円 | - | 246,300円 | 597,752円 |
| 私立高等学校 | 766,490円 | - | 263,793円 | 1,030,283円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
高等学校の3年間にかかる教育費の総額は、以下のとおりです。
- 公立高等学校:597,752円×3年間=1,793,256円
- 私立高等学校:1,030,283円×3年間=3,090,849円
それぞれの費用の内訳を見ていきましょう。
| 公立高等学校 | 私立高等学校 | |
|---|---|---|
| 入学金等 | 18,062円 | 79,056円 |
| 授業料 | 45,194円 | 233,102円 |
| 修学旅行費等 | 36,452円 | 59,293円 |
| 学校納付金等 | 35,635円 | 112,256円 |
| 図書・学用品・実習材料費等 | 62,292円 | 74,565円 |
| 教科外活動費 | 49,371円 | 56,800円 |
| 通学関係費 | 97,738円 | 142,670円 |
| その他 | 6,708円 | 8,748円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
2010年(平成22年)4月に「公立高等学校の授業料無償化及び高等学校等就学支援金制度」がスタートしたため、公立高等学校の授業料は少なくなっています。(調査実施の令和5年度時点では授業料無償化制度には所得制限があり、負担をしている方も含まれていることから、上記表では授業料0円にはなっていません。)
私立高等学校についても、年収約590万円未満の世帯では年間396,000円まで、年収約910万円未満の世帯では年額118,800円まで支援が受けられます。
また、2025年(令和7年)に限り、「高校生等臨時支援金」制度が新設され、年収制限なしで支援が受けられるようになりました。2026年度(令和8年度)からは、所得制限の撤廃など、新たな高校授業料の無償化が別途検討されているところです。
参考:文部科学省「高等学校等就学支援金・高校生等臨時支援金リーフレット」
| 学校外活動費内容 | 公立高等学校 | 私立高等学校 |
|---|---|---|
| 補助学習費 | 202,000円 | 172,000円 |
| 体験活動・地域活動 | 2,000円 | 3,000円 |
| 芸術文化活動 | 11,000円 | 11,000円 |
| スポーツ・レクリエーション活動 | 6,000円 | 15,000円 |
| 国際交流体験活動 | 9,000円 | 46,000円 |
| 教養・その他 | 16,000円 | 17,000円 |
出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
公立高等学校と私立高等学校は、学校教育費の差額が大きい一方で、学校外活動費の差額はわずか2万円程度です。
特に、学習塾や家庭教師にかかる「補助学習費」の金額は、公立高等学校のほうが高くなっています。
大学
大学進学後の19~22歳までの4年間は、これまでと比べて教育費が跳ね上がる傾向にあります。
具体的な金額は、公立か私立か、または自宅通学か自宅外通学かによって大きく異なります。
以下は、1年間にかかる大学の費用の平均額です。
| 入学料 | 授業料 | 設備費 | 生活費 (仕送り) |
|
|---|---|---|---|---|
| 公立大学 | 地域内:225,808円 地域外:388,561円 |
536,340円 | 0円 | 1,096,900円 (約91,400円/月) |
| 私立大学 | 240,806円 | 959,205円 | 165,271円 |
出典:文部科学省「2024年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)」
出典:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
出典:日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」
公立大学の授業料は年間約54万円、私立大学では約96万円と2倍の差があります。
さらに、自宅外通学で一人暮らしをする場合は、家賃・光熱費・食費を含む生活費として年間110万円程度の仕送りが必要になるでしょう。
これを4年間に換算すると、公立大学で約700万円、私立大学で約900万円の費用が目安となります(いずれも自宅外通学を想定)。
理系学部や医歯薬学部では、設備費や実験費の関係でさらに100〜200万円上乗せになる場合もあります。
また、パソコン購入・通学定期・資格取得費なども考慮すると、実際の出費は想定より増える可能性が高いです。
家計の負担を軽くしてくれる国の制度としては、2020年(令和2年)にスタートした「高等教育の修学支援新制度」に注目しましょう。
世帯年収や扶養家族の人数に応じて、「授業料・入学金の免除や減額」と「返還不要の給付型奨学金」の2つを組み合わせた支援が受けられます。
参考:文部科学省
「高等教育の修学支援新制度」
大学までの教育費の総額をシミュレーション
続いては、これまで紹介してきた教育費データを基に、幼稚園から大学卒業までにかかる費用の総額について、「全て公立」と「全て私立」という2つのパターンで具体的にシミュレーションします。
実際には、公立と私立を組み合わせる家庭が多く、特に中学や大学で私立を選ぶケースが増えているため、両方のケースを参考に資金計画を立てることが大切です。
「全て公立」の前提で計算すると進路選択や受験結果によっては想定以上の出費が生じることもあるため、余裕を持った備えをしておきましょう。
幼稚園から大学まで「公立」の場合
| 教育機関の種類 | 教育費 |
|---|---|
| 公立幼稚園 | 553,938円 |
| 公立小学校 | 2,017,590円 |
| 公立中学校 | 1,627,425円 |
| 公立高等学校 | 1,793,256円 |
| 公立大学 | 2,371,168円 |
| 合計 | 8,363,377円 |
※地域内入学・自宅通学(仕送りなし)を想定
全て公立に通った場合でも、幼稚園から大学卒業までに約840万円が必要となります。
入学時や修学旅行などの出費が重なるタイミングも多いため、年間で平均40〜50万円の教育資金を見込んでおくのが現実的です。
大学進学後は授業料のほか、パソコン購入費や教材費も発生するため、公立でも家計への負担は小さくないことが分かります。
幼稚園から大学まで「私立」の場合
| 教育機関の種類 | 教育費 |
|---|---|
| 私立幼稚園 | 1,042,014円 |
| 私立小学校 | 10,968,672円 |
| 私立中学校 | 4,681,077円 |
| 私立高等学校 | 3,090,849円 |
| 私立大学 | 4,738,710円 |
| 合計 | 24,521,322円 |
※自宅通学(仕送りなし)を想定
幼稚園から大学まで全て私立に通った場合、教育費は約2,450万円かかります。
私立大学は、理系の学部や医歯薬学部を選ぶと授業料がさらに高くなり、4年間で総額600〜800万円にのぼることもあります。
そのため、私立進学を想定している場合は、早い段階から資金計画を立て、教育資金の積立を始めるなど、準備を進めることが大切です。
文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」など、授業料減免や給付型奨学金も活用すれば、経済的負担を抑えながら希望する進路を実現できるかもしれません。
大学までの教育費は今からでも準備できる?
幼稚園から大学卒業までに必要な教育費は、1人あたり840〜2,450万円です。
公立中心でも800万円、私立中心では2,000万円を超えることもあり、家計にとっては大きな負担となるでしょう。
早めに準備を始めることで、毎月の負担を小さくし、奨学金やローンに頼らない資金計画を立てることができます。
続いては、今からでも取り組める、具体的な教育費の準備方法を4つ紹介します。
家計を見直す
教育資金づくりの第一歩は、家計を見直すことです。
無駄をなくし、浮いたお金を教育費に回すことで、長期的に大きな差が生まれます。
家計簿アプリを使えば支出の傾向を「見える化」できるため、無駄遣いの防止にも効果的です。
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児童手当を活用する
児童手当は、教育費の準備に活用できる制度の一つです。
3歳未満は月15,000円、3歳から高校生年代までは月10,000円、第3子以降は月30,000円が支給されます。
生まれてから中学卒業までに支給される児童手当を全て貯蓄に回すと、200万円以上の教育費を確保することができます。
学資保険や積立型保険を活用する
教育費を計画的に準備する手段として、学資保険や積立型保険も有効です。
いずれも長期的な積立で確実に資金を用意でき、契約者である保護者に万が一のことがあった場合も、満期保険金や祝金などが支払われます。
また、支払った保険料は「生命保険料控除」の対象となります。
| 学資保険 |
|
|---|---|
| 積立型保険 | 教育費だけでなく、将来の住宅資金や老後資金にも転用できる |
返戻率や受取時期を比較し、自分の家庭に合ったプランを選ぶことが大切です。
積立投資で資産を増やす
教育費の準備には、積立投資による資産形成もおすすめです。
長期・分散・積立を意識すれば、リスクを抑えながら効率的に資産を増やすことができるかもしれません。
はじめに積立設定をしてしまえば、手間をかけずに資産形成ができるので、忙しい子育て世帯にもおすすめです。
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教育費が足りないときの対処法
どれだけ計画的に準備をしていても、想定外の出費や収入減、インフレなどによって「教育費が足りない」という状況に陥ることがあります。
特に大学入学時は入学金・授業料・引越し費用などが重なり、一時的に100万円以上の支出が発生するケースも珍しくありません。
続いては、教育費が足りないときの対処法として、「奨学金」と「教育ローン」の2つを紹介します。
奨学金を利用する
日本学生支援機構(JASSO)が提供する奨学金には、「給付型」と「貸与型」があります。
給付型は返済不要ですが、世帯年収などの条件が厳しく、利用できる人は限られます。
そのため、多くの学生が利用しているのが、貸与型奨学金です。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 第一種奨学金 |
|
| 第二種奨学金 |
|
参考:日本学生支援機構(JASSO)「貸与型奨学金(返済必要)」
奨学金は学生本人の名義で借りるため、将来的には子ども自身が返済していく必要があります。
返済は貸与が終了した翌月の7カ月後から始まり、返済期間は最長20年です。
第二種奨学金では利息がつくため、借入額によっては総返済額が300万円を超えることもあります。
そのため、返済シミュレーションを行い、将来の返済負担をどこまで許容できるかを事前に確認しておくことが大切です。
また、返済が難しくなった場合に備えて、「返還期限猶予」や「減額返還制度」などの支援制度も覚えておくと良いでしょう。
教育ローンを検討する
教育ローンは親が契約者となる借り入れで、進学時のまとまった出費をカバーしたい家庭に適しています。
代表的なのが、日本政策金融公庫の「教育一般貸付(国の教育ローン)」です。
| 借入限度額 | 学生1人につき最大350万円(一定の要件に該当する場合は最大450万円) |
|---|---|
| 金利 | 年3.15%(2025年9月時点・固定金利) |
| 返済期間 | 最長20年(据置期間は在学期間内) |
教育一般貸付(国の教育ローン)の返済は在学中から始まりますが、ボーナス併用払いや元金据置期間を設定できるため、返済負担を軽減することも可能です。
さらに、民間の銀行や信用金庫でも教育ローンを取り扱っており、金利は2〜5%程度と幅があります。
金利の低さだけでなく、返済期間、保証料、繰上返済の可否なども比較して、慎重に選ぶことが大切です。
大学までの教育費の準備は早めのスタートが大事!
幼稚園から大学卒業までの教育費は、1人あたり840〜2,450万円が目安となります。
高校・大学入学時には一度に100万円以上の支出が発生するため、短期間で貯めるのは難しく、早めの準備が家計の安定につながります。
児童手当を貯蓄に回すほか、学資保険や長期・分散型の積立投資なら、18年間という時間を味方につけて、複利効果で着実に資産を増やすことができるかもしれません。
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※この記事は2025年10月末時点の情報に基づいています
監修者紹介
監修者 金子 賢司
資格 CFP®資格
プロフィール
東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャル・プランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信している。
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